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設計、監理、エクステリア(庭・外構)、土地・物件探しを担当
奈良市にある大正時代に建てられた住宅のリノベーション。建物は主に借家として用いられ、何度かの増改築を経て空き家になり放置されていました。雨漏りや蟻害によって柱・梁や土壁が深刻な被害を受けており、庭に増築された水廻りと伸び放題の樹木によって鬱蒼とした状況でした。建替えも検討しましたが、3面道路後退の影響で同規模の建物が建たないことや、お施主様が町屋に住みたいという強いご希望をお持ちだったことからリノベーションを選択しました。
土壁を耐震補強し伝統構法で修復するためには新築を超える時間や費用が必要です。また家全体を断熱補強・高気密化すると屋内と屋外が緩やかに繋がった町屋らしい雰囲気も壊れてしまいます。そのためコンパクトな居間を家の中心に据えて現代的な工法で耐震補強・断熱補強を行ない、その周りを玄関・収納・ガレージ・縁側・トイレ・書庫・階段から成る半屋外の「透き間」で囲んだ入れ子状の間取りとすることで、コストを押さえつつ、屋内・半屋内・屋外の3つの領域が重なり響きあうような、町家の雰囲気を引き継いだ住まいを設計しました。
architecturephoto(2019)
リフォームデザイン2020(アルファブックス)
外観正面。(撮影:笹倉洋平)
古い風呂・トイレを減築したことで明るい庭が復活した。東面はブロック塀を撤去して生垣に変更。撤去した瓦を一部再利用。曲がりくねった柿の木がかつての鬱蒼とした様子を伝えている。(撮影:笹倉洋平)
ダイニングから庭を見る。(撮影:笹倉洋平)
玄関から土足で通じる土間ガレージは旦那さまの自転車など多目的に利用する趣味室。そのまま庭に出ることもできる。(撮影:笹倉洋平)
キッチン正面。バックセットのタイルはお施主様お好みのブルー。(撮影:笹倉洋平)
内側の引き戸を閉めた状態。(撮影:笹倉洋平)
庭先に置いたベンチから見返し。家と庭を眺められる特等席。三和土は子どもの遊び場に。(撮影:笹倉洋平)
居間。建具全開時は屋内と屋外が一体化する。(撮影:笹倉洋平)
製作キッチンとモルタル塗りのカウンター。(撮影:笹倉洋平)
居間。南から北。天井は構造用合板。既存の大梁と新設した小梁。(撮影:笹倉洋平)
東側の透き間は階段と書庫。(撮影:笹倉洋平)
ドアは元の応接間に付いていたもの。真鍮のドアノブを入れて再生。(撮影:笹倉洋平)
透き間南面。縁側のような空間。左手は新設建具。右手は古建具。どちらも戸袋に収納してフルオープンになる設え。(撮影:笹倉洋平)
ガレージから縁側を通ってリビングへ。左手は浴室の窓。沓脱ぎ石はコンクリート平板。(撮影:笹倉洋平)
透き間西面。ガレージから玄関を見返す。ウレタン塗装した土間は裸足でも気持ちよい。(撮影:笹倉洋平)
透き間西面。ガレージへ続く通り庭のような空間。左手の建具は既存建物からのサルベージ品。中は靴収納。(撮影:笹倉洋平)
内郭部分は新たにコンクリート基礎を立上げて土台と緊結し、耐震性を確保している。(撮影:笹倉洋平)
玄関から見る透き間。耐震性、断熱性、空気調和、視界調整、収納、回遊性、と住宅の性能や空間性を支えている。(撮影:笹倉洋平)
透き間北面。玄関から階段へ続く。既存再利用した書院障子の奥はキッチン。(撮影:笹倉洋平)
階段から玄関見返し。床はナラフローリング無塗装。(撮影:笹倉洋平)
2階。家族のライブラリ。(撮影:笹倉洋平)
ライブラリから南を見る。中央はロフトへ続くはしご。(撮影:笹倉洋平)
主寝室。屋根は断熱補強し船底天井に変更。(撮影:笹倉洋平)
子ども部屋。奥にスチールブレースが見える。(撮影:笹倉洋平)
ウォークイン・クローゼット上を活用したロフト。寝室・子ども部屋と一続きの空間。(撮影:笹倉洋平)
玄関の傍にはポスト・ガスメーター・インターホンを集約したグリーンポット。インターホンカバーはスチールで家型に製作。(撮影:笹倉洋平)
北面のアルミサッシは全て撤去し木製建具を製作。元々応接間だった出っ張り部分をエントランスに変更。(撮影:笹倉洋平)
外観。正面はグレー色の吹付。側面は既存のトタン板を剥がしてガルバリウム鋼板貼りに変更。(撮影:笹倉洋平)
外観夕景。アルミのフェンスやカーポートは撤去し、オープンな外構に変更した。(撮影:笹倉洋平)
古いものと新しいものが共鳴している。(撮影:笹倉洋平)
玄関夕景。(撮影:笹倉洋平)
庭からの夕景。(撮影:笹倉洋平)