注文住宅

国府台の家

費用:

2700万円

実施エリア:

千葉県市川市

実施時期:

2015

延床面積:

86平米

築年数:

0年

内容:

千葉県市川市北部に建てられた「国府台の家」は都市部としては比較的余裕のある敷地にコンパクトで山小屋のような住宅として計画されました。シンプルでありながら無垢の素材や屋外とのつながり方によって豊かで快適な生活を楽しむことができる「思わず外に出たくなる家」です。
また、断熱性能を高め冬には薪ストーブによる暖房をメインとしながら通風・採光の工夫によって快適で環境にやさしいエコハウスにもなっています。

■省エネルギー志向
地球温暖化や環境問題の文脈の中で、建築物が消費するエネルギーについては古くから様々な議論がなされてきましたが、3.11において私達は人間が創りだす建築物が大自然の力の前ではちっぽけで無力な存在であることを目の当たりにしました。そしてそれに続く原発事故を経験し建築物のエネルギー消費について無関心ではいられない状況になっています。
また、空き家問題が注目される中、新しい住宅を新築することの妥当性は建築主、設計者ともに思考し続けなければならないテーマでしょう。
そこで国府台の家では省エネルギーについて様々な試みを行っています。

■性能(ハード)として
1.断熱性能を「住宅性能表示制度」省エネルギー対策等級の最高ランクの等級4(および省エネ法におけるトップランナー基準)としています。
2.窓にはペアガラスを採用し冷暖房の負荷を低減しています。
3.自然換気と機械換気を適切に組合わせ、夏期や中間期に過ごしやすい計画としています。
4.暖房機器として薪ストーブ1台でまかなう計画として暖房設備によって消費される一次エネルギーをゼロにしています。

■計画(ソフト)として
1.何よりもまず家をコンパクトにすることが省エネルギーにつながります。それにより敷地に余剰が生まれ、外部空間とのつながりの中で小さな家でも豊かな暮らしができるようになります。
2.薪ストーブのための薪割りをとおして「あたりまえにあるエネルギー」のありがたさを日々感じることができます。
3.極力無垢の材料を使うことにより材料の経年変化を楽しむと同時に、いずれ来るであろう解体時の環境負荷までを考慮しています。

■ソフトとハードをつなぐ薪ストーブの存在
上記の意味で薪ストーブはこの家の省エネ志向のシンボルといえる存在です。
薪ストーブは別荘のイメージにあるような「経済的豊かさのシンボル」としてではなく、シンプルでエコな生活の「心の豊かさのシンボル」となるでしょう。

■配置(余白)の設計
国府台の家の敷地は風致地区に指定されている約200㎡の土地です。
約200㎡の土地に延床面積70~80㎡の家を計画するにあたり、建物が建たない「余白のスペース」をどのように利用するか、それを考えることから始めました。
方位や近隣建物との距離感を考慮に入れながら、余白の部分をゆるやかに分節して、それぞれに何かしらの特徴を与えていこうと考えました。
建物の平面形状とそれによって生まれる余白の空間が相互にそれぞれの性質を規定するような関係が生まれるように計画したのが「風車型」のプランです。

■「風車型」のプラン
建物の計画では何かしらの秩序(ルール)を設定してそこにあてはめていくという方法をとっています。
そのようにすることでその計画にとって本当に必要なものとそうでないものが次第に見えてきて、贅肉が削ぎ落とされてくるからです。
1階の平面は風車のように矩形から4つのボリュームが突出したプランになっていますが、この形状によって敷地の余白部分を緩やかに分節して「囲われたスペース」や駐車スペースなどを作り出しています。
内部空間においては横断通風の確保、廊下がないリビングアクセス型のプランを可能にしています。
また、建築家宮脇檀さんのいう「家の中から自分の家が見えることの楽しさ」を取り入れることもできました。
そして家(風車)の中心に薪ストーブを配置することで、家族の団らんの中心的場所を象徴的に演出するとともに、家全体の暖房効率という機能面での効果も獲得しています。

写真 : 山田 新治郎

子供部屋

作り付けの机と収納ベッドとなるロフトスペースでコンパクトでありながら使いやすい計画

キッチン

小窓から外の緑が見える
風車型のプランを活かしたキッチン配置

子供部屋

作り付けの机と収納ベッドとなるロフトスペースでコンパクトでありながら使いやすい計画

ダイニング

風車型のプランで外部との視覚的つながりや通風を計画

寝室

ベッドルームには作り付けの机と本棚がある

階段

リビングから直接2階の子供部屋へ通じる階段

階段

リビングから直接2階の子供部屋へ通じる階段

リビング

床はヨーロピアンオークを使用し、和の雰囲気と洋の雰囲気を演出
色い壁が木の仕上げを引き立たせる
天井を低く抑えて水平方向の広がりをもたせている
薪ストーブが家の中心に据えられ家全体を温める

キッチン

風車型のプランを活かしたキッチンの配置
キッチンに小窓があり外の緑が見える
奥に外壁と同じ仕上げの壁が見える
床はヨーロピアンオークを使用し、和の雰囲気と洋の雰囲気を演出
色い壁が木の仕上げを引き立たせる
天井を低く抑えて水平方向の広がりをもたせている
薪ストーブが家の中心に据えられ家全体を温める

リビング・ダイニング

奥に外壁と同じ仕上げの壁が見える
床はヨーロピアンオークを使用し、和の雰囲気と洋の雰囲気を演出
色い壁が木の仕上げを引き立たせる
天井を低く抑えて水平方向の広がりをもたせている

リビング・ダイニング

奥に外壁と同じ仕上げの壁が見える
床はヨーロピアンオークを使用し、和の雰囲気と洋の雰囲気を演出
色い壁が木の仕上げを引き立たせる
天井を低く抑えて水平方向の広がりをもたせている
薪ストーブが家の中心に据えられ家全体を温める

玄関から

玄関からリビングを見る

玄関

玄関に入ると大きな開口部から遠くの景色が見渡せる

外観(夜景)

風車の中心に薪ストーブがある

外観(夜景)

屋内の薪ストーブがよく見える夜景

外観(夜景)

開放的な大開口とウッドデッキから室内を見る
電球色の照明と薪ストーブの炎が気持ちを落ち着かせてくれる

外観

風車型のプランがよく分かる外観
炭入りモルタルと板張りの外壁のコントラストが特徴的

外観

一階の木板と二階のモルタルのコントラストが特徴的。