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敷地は辻堂海岸から少し内陸に入った、湘南地域独特のゆったりとした空気が流れる住宅地の一画にあります。ここに30代の夫婦と2歳の子供のための家を計画しました。
施主の要望は「どこにでも座れるような、使い勝手を限定しないゆるい空間」「どこか懐かしい、学校の教室を思わせるような雰囲気の家。床の仕上材にパーケットフロアを使いたい。」等でした。建築が用途を限定せず、住み手にとって、自由度の高い空間を、できるだけ単純な形式として成立できないかと考えました。
パーケットフロアは木材の小片を市松状に並べた床材です。それぞれのピースが単純に反復しているだけだか、どこか不揃いで方向性がない。このパーケットフロアの図学的な形式が、ここに住む家族のライフスタイルのイメージを内包できるのではないかと思いました。
正方形の外形に対して、真ん中の独立柱を起点に十字分割し、一階では半屋外的な土間を含め4つの同じ大きさの部屋に分ける。浴室等水まわりのある部屋は更に4分割する。2階も同様に分割し、中央の廊下的なスペースも、グレーチングの床が4分割されている。田の字の相似形が同一平面に入れ子状に内在し、ヒエラルキーのない領域が緩やかに展開して、どこにいるか分からないような、固有の場所性を喪失させています。
このような形式が、何にも束縛されない、住み手の感性が自由に発揮できる空間となることを期待しています。
photo by Hiroshi Ueda
photo by Hiroshi Ueda
photo by Hiroshi Ueda
photo by Hiroshi Ueda
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