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さざなみのように光が打ち寄せる家。
天窓から吹き抜けを連ねる木質の大きな壁、その傍に寄り添って暮らす小さな住まい。
シンプルな生活を、無機質な生活と捉えるのではなく、空間の表情を穏やかに することと考えました。各部位ごとに素材のあてがい方を検討し、それぞれに適した濃 度で乳白の塗装をかけていくことによって、木肌や節目の表情を抑え、光と木質の 織り成す空間がより繊細になるように表現。うっすらと木質が浮かび上がる白い空間に、 1日の光がゆっくりと移ろいで行く様子を楽しんでもらえる空間に仕上がりました。
「開放的な空間」、それが今回の施主2人からのリクエストでした。
敷地は東西に細長く伸びているため、この敷地形状を生かし北側に吹き抜けとトップラ イトを走らせた設計としました。
北側全面にそびえ立つ白い壁がレフ板の役割を担うことで、 このトップライトから の光は家全体に染みわたり、こうして「光」がひとつの大きなテーマとしてできあがりました。
その光をより美しく捕まえたい、そこからもう一つのテーマ「白」が生まれ更に光を集め活かす開放的なデザインになりました。
この家はサーファーのご主人と夫人、若い2人が暮らす 家です。
湘南の海にほど近い住宅地に建てられた家のモジュールは、サーフボードのサイズ を基準に。ロングボードの9フィートから10フィートのサイズ感をすっぽりと収納できる天井の高さに設計しました。
階段上部が全てトップライトになっており、階下までしっかりと陽光を注ぎ込む。 夏の日差しはトップライトサイズにオーダーしたシェードによって柔らかく制御する。
2階のトップライトから覗く青い空、キッチン正面の窓から差し込む陽光、これらを柔らかく拡散するアールの天井面。 コンパクトだが、さまざまな形で注ぎ込む自然光を感じられる空間となっており、ソファをおけばリビングに、カフェテーブルをおけばダイニングになる居場所。
目地の一切ない外壁はスタッコフレックスによる仕上げ。 漆喰壁のような凹凸のある表情が、シンプルな四角い箱の硬さをほどよく中和している。 正面にある2段組のガラスドアがサーフィン帰り専用の裏動線。
壁と天井が出会う角には影が溜まり、それによって境界の存在が強調される。 この入隅を曲面にしてあげることで、影が溜まる代わりに光がやわらかく回り込む。 壁から天井がシームレスに繋がることで、その空間を認知するスケール感もまた柔らかく変化し、数値以上の広がりを感じられる仕掛け。
小さい小さいバスタブはお湯に浸かることを想定していない、ウェットスーツを洗うための装置。 入浴はシャワーのみで済ますというライフスタイルが日常化している建主ならではの個性的な水廻りとなっている。 コンパクトだが、手前のサニタリーとの間仕切りをガラスにすることで圧迫感はない。
写真右手がシャワールームとなっている。 ウェットスーツのまま海から帰ってきたら、写真手前にある裏玄関から直接シャワールームへ向かえる動線。 リビングからの視線に対してはスリット階段がほどよいパーテーションの役割を担う。 趣味を中心に間取りを整えることで、ただの裏動線も個性的な場所になる。
およそ玄関らしくない玄関スペースは、建主の趣味であるサーフボードをメンテナンスするための空間。 リビング空間とひとつながりの空間のため、いつでも愛用のボードを眺めることができる贅沢。