注文住宅

熊本の家

実施エリア:

熊本県熊本市

延床面積:

79平米

内容:

熊本生まれの私にとって、故郷での初めての仕事に何か熱いものを感じていました。 生まれて四年程しか住んでいず、父の仕事の関係で熊本をはなれ他県の彼方此方に移り住んだ様でしたが、生まれ故郷というものは、肉体的にも精神的にも深く感じる所がある様で、設計の打合わせや現場監理で熊本入りする事がとても楽しみになり、子供の頃の様にウキウキするのを隠せ無かったし、遠くへ移動しても疲れたと感じた事は一度も無く、きっと体も心も喜んで居たのだろうと思います。
設計を依頼され、意外と早くすべての要望を取り入れた案が出来、これは良い住宅になりそうだというのが第一印象でした。しかし、大分大きくなり過ぎ予定された予算内ではとても出来そうに無い案だと思え、その案を提出し施主に検討して頂いている間に、別に少し小さ目な案を考えた。その案は、屋上テラスにガラスの屋根を掛けたちょっと面白いモダンな住宅になりました。すると、この小さな案を私はどうしても作りたくなり強く勧めましたが、施主としては、希望が全て取り入れられた最初の案にこだわりがあった様で、結局その大きな案の方に決定した。それから予算との激しい戦いが始まり、実施設計に丸二年も掛り、スッタモンダしている内に、例の姉歯問題が持ち上がり構造基準が変わってしまい、確認申請を出す頃には再度新たに計算し直す必要が生じました。その旨を構造事務所に伝えたが、新たな構造基準には曖昧な部分があり、再計算は引き受けられないと断られました。構造事務所も途方にくれていた様でしたが、そんな事も重なり大幅に着工がずれ込み、三年近く掛けて竣工する事になりました。何事につけ大変でしたが、良い思い出の仕事の一つとなりました。
外観も内部も、月日が経つに従い当初の計画とは大分変わってしまいましたが、設計当初から考えていた熊本に面する有明海の赤貝で作った漆喰を室内全域に使いたいという事が出来、念願が叶い設計者としても限りない喜びでありましたが、また施主もその事を大変喜んでくれました。
この家が、これから長い年月を掛け、終のすみかとして施主と共に、思い出深い歴史を刻んで行く事だろう事を見守り続けたい。
ちょっとした事情があり、ホームページにアップするのを遅らせ、今となりました。

ダイニング側からリビングを見る

20帖の広さのあるこの部屋には、まだ家具が入っていないのでダダッ広く見える。右側の棚の上部は吹き抜けとなっていて、トップサイドライトからは柔らかい光が下りてくる。床は大理石で、壁は有明海の赤を焼成して作った漆喰を前面に塗っている。
撮影:藤原貴裕

和室

リビング隣の和室10帖。普段は家族の食堂として使いたいと頼まれて設計した和室だが客間としても使えるように十分に配慮した。
撮影:藤原貴裕

2階階段ホール

右側には、洗面場に通じる2メートルほどの渡り廊下が見える。飛び石を配置したのは、室内なのだが飛び石を設けることで、まるで離れに行くような雰囲気を味わえるよう、あえて設計した。
撮影:藤原貴裕

2階子供部屋への廊下

少し長めの廊下で窓が取れず暗いので、外壁に小さな穴を開けガラスブロックを入れて明かり取りをした。
撮影:小林英治

居間のトップライト

夏場の暑い時、上部のサッシを開けて風を循環させ通風を補う事が出来るようにしている。
撮影:小林英治

浴室

細長く4帖も浴室で、奥にはちょっと大きめなジャグジー付きの丸い浴槽が入れてあり、洗い場には床暖房が入っている。
撮影:小林英治

外部 納戸の窓

2階納戸の明り取りに使用した丸い窓。小さいが開閉できるようになっている。
撮影:小林英治

南の庭に面した外観

1階の右側の大きなガラス面がリビング・ダイニングで、左側の窓は和室。上部には2階の子供室の丸い穴の開いたバルコニーが見え、和室の上部は屋上テラスとなっている。
撮影:小林英治

外観

当初なかった駐車場の出っ張りが、その大きさのためにそのデザインのメインとなってしまい車関係の人の住まいですかと言うイメージが付き纏ってしまう。
撮影:藤原貴裕