注文住宅

石江の家

実施エリア:

青森県青森市

実施時期:

2010年

延床面積:

104平米

内容:

新青森駅近く、駅建設に合わせて造成された住宅地にある約100坪の敷地。それまでの田畑を一挙にマチにしてしまうようなことは、当然のように日本中で行われてきた。こうしてつくられたマチは「独特の香り」がせず、春に一斉に芽を出す草花のように建ち始める住宅一つ一つに委ねられてしまっている。そこで今回は、住宅のボリュームと、敷地全体とマチとの連続感を意識し、新しいマチに住む人々が散歩のときにしばし立ち止まるような「場」ができないかと考えた。
 デザイナーであるクライアントの仕事場を持つこの住宅は、「中の生活が見えるくらいに開放的な住宅を」という希望から、道路に面した東立面の上下の大開口が特徴となっている。内部も開放的な空間であるが、道路に面したリビングや仕事場から、ダイニングキッチン、そして水廻りや寝室へと奥にいくに従ってプライバシーの度合が高くなっている。初めはシンプルなワンボックスのようだった空間を開放の度合によって三つに分け、それらが互いに南北にスライドしたプランとした。東の大開口から奥に向かって、そのフレームが徐々に小さくなり重なり合っていくのが見える。
 車庫も含めていくつかの箱が集まったような形にすることで、大きな敷地をそれぞれ「街路樹の並ぶ歩道」や「プライベートガーデン」、「家庭菜園」とし、マチへそれぞれ連続させた。
 ボリュームも要素もさまざまに集まった今では、この家の主(あるじ)となった愛猫が、大きなガラス越しに近所の人の視線を集めている。