その他

光が射し込む木のクリニック -PICTORUいずも画像診断室-

種別:

その他

実施エリア:

島根県出雲市

延床面積:

500平米

内容:

最新のMRI機器を備えた画像診断専門クリニック。
MRIは大学病院や総合病院でのみに設置され、予約による長い順番待ちや紹介状のみでの対応など敷居が高いものとなっています。それらの高度な画像診断を地域のクリニックと連携し、より気軽に受診できる環境と迅速で的確な診断を提供することで”画像診断で地域の医療を支える”をコンセプトに計画されました。
□計画にあたって
画像診断のためにここへ訪れる来院者は大きな不安を抱えています。機能優先・動線重視の病院施設において、暗くなりがちな待合スペース。そこで待つ来院者の不安を少しでも和らげることをテーマに「外光が射し込む明るい木造のクリニック」を目指しました。
□特徴ある親しみやすい外観
隣接する既存クリニックは、杉板型枠コンクリート打放外壁と波打つ鉄板屋根で構成された特徴ある建築でした。新しい画像診断専門クリニックはそれ自体独立したクリニックですが、渡り廊下で繋がった既存クリニックと一体的な利用もなされることから、杉板型枠コンクリート打放と杉板外壁と反り上がる木造屋根とし、既存クリニックとの親和性と特異性を同時に持たせる外観としました。また、片勾配の木造屋根は瓦のようなSUS亜鉛メッキ鋼板の採用し地域の環境との調和を図っています。
□光が射し込む明るい内部空間
MRI室等は機能上必要とされる高さを確保し、上部に屋外機械を設置しています。MRIの磁気・騒音・光などの遮蔽のため、屋上の有効利用のため遮蔽と耐力に優れるRC造を採用し、極力閉じられたコンクリートとなっています。特に隣地への機器騒音・景観に配慮し外周はコンクリート外壁を立ち上げています。
一方、待合スペースや診察室等は上部に向けて反り上がる木造屋根とし、隙間のハイサイドライトから光を取り込み、光が射し込む明るい内部空間を実現しました。
待合空間や渡り廊下の床材には石州瓦をリサイクルしたオリジナルの床材を使用しています。出雲地方で採掘される来待石(きまちいし)を釉薬として使用する石州瓦は山陰地方で見られる独特の屋根の町並みや集落を生み出す赤い瓦であり、テラゾーブロックの種石に使うことで地域の色を活かした優しい色味のある平坦で躓きにくい床材を実現しました。瓦屋根が減り苦戦する石州瓦メーカーが廃瓦の再利用を模索しているところ、建材としての製品化を目標に製作しています。
□わかりやすく機能的な平面
来院者の動線が1階で完結する計画となっています。待合スペースを中央に配置し、東側に事務室・診察室、西側にMRI室等とした利用しやすくわかりやすい計画としています。
操作室間と休憩スペースを直接接続したスムーズな医師・技師動線と事務室・診察室を連続配置した医師・看護師動線を確保しています。
また、将来の機器増設や更新・メンテナンスにも配慮し、搬入等の経路を確保しています。特にMRIの増設・更新について対応可能な設備スペース、経路、搬出入動線の確保に配慮しています。

待合スペース

光が射し込む待合スペース。

受付サインとハイサイドライト

kenma 林氏のデザインによる受付のロゴサイン。

エントランスホール・待合スペース

エントランスホールより見る。
反り上がる木造屋根とMRI室の間のハイサイドライトから明るい自然光が射し込む。

渡り廊下(夜景)

既存棟と接続する渡り廊下の夜景。来院者や医療従事者のスムーズな動線を全体のデザインの中で自然に確保している。

外観(夜景)

エントランス廻りの夜景。
天井が連続し、内外の空間を繋いでいます。床は廃瓦を再利用したテラゾタイル。今回建物のために開発したオリジナルの床材です。

外観

正面外観。既存クリニックから渡り廊下で接続されている。

外観

杉板型枠コンクリート打放し+杉板の外壁と反り上がる木造屋根として、特徴的な外観となっています。また、屋根には瓦のように鈍く光るステンレス亜鉛メッキ鋼板を採用し、地域の環境との調和を図っています。