2017/12/13更新0like3150view

著者:RoomClip mag

好きなエリアを諦めない。リノベで手にした広さと日当たり

この記事を書いた人

RoomClip magさん

暮らしとインテリアにまつわる「ノウハウ」をお届けするウェブマガジン。日本最大級のインテリアSNS「RoomClip」に集まった写真を元に、誰にでも役立つ情報をお届けしています。

中古住宅を購入し、住まい手のライフスタイルにあった形にガラリと変える「リノベーション」。この連載では「施主目線」に立ち、リノベーションでなければならなかった理由やパートナーを選んだ基準、そしてこだわりポイントを掘り下げます。

今回お話を伺ったのは、都心の3LDKマンションに家族3人で暮らすde-hiさんです。暮らしていく上での快適性、ご夫婦それぞれの仕事に対する快適性、この2つを両立させるべく築50年のメゾネットマンションのリノベーションに挑戦されたとのこと。どのような住まいになったのか、さっそく拝見していきましょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回教えてくれたユーザーさん♪

de-hiさん(RoomClip)
共働きで子ども1人。仕事も子育ても楽しみたいので、都心で築50年近い物件をリノベ。生活感のない部屋よりも、生活感が似合う部屋を。効率も大事ですが、ゆるさと気持ちよさとちょっとしたかっこよさも捨てられないな、とありのままの自分たちでいられる暮らし方をしたいです。

そもそも家探しをしようと思ったきっかけは何ですか?

「結婚した時に賃貸マンションに住みはじめたのですが、やがて子どもが生まれ、立って歩くようになり、そのうち走り回るようになって、狭いと思うようになったためです。

また日当たりもあまり良くなく、自分も子どもも妻も、生活にメリハリがなくストレスになっていることに気づき、そのころちょうど会社の家賃補助が切れる時期が近づいてきたので、新居を考えはじめました。」

どうして、リノベーションじゃなければダメだったんですか?

「どうしても都心で、『機能』も『気持ちよさ』もゆずれなかったからです。

もともと共働きで、2人とも不規則に働く業種だったため、できるだけ会社やクライアントにアクセスがいい場所に住んでいました。また、住んでみてから知ったのですが、その地の文化がしっかりと熟成されていて、ずっとこのエリアに住みたいと思うようになっていました。

一方、それまでの住まいで『狭さ』と『日当たりの悪さ』がどうしても嫌で、限られた予算の中ではこのエリアで満足できる条件の新築はなかったため、リノベを考えるように。むしろ、資金があったとしても望ましい立地に建つ新築、築浅物件がなかったと思います。結局、部屋探しをなんとなく考えはじめてから目をつけていた、築50年近くの物件を二年越しで手に入れました。」

リノベーションの情報や依頼先は、どうやって探しましたか?

「もともと大学時代に不動産屋でアルバイトを経験するなど、家や間取りを見るのが好きで、勝手に『ぼくならここをこうするなー』など考えていました。また建築やインテリアの雑誌を見たり、話題のカフェなどに行くと素敵なリノベが施されていたりしたことが、実際にリノベのイメージを持つきっかけだったと思います。購入を考えはじめてからは、リノベ雑誌を読み漁ったり、お金の流れなども書かれた本を買ったりしていました。

そして株式会社NENGOさんのリノベーションのセミナーに参加した際に、スタッフの方に子どもがものすごく面倒を見てもらって懐き、仲介から施工までワンストップでやられているとのことで、物件探しから完成形をイメージしやすい安心感もあったためお願いすることに。建築士は知人にお願いしようと考えていました。」

実際にできあがった家を見たときは、どう思いましたか?

「仕事よりも情熱を注いでいたので、ホッとしたというのが正直なところでした 笑 妻が呆れるほど施工会社さんにも建築士さんにも無理を言って、振り回しながら細かいところまで口を出したので、これで変な家になってたり、使い勝手が悪かったら言い訳できないなと……

ぼくがずっと突っ走っていたので、住みはじめた当時はなぜこのつくりなのか妻が戸惑ったりしていたものの、住み慣れてきた今はだいぶ居心地よく過ごせています。義理の母が泊まりに来た時は『すごく機能的だし、気持ちいいね』と言ってもらえて嬉しかったです。子どもはたっぷりと陽が入る窓際とバルコニーで、よく手からビームを出しています 笑」

特に気に入っている場所はどこですか? 5つ教えてください

①都心と思えない日当たりとヌケのよさ
「どれだけ最新で高機能なマンションでも、この2つだけはどうにもならないと思います。物件情報を見たときに、この立地条件さえあれば、極論、間取りなんて後からどうにでもなると思いました。」
②独特の階段空間を活かした、1階と2階を貫く本棚
「メゾネットの変わった間取りの物件で、他にはない階段の空間の高さをうまく使いたいと思っていました。また、わが家は本が多いので本棚を多めにつくりたいと考えていました。すると建築士の榎本さんが、2つの考えをうまく融合したアイデアを提案してくれたのです。

実現までにもかなり苦労が多く、当初はランダムな大きさのボックスを積み重ねてつくる方法でしたが、予算を大幅にオーバーし、即減額対象に。いろいろアタマを悩ませた結果、たまたま仕事の資料で見たNYのカフェの壁の造作からヒントを得て、シンプルに板を組み合わせるカタチに落とし込みました。(と言いつつ、大工さんはかなり苦労していましたが……)」
③会話も弾むし、ぐったり休める。オープンなダイニングキッチン&ソファ

