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都内に住むご家族の週末住宅であり、将来はご夫婦の終の住処となる住宅の計画である。
敷地は国立公園地区に指定されている風光明媚な地域にありながら、その言葉から連想されるような雄大な海や山並と言った大自然は望めない、郊外型の分譲住宅地である。それでも、施主は週末住宅として、自然を感じてリフレッシュできることを期待していた。
そこで、遠くの景観として眺める自然ではなく、この場の空気としての自然を全身に感じられる、大地に大きな屋根を架け、その屋根の下で敷地と一体となる、そんな住宅を作りたいと考えた。
大屋根はできるだけその場の自然を感じられるように、元々の地形に馴染んだ形態とすることが望ましいと考え、起伏があった造成前の敷地形状になぞらえて屋根の形態を導き出した。アプローチ側から旋回しながら上昇して行くその形態は、建て主の「別荘に来たことが実感できる、気分が高揚するような外観」との要望にも応える結果となった。
さらに必要諸室とされた用途の違う三つの個室、水廻り、駐車場を各々の機能と敷地の特徴を考慮して大屋根の下に鏤めた。
各箱を配置した結果生み出される残された有機的なスペースは、諸室機能に縛られる事無く、多様性と変化に富んだ表情豊かな空間となって敷地と一体感を感じられる空間となっている。
刻々と変化するブロック群の隙間から見える空や緑、差し込む光、通り抜ける風を全身で体感できるこの住宅は、敷地の自然をより豊かに、そして鮮明に感じる新たな場を創り出している。