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築30年の瓦葺き、モルタル塗りの木造住宅のリフォーム。狭い道路に面するため玄関や窓の配置と周囲からの見え方を考慮する必要があった。また36坪の空間が細かく仕切られた既存の間取りを開放し、各所に機能的な収納が求められた。
平面形状に従い幾つもの切妻屋根のかけられた既存の形態をそのまま活かしたまま軒の出を切り落として、ガルバリウムの屋根と一文字葺の外壁で建物全体の軽量化と壁量確保によって全面的に改修した。巾員2.0~3.5mの前面道路に対しては、道路後退距離分セットバックした格子塀を層をずらして2枚配置し、狭隘道路から玄関を切り離し建物横の駐車スペースから道路と平行に玄関へアプローチするようにした。内部はLDKのワンルーム空間を中心とした空間で構成している。
洗面コーナーの正面の鏡は三面鏡になっており、左右の鏡を開けるとアルミサッシの窓があります。普段は下半分のみ鏡の下から外部の板塀で隠れた坪庭を見ることができ、上部は鏡を閉じることによって視線を遮っています。中央の鏡を開けると収納になっています。浴室は、傷んだ柱と土台を入れ替え土間コンクリートを打設し、入念な防水処理を施して白いモザイクタイル張りの浴室にしました。浴槽正面には板塀で囲まれたプライベートな坪庭が見えます。
既存の天井をはがし、屋根裏に断熱を施し丸太の小屋組をそのままあらわしました。
2階は、もともと二間続きの座敷と廊下だったところを14帖の畳敷きのワンルームにしました。押入だったスペースの柱を入れ替えて階段との仕切りとしています。
壁の厚みを利用して、階段に沿って2000枚以上のCDが収納できるようになっています。既存の階段は撤去して同じ位置にスチールのフラットバーのササラで軽快な階段に作り替えました。左奥には洗面コーナーが見えます。
18帖のリビング正面のCDコレクションを納めた棚に沿って、鉄骨で作った軽快な階段が2階へ続きます。階段を降りた奥は玄関につながり、右側の障子を開けた窓に自然の風が通ります。 和紙の壁紙と障子で和のテイストを活かしながら北欧スタイルの家具でまとめています。
ステンレス3ミリの厚板を使った特注キッチン。以前、床の間だったスペースに不燃化粧板(キッチンパネル)を貼り、上部の煙だまり内に換気扇を設置しています。冷蔵庫スペース、食品保存棚なども室内から埋め込んだように配置することによって、室内に調理器具などがあふれてこないようにしています。
障子の光に包まれたリビング。壁・天井は和紙の重ね張りによる柔らかい表情になっています。
ダイニングコーナーにはキッチンの手前に小さなコの字型の収納カウンターを設置し、その内側を調理器具や食器の収納棚、配膳台として、リビング・ダイニングからキッチンの手元を隠しています。
玄関左側のマヂックコート塗の壁の奥に壁一面のシューズクロゼットと家族用の内玄関があります。正面のガラス引戸を開けると、リビング越しに建物裏の用水へ視線が繋がります。隣地の梅の木も借景となっています。
建物横の駐車スペースから格子塀の裏側を通って玄関へアプローチします。駐車スペースまで伸びる庇が玄関まで誘導します。玄関廻りのみマヂックコートの塗壁で柔らかい感じをだしています。 大きなフロストガラスの入った木製建具が玄関です。ポーチの庇で十分に風雨を遮ることができるため木製建具でも安心して使うことができます。玄関土間の奥にリビングに入る前にもう一枚引戸があります。
細いT字路の突き当たりに位置するため、正面からの視線を避けるために格子塀を設け、道路から直接玄関が見えないようにしています。複雑な屋根形態の既存建物の軒の出を撤去し、家型のモチーフが連続する形態を単純にガルバリウム鋼板の一文字葺きで包み込んだように仕上げました。既存のモルタル塗りの壁を撤去し、軽量化することによって古い構造体にかかる負担を少なくしています。建物正面は西向きに面するため、1階は玄関と通風のための高窓、2階には正方形の小窓のみを設置し、断熱された壁面で覆いました。