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敷地は大阪で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている富田林寺内町にあり、厳しい建築制限がある。 外観は町並みに合わせ、しっくいや杉板・虫籠窓、いぶし瓦の屋根を用い、屋根勾配は周囲の環境にあわせるように配慮している。 このような地区では、町並みは美しいが住み手にとってあまり快適ではないことが多い。 そこで、現代の生活にあった住まい方や環境を取り入れることも可能である提案をした。 平面計画は昔ながらの通り土間の考え方に路地空間を再現し、立体的に連続する「立体庭園」として5つの庭を配置し、 風や光を取り込みながら自然と内外が連続的につながるように考えた。 1階には虫や鳥・メダカなどの生物が生息できる小さな「ビオトープのある中庭」、 室内の土間から一段上がった和室には「茶庭としての中庭」、 通り土間の先に、浴室からも見える「風の抜ける中庭」があり、 各々の部屋に安らぎを与えている。 階段を上がると、2階レベルに突如として「空中庭園としての中庭」が出現し、 2階であるにも関わらず庭を眺めながらの食事が可能である。 ワークスペースをぬけると天井の高い落ち着いた空間である家族室があり、 外部のデッキともつながりより広い空間として感じることが出来る。 外部からは見えない屋根に、断熱効果の高い「草屋根としての庭」をつくり環境に配慮している。 重要伝統的建造物群保存地区では、見えない範囲であっても慎重に素材を選択する必要があるが、実際は時代と共に使われる素材も変化する。 保守的な地域ではあるがゆえに、新しい挑戦も必要であると考えて設計をしている。