2023/09/06更新0like2556view

著者:岩間光佐子

キッチン天板(ワークトップ)の種類と特徴を解説。こだわりのキッチンプランに役立てよう!

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンプランを検討する際には、レイアウトはもちろん、シンクやコンロ、水栓などの機器を選ぶことになりますが、天板(ワークトップ・カウンタートップ)は、使い勝手を左右するとともに、インテリアにも影響する重要なアイテムのひとつです。ここでは、天板の種類と特徴、選び方の注意点をまとめました。

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空間デザインにも影響する需要なアイテム

キッチンの天板(ワークトップ・カウンタートップ)は、キッチン作業性を左右する重要なパーツとなります。比較的広いスペースを占めるので、キッチン空間のデザイン性にも影響するものです。特に最近では、キッチンとリビングやダイニングをひとつの空間とする間取りが多くみられること、対面キッチンやアイランドキッチンといったオープンなキッチンプランも人気を集めることなどから、天板の存在感も大きく、インテリアイメージも左右するアイテムとなっています。

キッチンのプランニングにもよりますが、オーダーキッチンの場合は、基本的にどのような素材でも取り入れることが可能。新築やリフォームで多くの方が取り入れるシステムキッチンの場合は、商品ごとにいくつかの素材が設定されているので、その中から選ぶことになります。

主な素材の種類と特徴

キッチンの天板には、さまざまな素材がありますが、一般的なシステムキッチンで設定されているのは、ステンレスと人工大理石でしょう。メーカーや商品によっては、より性能を高めた新しい素材もみられます。オーダーキッチンや造作の場合であれば、タイルや木(無垢材・集成材)などを用いるケースもあります。

ステンレス

ステンレスの特徴は、耐水性はもちろん、耐久性や耐熱性、耐汚性に優れていること。熱や汚れを気にせずに使用できるのは大きなメリットです。お手入れやメンテナンスが楽なのも魅力でしょう。

表面仕上げには、光沢のあるタイプ、エンボス(凹凸のある模様)やヘアライン(髪のような細いライン)などがみられます。これらの加工を施すことで、傷が目立たず、金属特有の冷たい雰囲気も抑えることができます。また、ステンレスは、厚みなどによっても性能や表情に違いがみられます。特殊なセラミックコーティングを施したタイプなどもあるので、選ぶ際には条件に合わせて比較検討することがポイントです。

人工大理石

人工大理石は、天然の大理石のような温かみがあること、色柄などのバリエーションも豊富なことが特徴の素材です。耐水性や耐汚性に優れ、表面が滑らかなので、お手入れも簡単。インテリア性が高いので、内装材や家具などとのコーディネートもしやすいのも魅力でしょう。

人工大理石の原材料は樹脂。大きくアクリル系とポリエステル系に分かれ、メーカーによっては、エポキシ樹脂を用いたものや、有機ガラス系の素材を用いたものなどもみられます。一般的に、アクリル系やエポキシ樹脂は透明感があり、ポリエステル系に比べて耐熱性などに優れるのが特徴。ポリエステル系はアクリル系より比較的安価なものがみられます。

人工大理石はメーカーや商品によって、価格だけでなく、素材感や色合い、性能なども異なります。ひとつのシステムキッチン商品に、いくつかのグレードを設定しているケースもあるので、それぞれの特徴をしっかりと確認することが大切です。

セラミック

最近、メーカーのシステムキッチン商品でも取り入れられるケースもみられるのが、焼き物であるセラミック。ステンレスや人造大理石に比べると高価ですが、高級感や陶器のような質感、深い色合いなどが魅力でしょう。硬度が高いため、傷がつきにくく、お手入れも楽。熱による変色の心配もありません。

タイル

馴染みの素材であるタイルは、耐水性はもちろん、耐熱性、耐汚性に優れ、水まわりに適した素材です。商品的なバリエーションも豊富で、素朴で温かみのある空間やモダンなデザインなど、取り入れ方によって個性的なキッチンが実現できるでしょう。条件やプランにもよりますが、施工に手間がかかること、天板面を平滑にするのは難しいこと、また、目地の汚れなどが気になる場合もあるようです。

メラミン

メラミン化粧板(樹脂含浸紙を何層も重ね、高温・高圧で積層成形した耐久性のあるプラスチック板材)を用いたもので、色や柄、デザインが豊富なのが特徴です。比較的安価。防水性が優れ、汚れに強くお手入れも簡単です。熱には弱いので、直接鍋を置くことは避けた方がいいでしょう。

木(無垢材・集成材など)

ナチュラルな雰囲気のキッチンプランも注目されています。オーダーキッチンなどでは、木製のキャビネット、扉などだけでなく、カウンターにも木材を取り入れるケースも。キッチンカウンターとしては、一般的に、反りや割れなどが小さい集成材が多く取り入れられ、表面に塗装を施すなどして、耐水性や耐熱性を高めた材を用いることになるでしょう。

モルタル

無機質の雰囲気を生み出す素材として注目されているのがモルタル。モルタルはセメントや砂、水を混ぜて作られるものです。不燃性の材料でできているので、耐火性に優れていること、継ぎ目がないこと、汚れても掃除しやすいなどの特徴もあります。

キッチンの天板の場合、本物のモルタルを使う場合もありますが、モルタル風の人工的な素材を用いるケースもみられます。本物のモルタルの方が風合いなどを楽しめますが、人工素材の方がお手入れはしやすいでしょう。

選び方のポイント

求める機能の優先順位を明確にする

さまざまな作業が行われるキッチンの天板は、水に強いことはもちろん、油や調味料などにも汚れにくく、お手入れが楽なことが重要です。また、熱い鍋などに対しても強いこと、物を落としても傷がつきにくいこと、いつまでも美しい状態を保てることもポイントでしょう。

プランニングの際には、天板単体で考えるのではなく、まず、シンクとの組み合わせに配慮して検討を。天板とシンクを同じ素材とするプランも考えられるので、同時にプランニングをすることが大切です。わが家のキッチン作業のスタイルをイメージし、天板に対するこだわりや優先順位を明確にして選ぶようにしましょう。

ショールームで確認する

キッチンを検討する際には、ショールームを活用することが重要なのは言うまでもありません。素材の色味や素材感、キャビネットや扉材との組み合わせなどは、シミュレーションや見本サンプルなどで確認するようにしましょう。

また、実物に触れてみる、汚れやお手入れ方法などを確認するなど、それぞれの素材の特徴をしっかりと理解することも重要です。性能実験やお手入れ方法などを確認できるコーナーを設けているショールームもあるので、アドバイザーに説明を受けるなど積極的に活用を。見た目にわかりにくい性能については、耐熱温度やひっかき傷に対する表面の硬さなどの数値を比較してもいいでしょう。

空間全体で検討する

キッチンの天板と言うと部分的なものに捉えられがちですが、実は空間のインテリアにも大きく関わるアイテム。キッチンのスペースだけでなく、間取りプランを含め空間をトータルで検討することが大切です。
特にオープンなキッチンプランの場合は、色や柄などデザインにも配慮したいものです。くつろぎの場から天板がどのように見えるか、室内のインテリアと同じ感覚で楽しみながら機能性や利便性を踏まえて検討しましょう。

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