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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネート、インテリアを担当
築50年以上になるヴィンテージマンションのリノベーション。ミッドセンチュリーが好きな施主の家具や遊び心を随所に活かし、4戸分をスケルトンにして再構築した贅沢な住まい。
アメリカ生活も経験した施主は、ミッドセンチュリーの世界観が好きで、名作家具もいくつも所有。当時の家具ともバランスのいい空間を希望されました。
低い天井と大きな窓からの自然光が生む陰影、柔らかなフォルムと硬質な素材使い、重厚な自然素材と工業化製品の軽快さなどの対比を、バランスよく配しました。
1つ1つ吟味して石積みにした壁やキッチン周りのPタイルなど、壁や床はこだわってつくりこんでもらいました。
その分、キッチンの内部は、扉材に有孔ボードを張り、自分たちで古い取っ手に付け替えたりして遊んでいます。
オーディオ前のソファや、日当たりがいい特等席の窓辺のカウンターベンチなど、あちこちに気持ちいい居場所がある住まいになりました。
壁を取り払った横に広い空間は、ミッドセンチュリーのアメリカで人気だったアイクラーホームなど、平屋の工業化住宅に通じるものがあります。太い梁を活かしてダイニングとリビングを緩やかに分け、落ち着ける空間に仕上げました。
穏やかな自然光が差し込むリビングには、イームズのソファコンパクトを置いています。無駄をそぎ落としたフォルムが美しく、むき出しにした天井と座面との距離が、空間の広がりを印象付けます。
空間の邪魔になりかねない構造柱ですが、重くなりがちな石張りの壁にリフレクションを利かせる効果も。白とブラウンのアームシェルチェアが映えます。
カーペット敷きの広いLDK。ルーバードアのスモーキーピンクが空間の差し色として効いています。
フローレンス・ノールのキャビネットの両サイドには、今では希少品となっているローズウッドを使ったスピーカー。名作家具とグレージュの足当たりのいいカーペットがしっとりなじんでいます。
清潔感のある白い空間。天井を木張りにすることで温かみと横の広がりを感じさせます。
洗濯乾燥機の高さ・奥行きに合わせてカウンターを造作。洗面台もタイルサイズの厚みに押さえ、足元を抜いてすっきりと仕上げました。
ガラス壁でパウダールームとつながるバスルームは、ホーローのバスタブを埋め込み、ハンドシャワーのほかにレインシャワーも設置しました。
エントランス正面はプレイラウンジ。卓球台を置き、窓辺はコーナー窓の高さに合わせてカウンターベンチを造作し、床と同じカーペット敷きに。夜はエタノール暖炉をつけて光の煌めきに浸るなど、シーンに応じて遊べる場所にしました。
玄関ホールを挟んで右は子供部屋や寝室など。シナベニヤを張ってプライベート空間への切り替えをデザインの上でも。
シナベニヤを張ったキッチンカウンターの内側はチョコレート色のタイル張り。シックな色遣いに、オーバルのダイニングテーブルとジョージ・ネルソンのバブルランプの曲線が柔らかな表情を生みます。