2020/07/04更新0like14845view

著者:佐藤ゆうか

ロフトは床面積に含まれない?失敗しないために知っておいてほしいこと

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

憧れや要望として挙げられることも多い「ロフト」。
ロフトの分部屋の天井が高くなるので開放感があり、収納場所としても便利に使えて人気の設備ですが、同時に「作ったはいいけどあまり使っていない」、「もっとこうすれば使いやすかった」などの不満をよく耳にする場所でもあります。

ロフトを活用するためには、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。
基礎知識や床面積に含まれないためのポイントなどから、計画の注意点を考えていきましょう。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ロフトとは?

「ロフト」とは部屋の一部を2層にした、上部分の空間を指します。

屋根裏収納やグルニエと混合されることがありますが、ロフトはアトリエ、書斎、子供部屋など「部屋」として使われる空間、屋根裏収納やグルニエは「物置・収納」としての意味合いが強いです。

とはいえ、建築基準法では「小屋裏物置 等」と同じ扱いですので、同義語として使っても間違いではありません。

ロフトは床面積に含まれない?

「ロフトは床面積に含まれない」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

固定資産税は床面積に応じて課税されるため、床面積に含まれないロフト部分に対しては、固定資産税がかかりません。

例えばロフト付きの2階建て住宅の場合、ロフトのない2階建てより活用できるスペースが増えるのに、固定資産税は3階建てよりも抑えられるというわけです。

しかし、すべてのロフトが床面積に含まれないというわけではありません。
床面積に含まれないロフトの条件としては、以下が挙げられます。

【床面積に含まれないための条件】

■天井の高さが1.4m以下
「ロフト部分の床から天井までの高さが1.4m以下」がひとつめの条件。
勾配天井になっている場合、どこか一部分でも基準の高さを超えると、対象から外れてしまいます。
ロフト部分の天井高は、いちばん高い部分でも1.4mを超えないよう注意が必要です。

■床面積は直下の階の2分の1以下
ロフトの床面積は、直下の階の床面積に対して半分以下の広さでなくてはなりません。
例えば直下の階が床面積40㎡の場合、ロフトとして作れる床面積は20㎡以下です。


■居室として使えない仕様にする
ロフトはあくまで「物置」であるため、「部屋」のように居心地の良い空間にしてはいけない規定があります。

例えば、
・クローゼットなどの収納を設けない
・電話、テレビ、ネット回線のジャックを設けない(コンセントはOK)
・床仕上げは畳、じゅうたん、タイルカーペット等の居室仕様にしない

などが挙げられます。
他にも、自治体によっては窓の大きさや、固定できる階段を設けてはいけないなどの制限があることも。

ロフトが床面積に含まれない仕様になっているかは、検査機関による確認申請や完成検査の際にチェックされます。

ロフトへの要望がある場合や条件を満たしているか不安な時は、設計士に相談し、必要に応じて検査機関と協議してもらいましょう。

ロフト計画の注意点とポイント

これまでにお伝えした諸々を踏まえて、活用できるロフトをつくるために重要なことをまとめてみましょう。

天井高、広さなど「ロフト」の条件を把握したうえで計画する

「階」としてカウントされた場合、消防や構造の規制は段違いに厳しくなります。
確認申請や構造計算の費用も掛かりますので、ロフトを希望する場合は、前述した【床面積に含まれないための条件】を必ず確認し、条件をクリアできる計画を立てましょう。

また、ロフト部分の天井高については1.4mを確保できないケースも多いです。
どのくらいの高さが確保できるのか確認したうえで、実際に物を持って移動する、掃除機をかける動作をしてみるなど、ロフトでの行動シミュレーションを行っておくと、使い勝手が事前にわかるので安心です。

上り下りしやすい階段・はしごを検討する

物置としてロフトを使っていると、大きなものや重いものを持って階段を上り下りすることが多々あります。
しかし、「固定の階段をつけてはいけない」という制限と合わせて考えると、その動作は大変危険であることが想像できるのではないでしょうか。

加齢により物の上げ下ろしが辛くなってきたり、危険を冒しながら物を出し入れすることを億劫に感じたりした結果、開かずの間となってしまうことも、往々にしてあるようです。

安全な昇降のため、各地域の政令を確認しつつ、移動式階段や小規模固定階段など少しでも上り下りがしやすいものを検討してください。
屋根裏や天井付近は、熱が集まり、こもりやすい部分です。

夏場は灼熱で近寄れない、大切な物を保管できないといった事態を避けるためには、
・屋根の断熱や遮熱をしっかり行う
・熱気を逃がすための通気窓などの設備をつける
・エアコンをつける
・空気が循環するように吹き抜け部分にファンをつける

など、熱を逃がすための計画が必要です。
上手に計画すれば、便利に使えるロフト。
長く快適に活用できる計画を立てたいですね。

ロフトのメリット・デメリットとおしゃれな部屋
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2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
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