「スマートハウス」は太陽光発電やIT技術などを駆使してエネルギーを賢く利用できる「省エネの住まい」のことを指しますが、最近では関連ワードとして「ZEH(ゼッチ)」という言葉も多く耳にするようになってきました。ZEH住宅のメリット・デメリットとは?
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
そもそもZEHとは?
ZEH住宅に必要な設備とは?
ZEH住宅のメリット1〜光熱費が正味ゼロになる
ZEH住宅のメリット2〜災害時の電源の確保
ZEH住宅のデメリット
そもそもZEHとは?
ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、太陽光発電を利用して自宅でつくるエネルギー量が、使うエネルギー量と同じか多くすることを目指してつくられた住まいのことを指します。
ZEHについて経済産業省は、「年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅」と定義しています。
ZEH住宅に必要な設備とは?
「エネルギー収支をゼロまたはプラスにする住まい」にするためには、〈創エネ〉〈省エネ〉〈断熱〉の設備を整える必要があります。
1.創エネ
・ エネルギーを創る
太陽光発電を設置し自宅でエネルギーをつくり出す。持続可能なクリーンエネルギーで大気を汚染させずに発電できる。
・エネルギーをコントロールする
「パワーコンディショナー」を使って発電したエネルギーを家庭で使用できる状態の電力に変換し、「HEMS」を使って家庭内のエネルギーを管理する。余った電力は、電力会社に売電も可能。
2.省エネ
・エネルギーを効率的に使う
給湯器、換気システム、照明器具、空調システムを高効率で使用できる製品を使用する。
3.断熱
・ 断熱対策をする
サッシや壁・床の気密性・断熱性を高め、部屋の温度を快適な状態で長時間保つ。
ZEH住宅に必要なのは、これらの3条件がバランスよく整った住まいです。
ZEH住宅のメリット1〜光熱費が正味ゼロになる
ZEH住宅の大きなメリットは、電気代は太陽光発電でつくり出した分がタダになること。
日中は自宅で発電した電気を自家消費し、余った電力は電力会社に売電して収入を得られます。
また、省エネタイプのエアコンや家電などを使用したり、気密性・断熱性を高めた住まいにすることで、ガス代など光熱費削減も可能となります。結果的に光熱費を概ねゼロにできます。
ZEH住宅のメリット2〜災害時の電源の確保
災害時の被害を最小限に抑えるため、あると助かるライフラインの一つが「電気」。地震などの自然災害による停電は記憶に新しいところです。
ZEH住宅のメリットとしてもう一つあげられるのは、災害などの停電時でも電源として使えること。
ZEH住宅として認められるのに設置が必須ではありませんが、蓄電システムを設置すれば電気を貯めておくことができ、日中も夜間も電源確保ができる災害に強い住まいとなります。
ZEH住宅のデメリット
ZEH住宅のデメリットと言えば、やはり初期費用が高いこと。
設備導入時のコストは気になるところですが、住まいは長年に渡って日々の暮らしを送る場所です。ZEH住宅にすることで、ほとんど光熱費がかかることなく売電収入も得られるので、長期的にみればコスト回収も可能となるでしょう。
省エネ関連の補助金を交付してもらえる場合もあるので自治体の補助金情報も調べてみましょう。
ZEH住宅はこれからどんどん増加していきます。政府のエネルギー政策では2020~30年までに目指すべき住まいの形として、新築住宅でZEHが取り入れられることが目標となっています。10年先、20年先を見据え、これからのエネルギーと住まいのあり方をプランニングしていきましょう。