別荘

那須の家

種別:

別荘

エリア:

栃木県

内容:

計画地は那須の御用邸に近い、視界のひらけた小高い丘の上にある。
北から南へ下る高低差3m ほどのこの場所からは、南西側から北東側にかけて那須の樹海や八溝山麓を望むことが出来る。先に“視界のひらけた”と記したのは、このあたりは雑木林を拓いた別荘地の景観とは異なり、丘陵地ならではの地形が遠くまで見渡せるような場所であるためだ。そこを流れる風やふりそそぐ光は、高い木立ちや周辺の家屋に邪魔されることはない。
それらをより素直に受け入れる仕組みが必要である。この地をはじめて訪れた時、そう直感した。 プランを構成するアイディアは至ってシンプルだ。まずはそれぞれの空間が対峙すべき方向を見定めて、それに従った。日中の活動が主になるリビングやダイニングなどのパブリックな空間は南に、目覚めた時に朝の太陽を浴びるように寝室や客室などは東に、といった具合だ。ゲストハウスとしての役割も考慮しつつ、パブリックな空間は1 階とし、プライベートな空間は2 階となるようにグルーピングを行ない、積み重なるように立体的な十字型に配置した。そうすることで内部空間のどこからも外部への視界を確保する構成が可能になる。 
また、周辺のどちらの方向から見ても“視線のぬけ”が生じ、ピロティーやルーフを介して山や林や空の風景が映り、それらとより近い関係になっていく。このような幾つかの操作によって、建築の内外に天気や時間で常に変化する光斑(ヒカリムラ)や熱斑(ネツムラ)を発生させ、空間に表情のある心地よさをつくりだそうと試みている。内部空間は十字型プランの交点に吹抜けを持った立体的なひとつながりの居住空間とした。日常の生活における見渡せる安心感と、休暇時のアクティビティーを抱え込む寛容さを求めた。
冬季の外気温や湿度を遮断するという絶対的な条件に答えつつ、そこここに景色を切り取り、光を招き入れる大小の開口を配置して、外部空間との関係を保っている。

冷蔵庫やレンジ他内臓した壁パネルにて、すっきりしたキッチンカウンター

那須連山の眺望を取込む浴室。

各寝室の独立性を確保するため、段差を設けて空間の奥行きや距離感をつくっている。

吹抜越しに見える開放感のある寝室

吹抜けに設置された螺旋階段。
手摺は9mmの鉄板を用いて重量感のあるデザインを採用している。

この住宅事例を手掛けた建築家

川久保智康建築設計事務所

建築家 / @東京都

私達の事務所では、住宅・別荘・集合住宅等の建築物やインテリア・家具等の企画・設計および工事監理の業務を行っております。 建築物の機能性や空間の豊かさはもちろんの事、耐震性能など構造体の安全性確保や省エネルギー、断熱や機密性能などの室内熱環境に対する配慮など、そこで過ごす人々の生活が安心で少しでも楽しくなるような環境づくりを目指しています。 求められる建築はお客様の状況ごとに異なりますが、そのケース一つ一つにフィットする最善のご提案ができるよう丁寧な対応を心掛けています。 土地購入・建築設計・リフォーム・賃貸事業等のご相談(予約制)も随時承っております。お気軽にお 問い合わせ下さい。

川久保智康建築設計事務所さんの住宅事例