戸建リフォーム・リノベーション

伝統構法を生かした美しい耐震改修

費用:

1800万円

実施エリア:

兵庫県加古川市

実施時期:

2012

延床面積:

279平米

築年数:

80年

内容:

「第30回 住まいのリフォームコンクール 独立行政法人 住宅金融支援機構理事長賞」
兵庫県加古川市の瀬戸内海に近い場所に建つ、約築80 年の木造住宅の改修を行った。
構造、設備の老朽化、住まい方の変化による不具合を、合理的な補強方法で解消し、意匠的にも改善することを目指している。
この住宅は阪神・淡路大震災を経験しており、耐震性能の向上は重要であった。
礎石建ての基礎を持つような伝統工法の木造住宅では、一般的な耐震改修の手法だと、布基礎の新設が必要など大掛かりな工事で費用も高額になり、開放性や伝統的な民家の意匠が損なわれがちになる。
そこで今回の改修では、限界耐力計算にもとづき、礎石建ての基礎を残すなど伝統工法を生かす耐震補強を行った。
耐力壁になる格子壁を使うことで開放性を維持し、また障子紙を貼り、やわらかな光で民家の魅力を取り戻している。
2階には光と風の道となり、行灯のような照明器具にもなる障子紙を貼った格子壁を利用した「通風塔」を設け、室内環境を改善している。
納戸や浴室など、劣化が激しい部屋の用途を他の部屋に移し、その部分を集中的に改修することでコストを抑えた。
また、高齢化した夫婦の生活場所が1 階になったことを踏まえ、部屋の用途を整理することで、使いづらかった部屋も一体的に利用しやすくし、新たな住まい方に対応している。
この住宅が建つ集落にも同じような住宅が多数残っているが、近年建替えられることが多い。耐震診断の受け改修を検討するが、一般的な工法では高額な工事費かかり、耐力壁の増加により開放性や使い勝手が悪くなるということで、安価な住宅に建替える選
択をすることも多くあるようだ。
これらの民家は、重要文化財ではないが、大工の技術力や材料の品質の高い住宅であり、適切に評価してほしいものである。
適切に改修することでコストも抑え、魅力も取り戻すことが可能ということが一般的に広まることは、景観の維持や既存ストックの活用という意味でも重要と思われる。

庭園

雑草の生えにくく、メンテナンスしやすいように庭を改修しました。

中庭

浴室を撤去し、風通しの良いキッチンと連続した中庭としました。

民家の改修

元の納戸を居間にも利用できるように改修した。
耐震要素としての格子壁も設置しています。

民家の改修

吹き抜けからの間接光によって、明るいリビングにとなりました。

民家の玄関改修

耐震改修を行った民家の玄関です。
障子のような格子壁は耐震要素です。

民家の耐震改修

民家の耐震改修。メンテナンスしやすい庭園。落ち着いた省エネを意識した照明計画。

通風塔

民家の2階に設置された通風塔は、昼間は吹き抜けを通して、間接光と風の通り道になります。夜になると照明器具になり、やわらかな光で演出します。

キッチン

キッチンのリノベーションです。
天井を高くし、ハイサイドライトを設置し、昼間は照明なくらい明るい部屋になりました。
木製のオリジナルキッチンを家具でつくっています。
大きな梁が印象的な空間になりました。