2020/11/12更新0like3097view

著者:SUVACO編集部

専門家フィーチャー

「クライアント(施主)からの情報が一番の刺激」建築家:直井 克敏さん

家づくりのプロに聞きたい「10のこと」シリーズ。

今回は、直井建築設計事務所の建築家・直井 克敏さん「10のこと」。
奥さまである建築家・直井 徳子さんとスタッフとの連携作業によって「普遍性」をテーマにしたデザインを提案。その過程は、満場一致で「良い!」と思えなければ、次の工程へ進まないという徹底ぶり。

独自の発想の豊かさの根源は、常にクライアント(施主)を同志のように巻き込みながらアンテナを張り続ける、直井 克敏さんの「吸収力」そのものでした。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

Q1. 日常でふと感じる職業病(こだわりや癖)は?

写真を撮る時に水平や直角にこだわってしまう!スタッフの現場の写真なども気になって仕方ない(笑)。

それからショップなどに行くと、壁を触ったり、家具を触ったりしてしまいます。

Q2. 家づくりに関する知識で負けないこと、得意分野は?

インテリアや植栽まで含めた、トータルコーディネート。
これは全てにおいて、家づくりと切り離されないものだと思っています。空間だけでなく、その中に入ってくるいろいろな物がすべて整って生活というのが成り立ってくるので、建物ができて終わりということでなく、プランニングの時点から、家具やインテリアもトータルで考えながら家づくりをしています。

戸建ては家の中だけでなく、外からの印象もすごく大切。私自身、緑のない生活は考えられなくて、緑のある景色が絶対必要なんです。今の事務所も都心ながら、緑が多くてこれが決め手となって引っ越しました。私の弟が植栽を仕事にしているということもあり、エクステリアといった外からの見え方についてもこだわっています。

Q3. 休日の過ごし方もしくは、仕事で活かせる趣味は?

ゴルフ、サーフィン、ジムなど体を動かすことで、気分転換してる時に案が浮かんだりします。

Q4. 好きなインテリア家具・アイテムは?

B&B Italia“と協働開発をおこなう建築・家具デザイナー アントニオ・チッテリオ (Antonio Citterio)がデザインした『シャーロット(Chariotte)』という椅子。

会社の打ち合わせスペースにいろいろなブランドの椅子が置いてありますが、抜群に座り心地がいいです。

椅子って、必ずしも万人に合うっていうことは難しいと思います。これは個人の体型や好みによって、合う合わないがあると思います。
選ぶ基準として重視するのは、「座り心地」と「デザイン性」。この2つがしっかりと備わっていることが条件ですね。
左手前が『シャーロット(Chariotte)』の椅子。奥には、KAI AND SUNNY(Q5で答えた)のアートも展示(撮影:直井さん)

左手前が『シャーロット(Chariotte)』の椅子。奥には、KAI AND SUNNY(Q5で答えた)のアートも展示(撮影:直井さん)

Q5. 好きなアーティストは?

KAI AND SUNNY“(イギリスを拠点に活動するアート・デュオ)

繊細な線だけで構成されているのに、ポップさやモダンな感じが好きです。
実際に事務所にも飾っています。
出会いは、クライアントさんから「これ、絶対直井さん好きだから!」って紹介していただいたんです(笑)
常に、クライアントさんからの刺激をもらっていて、新しいものや知らないことをたくさん吸収させていただくことが多いですね。

Q6. 仕事の必需品は?

イエロートレース(黄色のトレーシングペーパー)。スケッチやスタディには欠かせない。白いトレーシングペーパーよりも、薄くて柔らかいんです。
あとは0.9のシャープペンシル、芯の太さも2Bから3Bを使います。0.5を使うと紙を破いてしまいますよ(笑)

感触の柔らかさにこだわっていて、書きごこちの良いものが好きです。
クライアントとのヒアリングをもとに、図面に起こす前のまだ固まっていないフワッとしたデザインを書くことが多いんです。それもあって、柔らかい紙に柔らかい質感のもので何度も書いたり消したりを繰り返します。
ファーストスケッチは、フワッとしイメージを柔らかな質感に描いていきます(撮影:直井さん)

ファーストスケッチは、フワッとしイメージを柔らかな質感に描いていきます(撮影:直井さん)

Q7. オススメのイベントは?

今年(2020年)は新型コロナの影響で行けなかったのですが、毎年4月にミラノで開催されるミラノサローネ。トレンドを知ることも大切な仕事なので、刺激を受けに行っています。

印象的だった展示は、RIVA(リーヴァ)という無垢材の家具を扱っているイタリアメーカーの工場見学です。遠い昔に埋まっていた木材で、一枚板の長さが11mのテーブルを見た時、これはスゴいな!と驚きました。世界中で展示するにあたって、コンテナに搭載できる一番限界のサイズだったそうです。
実際に見た一枚板のテーブル。貴重なものに触れられた思い出です(撮影:直井さん)

実際に見た一枚板のテーブル。貴重なものに触れられた思い出です(撮影:直井さん)

Q8. お気に入り住宅事例は?

「辻堂のいえ」です。

素材使いなど新たな転機になった住宅。
輸入した照明や使いたい素材についても、ものすごくイメージをしっかりと持たれているクライアントでした。
本物のレンガを海外から取り寄せたり、薪ストーブもオリジナルでデザインしたものを取り入れたり...クライアントのイメージを、見た目や写真映えということでなく、本物思考で突き詰めて提案していきました。

一緒に作り上げるっていう醍醐味を、私たちだけでなくクライアント自身の満足感としても体感していただけた作品です。

Q9. 素敵な出会い・忘れられないお客さまとの思い出は?

住宅の竣工間際で、「もう事務所に来て打ち合わせすることもないんですね〜」と寂しそうにクイアントが言っていたのを思い出します。家づくりがこんなに楽しいもんだとは思わなかったと!

Q10. 最後に、「うちの家づくりのココがすごい!」と思うところは?

確信的にクライアントを共犯者として巻き込んで進んでいく家づくり。
クライアント、スタッフ、現場監督、職人さんみんなが納得できる家づくり。
みんながハッピーになる家づくり。

設計事務所は得てして仕事時間が長いと言われています(夜も遅い、週末も仕事)が、弊社は9:00〜18:00と一般企業並みの仕事時間でクオリティーを担保できているところは、スタッフの頑張りがあってのことと思うので、ここは自慢できるし、自慢のスタッフです。
社員研修旅行で訪れた京都の老舗和菓子店「とらや」にて(撮影:直井さん)

社員研修旅行で訪れた京都の老舗和菓子店「とらや」にて(撮影:直井さん)

対応業務 注文住宅、リノベーション (マンション)
所在地 東京都千代田区
主な対応エリア 全国
目安の金額

30坪 新築一戸建て4,200〜7,500万円

60平米 フルリノベ1,800〜2,700万円

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