現在、日本の住宅で一番選ばれている構造は木造です。なぜ木造住宅は選ばれることが多いのでしょうか。今回は、木造住宅が選ばれる理由や、そのメリットについてご紹介します。住宅の構造を何にしようか悩まれている方はもちろんですが、木造住宅を建てようと決めている方も、改めて木造住宅の素晴らしさをご確認ください。
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木造住宅はなぜ選ばれるのか?
木造住宅のメリットとは?
木造住宅はなぜ選ばれるのか?
一般的な日本の戸建て住宅で、木造が一番選ばれている代表的な理由は以下の3つだと言えます。
①価格が安いから
昔から日本には木材が豊富にありました。そのため、多くの木材を用意することができたので、建築物の材料として積極的に使用されてきました。
木材が積極的に多く使われることで、木材の価格が下がり、木造の住宅は最も安い価格帯の構造となったのです。『安いから』というのは家づくりにおいて大切な要素ですよね。
②日本の気候に合っているから
日本のじめじめとした気候では、調湿性や通気性に優れた木材の特徴はカビや腐食を防ぐ役割も担います。住まいの不快感を軽減することは、人気の理由のひとつと言えます。
③歴史が長い安心感
高いお金を払い、大切な家族と長い時間を過ごすことになる家は、何よりも安心感があることが求められます。木材を使った建築物は、長い歴史と豊富な実績の中で進化し、現代まで日本の住宅の代表的な構造としてつくり続けられてきました。
あなたの記憶の中にも、思い出深い木造住宅が存在するはずです。木造住宅が昔からあるという安心感も、新たに家づくりをする人たちが、木造住宅を選ぶひとつの理由になっています。
木造住宅のメリットとは?
■コストメリット
先ほど木造住宅は安いから選ばれるということをお伝えしましたが、具体的に他の構造と比べると以下のようになっています。
木造の坪単価:35~70万円程度
鉄骨構造の坪単価:50~80万円程度
RC構造の坪単価:60~100万円程度
使用する樹種や仕様によって異なりますが、材料費が安いことや、基礎工事に比較的工期がかからないこと、木材自体に断熱効果があるため、断熱工事が比較的簡単なことが、他の構造と比べてコストがかからない理由として挙げられます。
■シックハウスやアレルギーのリスクの低さ
木材に湿度を調整する効果があることをお伝えしましたが、湿度を調整する効果とは、湿気の多い場合には空気中の余分な水分を吸収して蓄え、室内の空気が乾燥するとその水分を空気中に放出して、室内の環境を快適にすることを言います。その結果、結露やカビの発生が少なくなります。
また、接着剤などの化学物質に依存しない建築ができるため、シックハウスやアレルギーの不安を軽減することができるでしょう。
■木目や木肌、木の香りの癒し効果
樹木に触れると、なんだかホッとしますよね。木材に囲まれた住まいは、人や生き物の気持ちを落ち着かせる効果があると言われています。
木は、人の視覚、嗅覚、触覚に癒しを与え、木を感じると人の脳派は安定すると言われています。実際に構造体だけでなく、内装材にも木材をふんだんに使った家づくりをされた方の多くは、あくまでも個人的な感想ですが、住む前よりも住み始めてからの方が顔つきが柔らかくなった印象があります。
■無垢材を使った場合の経年変化
物は使えば使うほど色あせ、朽ちて行くものがほとんどですが、木材の中でもよく乾燥した無垢材は使うほどに味や強さが出てくる優れた材料です。
特に内装材に使うと、その色の変化に住まいの歴史や温かみを感じることができます。
長い時間を過ごす住まいだからこそ、時間の流れを楽しめると素敵ですよね。
住宅の構造の選択肢は様々ですが、木造の家に住むということは、日本人にとっていろいろな意味で落ち着く選択なのかもしれません。
それぞれの構造のメリットやデメリットをよく理解した上で、立地条件や家族の要望、予算と合わせて適した住まいの選択ができるといいですね。