注文住宅

『M邸』シンプルモダンな住まい

実施エリア:

鹿児島県鹿児島市

実施時期:

2012年

延床面積:

152平米

東條 正博

建築はお客様の財産でありながら、私たちの作品でもあります。 建築雑誌などに掲載されている建物は、個性的だったり、面白いデザインだったりするのですが、私はどちらかというと地に足がついた建物をつくっていきたいと考えています。 「機能性を支援する処にデザインの存在があり、人と物をつなぐ処にデザインの価値がある」これが弊社の設計理念です。 建築士には大きく分けて2つのパターンがあると思います。 ひとつは「作家」的な、自分の確固とした世界や作風があり、それを気に入った人が買うというタイプ。建築を志した人間ならば、誰しも一度はそちらに憧れますが、一方で私のような「地域に根ざした建築」を目指す建築士は、それではいけないと思います。 住宅を設計し、ある人にとっては良い建築でも、他の人にとってそれが良いとは限りません。それぞれに好みやライフスタイル、住まう家族構成が違いますから、我々はプロとしてそこに機能性などを補完し、それぞれの方に合ったオーダーメイドの建築をつくります。 そのため私の設計には、アンティークな建物やモダンな建物など色々な作品がありますが、ただお客様の意向に添うだけではなく、地域性・機能性・耐候性などを考慮し、最良の提案を行います。お客様の意見は尊重しますが、決して迎合するのではなく、お互いが納得いく設計を心がけています。 会社も創立36周年を迎え、所属する社員も30名を超えました。最近では「こちらでは小さな建物はやってくれませんよね」と言われることもあります。ですが私はつくる建築を大きさやお金で選んだことはありません。極狭敷地に建てるローコスト建築でも、絢爛豪華な大邸宅でも、私たちのやることは同じです。 特に住宅は、あらゆる建築の原点であると社員に教えています。家族という最小限のコミュニティの中で、それぞれの要望をとらえ、周辺環境を的確に読み取り、現状だけではなく将来を見据え、プロとしてどのような答えを出すか。あらゆる用途の建物がもつ建築の課題が住宅には凝縮されています。 出来上がったものに対するお客様の感想も、自身の生活に密着する分、他の建物より顕著です。お客様に喜んでいただけた時、私たちは他の何にも代えがたい報酬を得るのです。 お客様の期待通りのものをつくって「満足」していただくだけでは足りません。期待以上のものをつくって「感動」していただいてこそ、私の考える建築のあるべき姿です。