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設計、監理、プロデュース・コーディネート、インテリア、エクステリア(庭・外構)を担当
敷地は市中心部から少し離れた郊外の住宅地。このあたり土地全体が少し高くなっていて、この敷地も南隣地の畑をはさんだ道路からはかなり高低差があった。敷地のすぐ脇に小高い丘が公園として整備されており、その頂から見た時にどの家も屋根の向きが揃っていることが印象的だった。
僕はここに、屋根の勾配や向きをそろえて普遍的な家型を置こうと決めた。
敷地は北面道路に面していたので、まず駐車スペースを確保。必要なボリュームを敷地に配置すると、長いアプローチ距離を取るのは困難だった。
そこで、建物の中にまでアプローチをのばしその先に坪庭を設けた。この家を訪れた来訪者は、一度格子戸を開けて建物の中にはいったかと思うとまだアプローチが続き、その視線の先に坪庭の植栽を見ることになる。ほんの少しの距離とドア1枚だが、ずいぶん豊かなアプローチになったと思う。
内部の間取りはオーソドックスなもので、主室とダイニングキッチンはL型に配置し、主室の脇には4.5帖の畳室を設けた。
当初からの要望でもあった、ヘリンボーン貼りの床材は力強く、室内の空間を支配してしまうほどだと感じたのであえて主室のみとし、ダイニングからはシンプルな黒のタイル貼りとした。壁はしっくいにパーライト(軽量の砂)を混合してもらい、左官しあげとした。
南面の主開口は木製建具。
各室を坪庭を囲むようにL字に配したおかげで、通風や採光、眺望も効果的となった。
クライアントはここ数年、足繁くオープンハウスに通っていただき、あの住宅のここが好きだったというような話しをしてくださり、設計中も楽しい工程となった。
基本的にはほぼ、こちらにおまかせに近い形となりました。
クライアントの生活がここで始まり、年月を経るたびに馴染んでいく様を一緒に楽しんでいきたいと思う。
アプローチを豊かに見せる工夫を随所にこらしています。