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この住宅は、帯広の中心から少し離れた住宅地の中に位置しており、約100坪というゆとりのある敷地の上にたっています。クライアントは、子供が小学生に入学するのを機に、この場所を家族3人の新たな生活の場として定め、新しい家を創ることを希望しました。
この計画でまず考えたことは、比較的余裕のある敷地に対して、建築をどのように配置するか。そして、外部に曝されすぎず、見捨てられることのない、パーソナルな「空地」=庭を考えるということです。また、この敷地の特徴のひとつである、正対する道路に対する、建築の姿・ファサードも重要であると感じました。結果として、冬季間の積雪対策や周囲とのプライバシーの関係を考慮しながら、パーソナルな「空地」=庭を囲む平屋の形で構成されました。
パーソナルな庭といっても、周辺環境を拒絶するような自閉的な解決をすることは避けなければいけません。正対する道路には、駐車場として利用するゲートがバッファ(緩衝空間)として機能し、柔らかくプライバシーを保ち、また、建築のファサードを形づくっています。また、内部空間とは、テラスがバッファ(緩衝空間)となり、住む人のアクティビティを柔らかく内部から外部へ導くことを意図しています。
各室のゾーニングは、道路に面した南から北に向かって、ゲストスペース→コモンスペース→プライベートスペースというように、プライベート性の低い空間から高い空間をシンプルに配置しています。御主人の仕事の時間が不規則であり生活のリズムが異なることなども考慮し、間に位置する2つの坪庭によってそれぞれの空間を柔らかく分け、視覚的にも空間の変化を意識できるように意図しています。また坪庭は換気・採光の機能を併せ持っています。
この建築が、「とかち」における新たな住まいのかたちのひとつとして、住み手の生活と共に、年を重ねてこの場所に馴染んでいくことを楽しみにしています。