料理研究家・太田みおが10年住んだフルリノベ中古マンションから、注文住宅への住み替えを決意。建築家と作る、夢のマイホームの完成までの実録です。前回は地鎮祭についてのお話、今回は上棟式を迎えるまでのことをお話しします。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
想定外の追加費用に頭はくらくら
基礎ができ、いよいよ上棟
上棟式って何?
やると決めたら、何を用意すればいいのか?
想定外の追加費用に頭はくらくら
地鎮祭を終えたあと、わが家は地盤改良を行う必要がありました。地盤調査をしたところ、購入した土地は地下数メートル近くまでが軟弱な地盤だったため、良好な地盤の深さまでコンクリートの柱を多数立てる柱状改良を行うことになりました。
わが家は土地購入代金以外に、古家解体撤去費用と、さらに古家を解体したときに発見された、地下の巨大な浄化槽の撤去費用も追加でかかってしまいました。
古家付きの土地を購入する場合は、地下の埋設物の処理に関する瑕疵(かし)期間の確認は、本当に気をつけた方がよいです。「古家付き土地の引き渡しから、2ヶ月間の間に、地下から発見された残存物の撤去にかかる費用は元の持ち主が負担する」という条項が契約書にあることを私たちが見落としていたため、その瑕疵期間を過ぎての解体工事&発見となってしまったのです…。
ですから、地下から出てきた浄化槽の撤去費用もうちが負担することになってしまったという、大失敗…想定外の大出費に、泣きそうです。さらに地盤改良にも予想以上の費用がかかり、湯水のように出て行くお金に、もう、頭はくらくらです。笑
基礎ができ、いよいよ上棟
そんなこんなのトラブルを乗り越え、ようやくコンクリートの立派な基礎ができあがりました。そして、この基礎の上にいよいよ、木造の家の骨組みを組み上げる日がやってきました。これが、いわゆる上棟です。
基礎の上に、たった1日で骨組みを組み上げ終え、棟まで完成させるんです。これは、私自身が家を建てることになるまで、知らないことでした。1日で上まで固めないと、グラグラと不安定なのと、重機の稼働費用などの都合もあり、職人さんたちを大勢集めてみんなで一気に組み上げるんだそうです。
上棟式って何?
さて、この上棟の日には、上棟式という習慣があるのをご存じでしょうか。やるかやらないかは、施主の判断に任されており、決して義務ではありません。最近では、行わない人も増えているようですが、わが家は、ささやかな上棟式を行うことにしました。
上棟というのはたくさんの職人さんに集まってもらい、とても大変な作業を一日かけてしていただく日であると同時に、工事の中でも最も華やかな一日なのです。基礎しかなかったところに、家の形ができあがる特別な日。
そんな特別な日に、施主から、家の建築に関わってくれている建築家や工務店、職人さんたちに、ここまで頑張ってくれてありがとうございます、という感謝の気持ちを伝えるとともに、これからも続く工事がどうか無事に安全に終えられますようにという願いをこめ、施主からのおもてなしとして上棟式を行います。
やると決めたら、何を用意すればいいのか?
初めてのことだったのでネットでいろいろと調べたものの、上棟式には様々なやり方があり、何をどう進めればいいのか全く分かりませんでした。
朝から現場に入り、午前の休憩でお茶とお菓子を出し、昼の休憩には弁当を用意し、午後休憩にもお茶とお菓子を用意、作業を終えたら上棟の儀式(中には餅投げをする人も)を行い、ごちそうと飲み物でみなさんをもてなし、引き出物とご祝儀を皆様にお渡しするというのが上棟式のフルコースのようでした。
わが家は、ささやかな上棟式を行いたい気持ちを建築家に伝え、何をどこまで準備すればよいでしょうかと、ざっくばらんに相談しました。それから建築家が工務店の責任者と話をしてくださり、お昼のお弁当は辞退され、作業後のつまみと飲み物、四方にまく米と塩のみご用意をお願いします、と言われました。儀式用の四方にまくお酒や、簡易的なテーブルや椅子、棟札などは工務店さんのほうでご用意してくださるとのことでした。
次回は、実際のわが家の上棟式当日の流れと準備したものについて書きたいと思います。