戸建リフォーム・リノベーション

ならまちの家

実施エリア:

奈良県奈良市

実施時期:

2015年

延床面積:

236平米

築年数:

80年

内容:

“ならまちの家” 築85年の伝統建築を現代に生かしながら、快適に住む新旧融合の家
 
動機は、耐震診断結果で倒壊する可能性が高い、冬寒く夏暑い、特に水回りは外廊下を経由するため、冬がきつい、床段差があちこちにあり階段が急で危険、木製建具の建付が悪く雨風が吹き込む等、今後、生活していくうえで性能上、機能上の問題が多々あったことである。
先ず既存の空間、建材、建具等、細部に至る要望を抽出し、残すもの、撤去するもの、再利用するものに整理区分することで、着工後混乱もなく施主理解も得やすかった。又、空間イメージ、動線計画、各収納スペース等についても、パースや建材等で視覚的な確認をしながら、カタチにしていくことで、施工段階で互いにイメージが共有でき、施主の満足度も高かった。他、現地調査段階で小屋組、床組等可能な範囲で実測調査を徹底した結果、構造計画、断熱計画で的確な判断が出来、施工でスケルトン状態にした構造補強仕様も設計通りの施工が可能になった。
離れの物置だった蔵は耐震性、防音遮音性を強化した全面改修で子供室・趣味の部屋(フラダンスとピアノ)として再生。家事動線の単純化で奥様の負担を減らし機能性を向上。使用されていなかった不要な和室は失くし、引戸や障子等を活用したワンルーム空間で、多用途に利用出来るようにした。他、池の廻りに大きな石がゴロゴロあり、手入れも大変だった純和風の前庭や中庭は、和洋に合う樹形配置で庭の広さを演出し、灯篭や手水鉢、自然石も一部生かしながら、季節毎の景色を楽しみ、自然を享受でき施主が手入れしやすい庭に生まれ変わった。
既存の伝統建築物の構成要素である漆喰、石、瓦、既存木材の再利用も含め木材を多用した自然素材を用い、自然採光、換気・通風等に配慮しパッシブな自然力を利用した健康的な新旧融合の現代の住まいとなった。

ならまちの家

ダイニング空間。
向かって左側にキッチン、手前にリビングがあり、又、玄関からも直接出入りでき、まとまった動線計画になっている。

2階へと上がる階段があり、吹き抜け空間となっている。漆喰の柔らかい空間にメリハリがでるよう、木部は濃く着色されている。

間の間仕切りは開くとリビングと一体的な空間になり、閉じると2色の紙が編み込まれたメッシュ部分から、優しく光を取り入れる。

中庭や、吹き抜け上部の天窓、欄間窓からの光がそそぎ、日中は照明が無くても明るい空間になっている。

外観(夜景)

前面道路からの夜景。

昼間と違い、内部空間の生活の光が、障子や木格子からやさしく溢れる。
外部からの視線を防ぎながらも光や風を通す開口部は、夜には町を照らす照明になる。

和室

リビングダイニングにつながる開放的な和室。
障子引戸を引くと、前庭から中庭までの居室がつながり一つの広い空間になる。

間仕切りは、夏に既存の古民家にあったヨシズを使えるよう、寸法を設定し、畳も縁のみをやり替え、既存のものを再利用している。

窓や間仕切りを開くことで、中庭から光と風がそそぐ。

ダイニング+中庭

ダイニング、キッチン、中庭

リビング、ダイニング、キッチンが中庭を中心に開放的に繋がっている。
中庭から光を取り込むことで、日中の生活空間はとても明るくなっている。

又、キッチン奥の水廻り、突き当りの裏庭・物干スペースと動線が一直線になっており、家事がしやすい動線計画になっている。

ダイニングテーブルで食事をしたり、晴れた日には中庭にでて一家だんらんを楽しむことも可能。

玄関

玄関

既存の玄関上部にあった屋根を撤去し、2階の階段ホールへとつながる吹抜空間とした。
日中は天窓やハイサイドライトから光がそそぎ、夜はペンダント照明の柔らかい光がつつみこむ。

外観

外観

築80年のならまちにある古民家の改修物件。
外壁は白しっくいで仕上げ、屋根の瓦は既存の物を再利用した。
観光客等、人通りが多い前面道路に対して、植栽や木格子等、景観に調和させながら視線を遮っている。