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北海道の住宅の原風景ともいえる、築40年以上の年月を経た三角屋根の家の増改築。
三角屋根の並ぶ街並みは、北海道の住宅の歴史を表す特徴的な風景だ。長い年月を経たこの家は、三角のアイコンを受け継ぎながら外張り断熱材と木製トリプルサッシによって断熱・気密改修され、経年変化を感じることができる木貫板を下見板張りすることで更なる時を刻んでいくことになった。
クライアントのYさんご夫婦は、遊ぶこと・生活を楽しむことの天才だ。休日のライフスタイルはとてもアクティブで、周りはいつも賑やかな友人達の笑顔で溢れている。
冬の朝は夜明け前からスノーボードやスキーの道具を車に詰め込み、山へ向かう。山では一日中、存分にパウダースノーを堪能する。夜になるとリビングが友人達の集う場所となり、尽きない会話を楽しむ。
数々のアウトドアスポーツを趣味にもつYさんご夫婦にとって、ありきたりのnLDKといったステレオタイプの住まいは不便さを感じるものであったに違いない。そこで求められた新たな住まいのカタチは、中古住宅のコンパクトで限定された住空間を、ライフスタイルに合わせてカスタマイズし尽すことだった。
全面的に改修した内部空間は、1階の2/3がコンクリートの土間空間となり、2階は既存の梁を表し小屋裏を生かした広がりのあるプライベート空間に生まれ変わった。大きな土間空間はアウトドアの道具の手入れや作業場として機能すると共に、セルフビルドによってインテリアが補完されることを意図して計画されている。また、コンクリートの蓄熱により、夏冬の室内の温熱環境を穏やかにする役割を併せ持っている。
設計事務所の住宅の仕事は、とかく新築のそれに偏りがちであるし、既存を改修するが故にかえって困難や面倒なことに直面することも少なくない。しかし、既存の住宅ストックを活用し、原風景としての住宅を受け継ぐのも私たちの大切な使命であると考えている。