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設計、監理、インテリア、エクステリア(庭・外構)を担当
御室の桜で良く知られる仁和寺にほど近い、穏やかな住宅地に建つ木造住宅の改修計画です。元の建物は過去にも幾度かの増改築が行われているようでしたが、家族構成の変化や耐震強度への不安などから今回思い切った改修をすることになりました。
こういった場合の常として、過去の増改築時にきちんとした構造計画がなされず、当初の建物が持っていたであろう合理性が失われてしまうことが多いのですが、本計画においてもそういった部分が散見されました。
計画に当たっては、新たな家族を迎え入れるクライアントご一家が快適に暮らしていけるよう、そう広くない面積をやりくりしながら間取りを整理すると同時に、合理的な構造補強ができるよう耐力壁を適宜配置し直しました。
また、レベル差のある敷地の一部を掘込んで作られたコンクリートブロック造のガレージの上にも増築部分があったため、既存木造軸組の下に鉄骨梁を架け渡し、土留めを兼ねて新たに挿入したRC壁に地震時の水平力を伝えるような構造計画としています。
既存のコンクリートブロック、木造にRC、鉄骨が加わったハイブリッドな構造となりましたが、この地域に馴染んだ落ち着いた表情を生み出しています。
内部空間においては特に天井面に着目し、その高さの設定と素材の使い分けによって、小さな部屋の連なりに変化と広がりを持たせることを意図しています。使用する素材は落ち着いた和風の雰囲気に馴染みの良い自然素材を素直に使いながら、一部では工業的に加工を施した木材や金属なども織り交ぜ、全体の雰囲気を損なうことなく現代的な表情も持ち合わせることを試みています。