「玄関の土間を上がると、すぐにキッチンです。結構勇気のいる間取りですが、一階をダイニングキッチン、二階をゴロゴロできるスペースにしてメリハリをつけたいと考えてつくりました。とはいえ、料理をする人だけがキッチンにいるのは嫌だなと思い、ちょうどデッドスペースになりそうな階段下にソファを設置して、料理する人と斜めに対面できるようにしました。ソファは造作のフロアにカットしたウレタンを置き、布で巻くという半分DIYな感じですが、思いの外居心地がよく、本を読んだり気がついたら寝落ちしたりしています(笑)。床はアカシアの無垢フローリングで足にも気持ちいいです。

また、キッチンの背面収納にはASKOの大容量食洗機を設置しています。物件購入時に日本製の食洗機が使える状態で残置されていたのですが、予算が苦しい中でも絶対にコレは実現すると決めていて、実際に暮らしてみても本当に役立っています。共働きの方には特にオススメです。」
④いざというとき仕切れるリビング
「二階のメインスペースは、広めのリビング。とにかくゴロゴロできる気持ちいいスペースを目指して、広さとヌケの良さを確保しました。床はオークの無垢フローリングで、一階の重厚さとは違ったさわやかな印象になっていて、こちらも心地いいです。

一角に設けた本棚の後ろには可動扉があり、急な宿泊者がいるときや、ゆくゆくは子ども部屋用に仕切れるようになっています。ここで子どもとよく遊んでいます。陽のまわりが本当にいいので、落ち込んだときもここにいるとダメージ3割減です(笑)」
⑤売主さんが残した本棚を、寝室の大容量収納に
「売主さんが『この本棚を残していってよければ……』とお話をいただき、購入時からどう利用するか考えていました。ベッドの枕元に設置して、最初は『寝る前に読む本とか絵本とか置くかな』と思っていたのですが、実際に使ってみるとファブリックを収納したり、照明を置いたり、子どもに寝る前に読む本を置いておいたり、思いもよらない方法でとても役立っています。また、壁はここだけワンポイントで一面に色を入れました。落ち着いたブルーグリーンで、リフレッシュされます。」

リノベーションを振り返ってみて、いかがでしたか?

「【よかったこと】
自分の理想を細かいところまで反映させられることです。新築の間取りでは最大公約数的なので、ある程度便利ですが、完全に自分にアジャストされていません。デザインに関してはほぼ設備のグレードのみに終始しています。そこに不満を持たれる方は、一度は検討してみた方がいいと思います。

【 大変だったこと 】
凝りだすとキリがないです。不満があった場合、どう解決するか自分なりのアイデアを出した方が精度が高まりますが、それを考えるのが大変です。施工の担当者さんや建築士さんと、とにかく話すことが完成度を高めます。コレは大変だけれど、完成する頃には一緒につくった仲間感がすごいです。

ちなみに、完成した家自体にはほとんど不満はありません。ただ、リノベ中から、どのタイミングでどの規模のお金が必要なのかはもう少し明確に理解しておきたかったと思います。金融資産を取り崩す/崩さなくていいの判断に直結するので。そこが曖昧だったのでちょっと損をしました……」

お話をお伺いして

もともと住んでいた土地に強い魅力を感じつつも、住まいには不満やストレスがあるというジレンマに悩まされ、住み替えを検討し始めたde-hiさん。そんな魅力ある都心の立地で、かつ予算内で日当たりや住まいの利便性を追求するには、リノベしかなかったと語ります。そして、物件の魅力と自分たち家族の暮らしと向き合い、とことんこだわった結果、子育ても仕事も、趣味もオフタイムも……まるごと無理なく楽しめる、機能性豊かな3LDKの住まいを手に入れられました。リノベならではの、その物件ならではの構造を活かす工夫や、デッドスペースを有効化させるアイデアが、住まいの個性として輝いているのも印象的です。たくさん悩み、相談し実現させたディテールは、無骨で男前なインテリアと融合し、カッコ良いけど温かい……そんな心地良さを導き出しているよう。

de-hiさんは、リノベだからこそ得られた住まいの完成度や家づくりへの達成感についても、熱い思いを話してくださいました。「自分たちの生き方にアジャストされた、自分たちで作る唯一無二の家」こうした思いを強く感じながら、長く愛し続けられる住まいを生み出す力があるのが、リノベの魅力なのかもしれません。

de-hiさんのお住まいについて

・所在地: 東京都
・物件種別: マンション
・建築面積: 100平米
・間取り: 3LDK
・この家に住む人: 本人、妻、子ども
・施工期間: 5ヶ月
・設計: 株式会社NENGO、榎本悦子デザイン事務所
写真と間取り:de-hiさん
お気に入りに追加

この記事を書いた人

RoomClip magさん

暮らしとインテリアにまつわる「ノウハウ」をお届けするウェブマガジン。日本最大級のインテリアSNS「RoomClip」に集まった写真を元に、誰にでも役立つ情報をお届けしています。

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

同じテーマのQ&A

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る