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〈マンションリフォーム・リノベーション〉
おばあさまから譲り受けたというマンションは、使わない和室や狭い浴室、小さな洗面台やキッチン、収納不足がご不満。また築30年でデザインが古く、奥さま好みの”シックな北欧スタイル”にフルリフォームしたいと考えていました。
自然素材をただ使うのではなく、イメージに合う素材を厳選し、どのように配置したら自然素材の魅力が最も伝わるか、ということにこだわりました。たとえば、LDKの床に敷いたチークのフローリングはラフな木目や一枚いちまいの濃淡が立体的で、いかにも無垢材らしくどっしりとした存在感。リビング・ダイニングに面するドアは、濃淡のある赤茶のスギの羽目板をバランスよく組み合わせました。漆喰の壁の目の覚めるような白が、フローリングやドアの木の質感を上品に際立たせています。
フローリングはチーク材を使用。表面に現れたラフな木目と濃淡が、無垢材ならではの存在感や趣を放ち、落ち着いた雰囲気に。壁には塗った真っ白な漆喰は、光の具合で陰影をつくり出し、手しごとのぬくもりを伝えてくれます。
無垢や漆喰といった自然素材に、北欧ヴィンテージ家具が溶け込む空間。理想のイメージをつくるために、一つひとつの素材を厳選し、配置にもこだわりました。すべての窓にはインナーサッシを設け、北欧の家庭のような静けさをもたらしています。
キッチンはLD側から目隠しするために独立させつつ、開口を設けて見通しと風通しに配慮。カウンター収納の扉は赤茶色の杉を羽目板張りに。キッチン奥の納戸との間に引き戸を設け、リビング~キッチン~納戸まで風が吹き抜けるようにしました。
奥さまのご希望により、ダイニングの一角にデスクカウンターを設けました。L字型の壁で囲んで籠った雰囲気を出しつつ、正面に羽目板を張ってダイニングエリアとゾーニング。間仕切り壁がなくても、視覚的に別のエリアであることを意識させています。
LDに面する建具は全て、濃淡の異なる赤茶の杉を使った羽目板のドアに。LDKのテイストに合わせ、デザイナーが木目・色調を組み合わせたオリジナルのデザインです。冴え冴えと白い漆喰の壁に、木肌の美しさが際立ちます。
玄関から廊下にかけては赤煉瓦のようなタイルを白い目地でパターン張り。壁の漆喰は水面のように光をとらえ、美しい陰影を廊下に投げかけます。教会に導く小道のように、静かで美しい空間に仕上がりました。