2019/01/16更新0like1719view

著者:SUVACO編集部

未公開物件が見つかるコツ、教えて!〜不動産エキスパートに突撃質問〜[後編]

東京・中目黒でリノベ向き物件を探しているAさんが、SUVACOの不動産のプロ、菅本に日頃の疑問をぶつけるこの企画。中目黒の街歩きをしながら、マンションが売りに出やすいエリア、マンションを見るポイントなどをご紹介した[前編]に続き、今度は喫茶店に腰を据え、さらに突っ込んだ質問をしていきます。
[後編]のテーマはズバリ、「自分が探している物件とどうしたら出会えるのか!?」。他にも、東京都内で物件探しにオススメの場所や、最後に迷った時の決め手など、今回もAさんがガチンコで質問を繰り出します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

さらにいろいろ聞いていきます!

昭和の香りがする喫茶店で。聞きたいことでいっぱいのAさん。持参した質問リストも広げます

昭和の香りがする喫茶店で。聞きたいことでいっぱいのAさん。持参した質問リストも広げます

[前編]はこちらからご覧いただけます。

Aさん:
今まで何度も、インターネットなどで検索してみたのですが、条件に合う魅力的な物件を見つけられないんですよね。築年数は経っていても、耐震や修繕状況に問題がなければOKですし、フルリノベーション前提なので、内装や間取りにもあまりこだわっていないのですが…。
中目黒で50平米以上だと、予算3,500万円は無理なのでしょうか。

菅本:
物件にもよりますが、決して無理な金額ではないですね。築年数にこだわらないなら、だいたい3,000万円台後半が相場と考えてよいと思います。面積はなぜ50平米以上なんですか?

Aさん:
住宅ローン減税を使いたいなと思っているんです。やはり10年の控除、しかも今後さらに3年伸びるかもしれない、というのは魅力的で。(2018年12月時点)

菅本:
なるほど。住宅ローン減税の適用をご希望であれば、面積の他にも満たすべき要素が出てきます。

主な適用要件は
・年収3,000万円以下。前後2年に他の減税特例を受けていないこと。
・床面積が「登記簿で*」50平米以上
 *パンフレットなどでは、内壁の厚みの中心を基準に計測する「壁芯」で書かれていることが多いです。一方、登記上の数字は壁の厚みの内側(部屋側)を基準とする「内のり=実際に住んで使えるスペース」になります。壁芯の数字が50平米ぎりぎりに近いと、内のりはそこから平均3~4平米少なくなるので、必ず登記上の数値を確認しましょう
・耐火建築物(マンション等)の場合、築25年以下、もしくは耐震基準に適合し証明書が出せること。
が必要になります。

Aさん:
なるほど、面積だけではだめなんですね。“築25年以下もしくは耐震基準に適合”が、場合によってネックになりそうですね。

菅本:
都心部で4,000万円以下の価格だと、築年数25年以上の物件がほとんどですからね…。でも、耐震基準に適合して、適合証明を受けられる物件は多々あるので、あきらめることはありません!

住宅ローン減税の適用条件を満たすと、同じ要件で、諸経費が少なくなる登録免許税軽減措置や、両親・祖父母などの直系尊属から700万円まで無税で資金援助を受けられる住宅取得金資金援助(贈与税の特例)も受けられるんです。

耐震基準を満たす物件を見つけるために、逆転の発想でNGとなりやすい物件の特徴も知っておきたいですね。耐震基準の適合証明を受けられる可能性が低い物件の外観的特徴の目安ですが、
・1階が駐車場やピロティ(壁がなく柱だけで2階部分を支える1階の空間。エントランスホールや駐車場に利用されることが多い。)になっている場合は揺れに弱い構造のため、ほぼアウト。
・建物を支える柱が壁から離れている独立柱も耐震性に欠けます。
・建物のフォルムは横長や正方形がベターです。カクカクと建物同士がジョイントしている形のものは、つなぎ目部分の接続が甘い場合があり、耐震基準に満たない可能性があるからです。

Aさん:
なるほど。耐震基準も確認するようにします!

未公開物件の情報を入手するには

どんな質問にも答えていく菅本

どんな質問にも答えていく菅本

Aさん:
希望の広さと予算感が実情とずれていないのに、良い物件がネット上にないのはどうしたらいいんでしょうね。複数のサイトで同じような物件しか上がっていないので、時々見かける「未公開物件」の情報がいち早く手に入ればいいのに!と思っているのですが…。

そもそも公開物件と未公開物件の違いも、よく分からなくて。未公開、という言葉に掘り出し物感がある一方で、ネガティブな側面がないのか心配もあります。

菅本:
公開物件か未公開物件か、ということだと、未公開物件の中でも幅があります。
1つの基準として、不動産業界ではレインズ*に登録済みの物件が公開物件と呼ばれるんですが、一般の方々はインターネットサイトに広告が載っている物件のことを公開物件、掲載がないものが未公開物件と呼んでいると思います。しかし、レインズに登録されていても、インターネットサイトで広告されていない物件も数多くあります。
*レインズ(REINS)とは、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営する、不動産情報交換のためのオンラインシステムです。全国の不動産業者が会員となっていて、物件情報を検索することができます。

Aさん:
では未公開物件は、なぜレインズに登録しないんですか?

