2020/08/23更新0like7055view

著者:岩間光佐子

手洗いが重要な今、セカンド洗面のプランニングを考える

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

帰宅後の手洗いは今まで以上に大切な習慣となっています。最近では、玄関まわりなどに、洗面室とは別に手洗いコーナーを設けるプランもみられるようになりました。「セカンド洗面」とも呼ばれる、もうひとつの洗面コーナーのメリットとプランニングの注意点とをみていきます。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

廊下や玄関などにふたつ目の洗面を設置して手洗いの習慣を

洗面台は、通常、バスルームに隣接する洗面脱衣室に設置するケースが多くみられます。洗顔や歯磨きだけでなく、お化粧などでも使用する方が増え、洗面脱衣室の洗面台は、多機能で収納スペースが豊富なタイプも揃っています。

「セカンド洗面」とは、このような洗面化粧台とは別に、洗面室や脱衣室ではない場所に設ける、もうひとつの洗面コーナーのこと。マンションよりは一戸建てで取り入れられ、比較的コンパクトな洗面台を設けるプランが多いようです。

「セカンド洗面」を設けるメリットは、洗面室まで行かなくても手洗いやうがいができること。家族が多い場合など洗面室の混雑を防ぐことができます。また、来客に脱衣室などをみられる心配もなく使ってもらえることも。手洗いの必要性が高まる中、使い勝手のいい手洗いコーナーは重要でしょう。その他、観葉植物に水をあげたり、掃除での使用など、多様な使い方ができるのは魅力です。

有効利用できればメリットが多いものですが、デメリットとしては、セカンド洗面分の費用がプラスされること、水まわりが増えることで掃除手間が増すことは理解しておきましょう。
テクトン建築設計事務所「集う家」

セカンド洗面のプランニングのポイント

「セカンド洗面」に限りませんが、取り入れる場合は、「誰が・いつ・何のために使用するのか」を明確にすることが大切です。家族の動きや生活スタイルに合わせ、適する場所に設置することが基本。もちろん、洗面室との位置関係も重要でしょう。また、手を洗うためだけか、洗顔や歯磨きもするのか、バケツなども使用するのかによって、ボウルの大きさや水栓の機能、収納なども異なってくるものです。

水まわり設備メーカーからは、ふたつ目の洗面台向けの商品も揃ってきています。一般的な洗面化粧台に比べ、小さめのサイズ、奥行きがコンパクトなタイプなどがあり、限られたスペースに設置することも可能。収納キャビネットや鏡、水栓金具、照明などを選び組み合わせることができるタイプなどもあります。また、壁に直接取り付けたり、カウンターに設置する小ぶりなボウル、輸入品にも個性的なデザインや色のタイプがみられるので、さまざまな空間デザインに合わせることができるでしょう。

セカンド洗面の実例プラン

セカンド洗面を設ける場所として多くみられるのは、メインの洗面台が設置されている洗面室などと異なる階(フロア)。1階に洗面室がある場合は2階に、2階に洗面室があるのであれば1階に。また、3階建てであれば、洗面もキッチンもない階に設けるケースがみられます。

また、最近のトイレプランは、タンクレストイレを設置するケースも増え、その場合は、手洗い器を別に設けることになります。手洗い器は、トイレ空間内に設けるプランが一般的ですが、トイレ外、出入口扉付近に設置することで、トイレの後だけでなくセカンド洗面として利用することも可能です。
■玄関や勝手口の周辺に
最近注目を集めているのが、玄関や勝手口の近くに設けるプラン。子供はもちろん、家族が帰宅した際に、すぐに手洗いやうがいをすることが可能。出かける前の身づくろいにも使い勝手がいいものです。また、お客様にも気軽に使用してもらうことができるでしょう。

玄関近くにプランニングする際は、玄関扉の位置から直接見えないような場所に設置する方がいいでしょう。家族専用の洗面であれば、袖壁などを設け来客からの視線を遮る工夫をしたり、シュークロークなどの中に設置しても。お客様にも使ってもらうのであれば、来客動線上に、デザイン性にも配慮してアイテムを選ぶようにしましょう。

また、勝手口の場合であれば、機能性を優先させてもいいかもしれません。手洗いだけでなく、泥野菜などを洗ったり、ペットの散歩帰りなどでも便利です。
■子供室の近くに
子供室近くの廊下や踊り場などに設けるケースもみられます。朝の忙しい時間帯に、手洗いやうがいはもちろん、洗面や歯磨きなどにも使い勝手がいいものです。また、お絵かきや書道の道具などを洗うケースもあるでしょう。洗面台の高さやデザインなど、子供の成長に合わせて、長く使えるようなプランを意識したいものです。
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■寝室・個室に設置
寝室や個室などプライベート空間にも洗面はあると便利です。家族の人数やライフスタイルによって、朝・夜に洗面室の使用が集中してしまう時でも、ゆっくりとお化粧や身だしなみを整えることができるでしょう。造作カウンターや家具のようなキャビネットなど、空間のインテリアに合わせて、デザイン性の高い洗面台や水栓金具を選びコーディネートしたいものです。

また、幼いお子さんと一緒に寝室で寝ている場合、体調がすぐれない場合、また、介護などでも個室内に洗面台があると重宝するもの。メーカーのラインナップには、高齢の方でも使いやすい配慮を施したユニバーサルデザインの商品も充実してきています。
■ウォークインクロゼットや家事室
セカンド洗面とは少し異なりますが、ウォークインクロゼットや家事室に、もう一つの洗面コーナーがあると使い勝手がいい場合もあります。アイロンがけなどでも便利ですし、洗濯室を兼ねている場合は、下洗いなどに使うことができます。作業性を高めたボウルや水栓金具を選ぶことが大切でしょう。
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■ベランダやデッキの近くに
ベランダやバルコニー、テラスやデッキの近くに設けると、屋外での作業や掃除の際に重宝する場合もあります。特に、2階や3階のベランダでは、たとえば、洗濯物干し竿を拭いたり、ベランダガーデニングの水やりなどに利用することもできるでしょう。

リフォームでの注意点

セカンド洗面を検討する際には、新築であれば他の水まわりと同時に検討を。水だけでなくお湯も使用するのであれば、全体の給湯設備に影響します。リフォームの場合は、プランニングにもよりますが、構造などによっては設置できない場合や新規で給排水工事が必要になるケースもあるので早めに相談を。費用や施工期間など、事前に確認しておくことが大切です。

また、洗面ボウルや水栓金具、洗面台などを選ぶ際には、カタログだけでなくショールームでチェックすること。素材やボリューム感、水栓の操作性、収納キャビネットなどの使い勝手を実際に確認しておくようにしましょう。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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