2019/03/06更新0like4949view

著者:SUVACO編集部

断熱知識ゼロの私にもわかった!「断熱展」で知った温度と健康の関係

「断熱」と言われて、どんなものを想像しますか? 何のイメージも湧かない方がほとんどではないでしょうか。しかし、予備知識を全く持たないまま潜入した「断熱展」というイベントで、私は秘められた断熱の可能性に気付いてしまったのです……。今回はみなさんの健康を大きく左右するかもしれない断熱について、2019年2月22日にシティラボ東京で開催された「断熱展」の模様と合わせて詳しく紹介したいと思います。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

高性能住宅が健康を作る!?「断熱」の重要性を知るべく「断熱展」へ!

突然ですが、みなさんが今住んでいる家の中に寒さを感じる場所はありませんか?

私の家はとにかく脱衣所が寒い! 真冬のお風呂上がりなんて、温まった熱が一瞬で吹き飛ぶ極寒具合……。でもお風呂場なんてどこの家でも寒いもの。そう思っていたのですが、どうやらその考え、日本独特のものらしいのです。

高性能住宅が普及している諸外国では、その概念自体が無いと聞いてびっくり。ヨーロッパなどの先進国と比較して日本の住環境設備は著しく普及が遅れているうえ、住む人の健康にも確実に大きな影響を及ぼしているそう。

それらを解決するのが「断熱」、高断熱・高気密の高性能住宅なのです!
今回はそんな断熱と高性能住宅についていろいろ知ることができるイベントがあると聞き、シティラボ東京で行われた、HEAD研究会・エネルギータスクフォース主催の「断熱展」にやってきました。

※イベントの詳細は以下の記事をご参照ください
「わが家は寒い…」これって本当に仕方がないこと? 「断熱展」で年中快適な家のヒントを探ろう!

建築家、行政、居住者……さまざまな目線から断熱を語るトークセッション

イベントは「断熱男」こと竹内昌義さん(建築家・株式会社エネルギーまちづくり社代表取締役)のオープニングトークからスタート。
平日昼だというのに会場は立ち見が出るほどの大入り満員!

事前にほとんどのトークチケットが売り切れてしまったと言う盛況ぶりからも、関心の高まりを感じます。
1本目は東京都・横浜市・川崎市の行政担当者によるトークセッションでした。合計約1500万人もの人口を擁する自治体が、断熱をテーマに一同に会するのは史上初とのこと。

消費エネルギー削減の重要性や、各自治体の取り組み・課題などについて紹介していました。既存住宅のストックを改修していくことがどの自治体も今後の鍵になっているみたい。改修すると補助金が出る自治体もあるらしく、気になるところです……。
続いて登壇した岩前篤さん(近畿大学建築学部学部長 建築環境システム研究室教授・博士)のトークは、とにかくわかりやすくて面白い!

断熱について知識ゼロ状態で参加していた私でも、10秒に1回「へ〜!」と声を上げてしまうほど、興味深い話ばかりでした。

室温を10度アップすると血圧に10前後の変動が見られた研究結果の話や、断熱性能の高い家に引っ越した人の健康改善率の話からは、改めて断熱と健康の関連性を実感。
その後も、実際に高機能住宅に住む伊藤菜衣子さんと、リビタ黒田大志さんのエコハウス居住者体験談や、古材を使用し自らエコリノベを手がけた東野唯史さん(ReBuilding Center JAPAN)、中田理恵さん(HandiHouse project 中田製作所)の断熱リノベトークなどが続きます。

高性能住宅の数がまだまだ少ない中、リアルな話を聞き直接質問できる機会はとても貴重。実際に建てた人・住んだ人ならではの意見は、これから高性能住宅や断熱リノベを考える人にとって、大変有益な情報だったと思います。

展示ブースで最新の断熱設備を見学!

会場内の展示スペースには、断熱設備等を紹介するブースも数多く出展されていました。どんな設備でどれだけの効果が得られるのか、実物や模型を見つつ詳しく聞くことができました。
結露や音の問題、光熱費なんかも断熱性能を上げることでクリアできるんですね〜。

断熱性を体感できる、「断熱タイニーハウス」

会場1階の中庭には、エコハウスを体感できる「断熱タイニーハウス」が展示されていました。
建築学科の学生達の手によって作られたというタイニーハウス。3.3平方メートルと小型ですが、その断熱性能はなんと北海道で基準とされる断熱性能と同レベルの0.3Ua値。
断熱性と心地良さを感じられる体感展示ということで、実際に入ってみました。人が集まれば集まるほど温度が上がるとの説明どおり、3人も入れば屋外展示とは思えない暖かさ……。

1日参加して思ったこと

聞いて見て体感できる「断熱展」、いろんな学びがありました。
■やっぱり戸建て・マンション関係なく日本の住宅は寒い

これまでキッチンや窓際、脱衣所やお風呂場は寒くて当然だと思っていました。みんなそれがあたりまえで今まで生きてきたから、不満だとすら気づいてないんですよね。「我慢が無い状態が普通」って言葉は目から鱗でした。
■健康と温度は思っていた以上に関連性が高い

ヒートショックで亡くなる人、家の中で凍死する人の多さに驚愕。寒さが命の危険に直結するなんて思ってもみませんでした。だけど高齢化が進む今だからこそ、考えなくちゃいけないことなんですよね。

目に見えないからわかりづらいけど、命を守る&住む人の安全・健康を守る上では耐震性と同じレベルで考えるべきものだと感じました。
■「断熱」とは言うものの、温度以外のメリットも多い

温度差による結露や家の傷みも緩やかにしてくたり、光熱費の面でコストパフォーマンスにも優れていたりと、高性能住宅のメリットは夏涼しく冬暖かいことや健康に過ごせる以外にもたくさん。
生活のベースを形作る場所だからこそ、健康・安全・長期的なコストパフォーマンスなど本当の意味での住みやすさ=家の性能が重要なんだなと改めて感じた1日でした。

さまざまなメリットを得られる「断熱」、あなたの住まいにも積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
エネルギーをつくらないエネルギー会社?「エネルギーまちづくり社」に家の断熱について聞いてみました
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