菅本:
故意に登録をしないというわけではないんです。
宅地建物取引業法の決まりで、不動産業者が物件の売主と専属専任もしくは専任の媒介契約を締結した場合は、必ず定められた期間内にレインズに登録する必要があります。
ただ、媒介契約を結ぶ前の、売主の方の売却希望金額が相場と大きなずれがないか探るための相談期間中や、媒介契約からレインズに登録するまでの期間に、事前に買いたい物件のご希望を頂いたお客様にご紹介をすることがあり、結果的にレインズ登録前に売れてしまうことがあるわけです。

Aさん:
人気の物件だと公開する前に売れてしまうというわけですね!
そうした物件情報をいち早く入手するにはどうしたらいいでしょうか。

菅本:
私たちのような不動産のプロは、今まで築いてきた業界内の情報ネットワークや、家を売却したいお客様からご相談を頂くことなどによって、未公開物件の情報も日々入ってきます。なので、不動産のプロと親しくなっておいて損はないですね。
SUVACOのリノベーション向き中古物件提案サービス にお申込みいただいた方にも、そうした情報を取り混ぜていろいろとご紹介していますので、まずはご登録いただけるといいと思います。

また、物件を扱う中で、何人もの方が同時に似たような条件の物件を求めていらっしゃる場合があります。その条件にマッチする物件が出てきた時、真っ先にお顔が浮かぶのは、やはり人情的にも、顔を合わせたことがあり、ご要望も細かくヒアリングできていて、一所懸命物件を探している様子を知っている方になることが多いんです。

お時間が許すならば、メールだけよりも面談でヒアリングさせていただけると、細かいご希望のニュアンスもうかがえますし、そのお客様に合ったアドバイスや意見交換もできるので、おすすめですね。

Aさん:
私も早速その「顔が浮かぶお客様」の1人に加えてください(笑

本当にピンポイントで探してみることって可能?

Aさん:
実は私、中目黒に「ここに住めたらいいのにな…」と思っているマンションが2軒ほどあるんです。
そういうマンションを決め打ちで探すことはできるんですか?インターネットなどではどちらも見かけたことはないのですが…。

菅本:
きちんとお話を聞いて、条件に合いそうだったら、私たちがそのマンションにチラシを配るなどして、売却意向のある方を募ることがありますよ。あとで、もっと詳しく教えてくださいね。

Aさん:
本当ですか!? なんだか可能性があるような気がしてきました!

東京都内でオススメの場所は…?

Aさん:
菅本さんから見て、都内で物件を探すのにオススメの場所はあるんですか?

菅本:
Aさんは中目黒にこだわりがあるので、そこは妥協しないで探した方が良いと思いますが、一般的にということなら、私は文京区がおすすめですね。人気の谷根千(谷中・根津・千駄木周辺)でも中目黒よりは若干お安めですし、私のおすすめは後楽園や茗荷谷です。茗荷谷は不動産のプロの中では評価の高い街ですし、後楽園は私も住んだことがあって、とても交通の便が良くコストパフォーマンスが高いです。飯田橋や神楽坂、武道館までも歩いて行けますしね。また、今再開発をしている(2018年12月現在)ので、再開発後は値上がりが期待できます。再開発中の街は注目ですね。

他にも目白や駒込など、山手線の北側エリアにも隠れた優良住宅地が多くておすすめですよ!

最後に、迷った時の決め手を教えてください

真剣にメモを取るAさんと、説明にも力が入る菅本

真剣にメモを取るAさんと、説明にも力が入る菅本

Aさん:
条件的に似た甲乙つけがたい物件があった場合、どこで判断すべきですか?
また、最終的に決めよう!と思い切るべきポイントを教えてください。

菅本:
物件探しは、まず最初の段階では条件やデータの収集・整理です。
金額、条件などの優先順位付けをし、物件をとにかくたくさん見てデータをためる。左脳で理論的に考えていきます。そうしたことをきちんと実行して見る目を養ったという前提で、最終的な判断は右脳=自分の直感で決めましょう。

ここに住んだら、いいな、楽しそうだなという方を選ぶ。逆に、なんとなく気が進まないな、ここでの生活はイメージできないな、あるいはすごく気になって嫌なところがある…ならやめる。

細かい条件すべてを満たしていなくても、自分の優先度が高い要素に満足でき、感覚的に楽しく暮らせそう!と思ったところは、ずっとその部分に満足して暮らしていけますよ。

良い物件情報を入手した際は、条件の良い物件ほど競争率は高いということを忘れずに。
不動産屋にとって一番厄介なのは、実は漠然と「良い物件ありませんか?」と聞かれることなんです。その人その人で、「良い物件」は違ってきますからね。

不動産アドバイザーと一緒に、予算感やライフスタイルなどをしっかり話し、皆さん1人1人にあった物件が見つかればいいなと思います。私たちももちろんお手伝いしますよ!

Aさん:
どうもありがとうございます!これからの物件探しも、どうぞよろしくお願いします。
[前編]を読む

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