注文住宅

KM邸

実施時期:

2009年

内容:

敷地は7m×22mの東西に細長い土地です。

設計を始めた頃、すぐ南隣に住宅が建つ事になりました。その計画案が決まるのを待ち、建物の配置や窓の位置を事前に教えてもらい、こちらの計画案を決定していきました。

採光や眺望の悪い1階は東の道路側に前庭、中央には中庭を設け、各スペースはそれらに面するように配置しました。また、限られた面積の中に出来るだけ広々とした空間を作り出すため、玄関・LDK・階段スッペースを1ルーム空間とし、吹き抜け越しに2階の子供スペースとも連続させました。

クライアントのご希望は当初RC造でしたが、予算を考え木造にする事になりました。前庭を囲う東の塀、長いアプローチ空間を作り出す南の境界塀、このふたつの高い塀をRC打ち放しにしたのは、クライアントが望む雰囲気を少しでも作り出せればと願った結果です。

RC造に見えるコンパクトな木造住宅が出来上がりました。

写真:カトウタカオ

内川建築設計室

建築は色とりどりの糸を幾重にも織り重ねて出来る一枚の布に例える事が出来ます。材料、デザイン、構造、法規、経済性、社会性、歴史性等々、無数の糸で織り上がったいくつもの層は互いに独立する事なく複雑にからみ合いながら、1枚の布に様々な風合を与えます。建築家はその中の何本かの糸や織り方にこだわりながら、独自の布を織り上げていきます。  また、建築を1つの書物に例えるなら、単語の羅列の中に様々な意味や作者の美意識などを読み解く事が出来る様に、建築もまた表面に表れたデザインの奥に建築家の様々な思いを読み解く事が出来ます。きれいな単語や文体によって明快なテーマを発する心地よい文章(建築)よりも、意味深な単語や文体、単純には読み解く事の出来ないテーマ、しかし何故か心を打つ、そんな匂いたつ様な文章(建築)に私達は魅力を感じます。 そして、時間を経る程に味わいを深めていく、そんな建築を作りたいと願っています。