2018/12/05更新0like1672view

著者:佐藤ゆうか

省エネ住宅って、本当に減税・節約になるの?

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

私たちは、毎日快適な生活を送るために多くのエネルギー資源を消費してきました。限りあるエネルギー資源は大切にしたいですよね。そのため、最近は住宅のあり方や省エネ性についても関心が高まっています。省エネ性に優れた住宅を建てることは、いいことだということは誰もがわかることです。しかし、実際には設備投資にお金がかかるので、いざ家を建てるとなると省エネ性については妥協してしまう方も多いのが現実。今回は、「そもそも省エネ住宅というのは何なのか」ということから、省エネ性に優れた住宅を建てることのメリットについて、改めて確認しましょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

省エネ住宅とは?

経済産業省の資源エネルギー庁によると、省エネ住宅とは、冷暖房等の空調機器のエネルギー消費量を抑える住宅のことを言います。

冷暖房等の空調機器のエネルギー消費量を減らす住宅とは、冬は室内の温かい空気を逃がさず、夏は外の熱が室内に侵入しない住宅のことです。

そのためには、家づくりの際に以下のポイントを押さえることが大変効果的です。

・断熱性能を高める
・住宅の日射遮蔽性能を高める
・気密性を高めた上で換気計画を行う

では、具体的な内容を確認していきましょう。

断熱性能を高めるためには?

池田 郁夫「大きな土間収納がある自然素材リノベーション」
断熱性能を高めるためには、住宅の床、壁、窓、屋根などの外気に接している各部から逃げる熱を減らすことが大切です。そのためには、以下のことが効果的です。

・住宅を隙間なくつつみ込むイメージで断熱材を充填(てん)させる
・外気に面する扉、窓をペアガラスにする
・窓を二重サッシにする
・サッシの枠を樹脂プラスチック製等の断熱性に配慮したものにする

外気に接している部分に断熱材の隙間があると、冬は室内の温かい空気が逃げたり、屋外の寒さが室内に伝わってきてしまいます。

夏は、室外からの熱が室内に侵入したり、せっかくエアコンで涼しい空間を作ってもすぐに暖まってしまうことになります。

また、断熱性が低い部分があると、温度差から結露が発生しやすくなり、健康被害や家の傷みにもつながる恐れがあるのです。省エネ住宅としてはもちろんですが、住まいの快適性を高めるためにも、断熱性能を高めることはとても重要であることがわかりますね。

住宅の日射遮蔽性能を高めるためには?

一級建築士事務所 感共ラボの森「町田のナチュラルハウス」
夏の住宅は、外からの太陽からの熱によって室内の気温がどんどん上昇します。日射遮蔽性能を高めるためには、この熱を遮ることが大切です。

具体的には以下のことが効果的です。

・屋根や外壁に遮熱塗料等を用いる
・外気に面する扉・窓に遮熱ガラスを用いる
・窓にカーテンやブライドを設ける
・植栽計画で建物への直射日光を遮る
・換気で排熱する
・軒を出す

断熱性の高い住宅は、室内に熱を入れてしまうと排出しにくくなり、冷房費用も高くなります。逆に、冬場は太陽の熱をうまく取り入れることで、暖房費用の節約になります。
特に、ブラインドは日を遮る、取り入れるといった切り替えが簡単なので、おすすめですよ。

気密性を高めて換気計画をしよう!

ファーバルデザイン一級建築士事務所「エアコン1台で家じゅう快適。デザイン性の高い高気密・高断熱の家。」
住宅の気密性が低い状況とは、住宅に隙間がある状況ということです。

隙間があると、思いがけず空気が出入りしてしまうため、住宅内で不均一に熱が移動することになります。ただ気密性のみを高めるのでは、室内の空気汚染につながるので、同時に計画的な換気ができるような換気計画を行いましょう。

気密性を高めて、換気を行うと、空調が効きやすくなり、室内の環境が均一化して快適になります。また、空気を清潔に保つことができて、健康にも良い効果があります。

省エネ住宅のメリットは節約・健康・安全

省エネ住宅にすることで、その住宅は節約・健康・安全に優れた住宅になります。

具体的なメリットは以下の通りです。

・空調が効きやすく、室内温度が保ちやすいので光熱費の節約になる
・室内の空気が清潔なのでアレルギーリスクが減る
・室内の気温が安定しているのでヒートショックのリスクが減る
・結露によるカビの発生や家の傷みを防ぐことができる
・低金利で融資が受けられる
・税金の控除が受けられる

省エネ住宅にして、一定の条件をクリアすることで、省エネ住宅を優遇する制度も受けることができます。省エネ住宅を実現するためには、普通の住宅よりも費用が掛かりますが、削減された光熱費分や、省エネ住宅の助成で元を取ることは十分可能です。

これから家を建てる方は、これらのメリットも含めて住まいの省エネ化を検討してみてください。
省エネ住宅とは何なのかということから、省エネ住宅のメリットについてお伝えしました。

窓や扉の断熱性はリフォームでも向上させることができますが、壁体内の断熱材の変更や、気密性の向上については、後々行うのは難しく、費用もかさみます。毎日の生活を快適にするためにも、家を建てる際にできることから実現させたいですね。
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2級建築士。
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