戸建リフォーム・リノベーション

Nzuri 昭和初期の面影を残す京町家を全面的にリノベーション

実施エリア:

京都府京都市中京区

延床面積:

83平米

リノベりす掲載:

あり リノベりす掲載リノベーション事例「Nzuri  昭和初期の面影を残す京町家を全面的にリノベーション」

内容:

【リノべりす掲載中】
こちらのプロジェクトは『リノべりす』に記事が掲載されています。
https://renoverisu.jp/case/p/reborncube-nzuri/

『リノべりす』とは?
扶桑社の中古マンション×リノベーション専門誌「リライフプラス」とSUVACOのコラボレーションのリノベーション情報サイトです。
https://renoverisu.jp/about/

■ リノベーションコンセプト

 今回のお施主様も物件の購入からリノベーションまでをお手伝いをさせていただきました。また当初から町家を購入してリノベーションされることをご希望されていました。

 まず物件のご購入経緯について説明致します。リノベーションさせていただいた物件にたどり着くまでにいくつか内覧をいただきましたがご相談を受けてから案外早い段階でネットに掲載されていたこちらの物件に出会うことができすぐに内覧いただきました。その時ほぼ同時で内覧された方がありその方も購入意思があったのですが、売主様がお施主様を選ばれました。その理由はこちらのお施主様は当然リノベーションして建物を再生される前提でしたが、一方の方は建物を壊して新築するということでした。それが建物を活かしてもらえる方に売りたいと希望されていた売主様の売却理由と合致したためお施主様にご購入いただけることになりました。
 なぜ建物を利用される方に売主様が売却することを希望されていたかというと、この物件を元々所有されていた叔父様から相続されたのですがその叔父様が大変気に入って大切に建物をお使いだったことが最大の理由でした。またその叔父様が譲り受けられる前の所有者がこの建物を建てられた方でその方が大工さんで自宅用にこの建物を建てられたという歴史があり、そのようなことからもぜひとも建物を活かしていただける方に売りたいというご希望をお持ちだったんです。本当にこちらとしては願ったり叶ったりでしたがリノベーションするが故に得たアドバンテージの好事例になりました。このような経緯があり無事に物件をお施主様にご購入いただけることになりました。
 今回のお施主様はご主人様がイギリスの方で奥様が日本の方です。町家にされた経緯をお聞きするとやはりイギリスでは古い建物を活かすという土壌が元々あるので古い町家をリノベーションで再生するというのは本当に当たり前の考え方のようです。日本でもこうした考え方がリノベーションの普及によりだいぶ認知されるようになってきましたがこれからはイギリス同様本当に当たり前のことになって欲しいと思います。

 では次に本題であるお施主様のリノベーション希望についてお話したいと思います。まずお施主様よりのご希望ですが、町家ということで土間のスタイルを残したいということを当初からお持ちでした。また囲炉裏や畳のスペースが欲しいということ、そして2階のベランダを活かしたいということ、それにガレージも確保したいというようなことなどをご要望としてお持ちでした。そして全体的なイメージとしては和モダンな空間でホテルライクな雰囲気がお好きとのことでした。これらのご要望を踏まえてプランニングを進めていきました。リボーンキューブ初の本格的な町家リノベーションということでお施主様にも増して並々ならない意気込みがありました。それらが結実して今回の作品が出来上がりました。

 具体的な内容をお話したいと思います。
 1階の元々の間取りはガレージがなく建物が道路際いっぱいまで建っておりましたが、1階部分を凹ますことでガレージとアプローチをとるようにゾーニングしました。アプローチには間接照明を配して表札を兼ねたデザインを取り入れ、なおかつ枯山水の小さな庭を設けました。こうすることであたかも住宅ではなくどこかのお店にでも訪れたかのような錯覚をおこすアプローチに仕上がりました。
 元々の町家の通り庭はそのまま採用し収納とキッチンを土間部分に設けました。またそのまま奥にゾーニングした水回りまで土間を通って行くという大胆なゾーニングをしました。
 また中庭を活かしたいというご要望もお持ちでしたので広くはとれませんが1階のリビングからの眺めを考慮してミニマムでも主張のある中庭に設えました。
 キッチンは全面タイル張りでキッチン自体もタイルで造るスタイルにして新しいですがどこか懐かしい雰囲気のある町家らしい設えにしました。
 奥にゾーニングしたトイレや洗面、バスルームには踏み石を通ってアプローチするように配置しました。特に洗面とバスルームは在来工法で全面タイル張りとしガラスで仕切ることで一体感のあるホテルライクな空間に設えました。
 リビングには元あった書院をそのまま残しデザインの一部に取り入れリビングから庭の眺めるとその一部に見えるようにしました。
 2階はベッドルームと開放的な囲炉裏のあるスペースそしてその奥のベランダまでを一体としてとらえ繋がりのある開放的な空間に設えました。ベッドルームは3枚の引き戸を閉めることでプライベートゾーンになるよう緩く仕切るようにしました。  囲炉裏を切った小上がり部分は天井も抜いて梁を見せる仕上がりにしたことで開放感が増した上に町家独特の空間を造ることが出来ました。
 その奥にあるベランダへは鉄骨でローカを作り繋げることでこのベランダまでもがひとつの空間として使えるように設えました。囲炉裏のある小上がりから下を覗くと火袋(吹き抜け)部分からキッチンが見えるという設えにしました。

 このようにかなり大胆に割り切ったゾーニングをさせていただくことで町家の持つポテンシャルを最大限に引き出せる空間が創れたのではないかと思っております。そしてリボーンキューブならではの和モダンな空間がデザインできたと自負しております。まさに今回初の本格的な町家リノベーションにはピッタリな気合の入った空間に設えさせていただけたと思っております。

 今回のネーミングはお施主様ご自身にスワヒリ語で“Nzuri(ンズリ)”と命名いただきました。意味は“good,nice,beautiful”ということだそうです。お施主様がタンザニアにおられた時に覚えられた大好きな言葉ということで今回の作品にまさにピッタリなネーミングですね。本当にお施主様ならではのネーミングでとても思いつかない発想です。
 今回の作品もお施主様が落ち着かれましたらぜひお伺いしてみたい作品のひとつとなりました。今回もお施主様とともに本当に楽しくリノベーションさせていただけたことを感謝いたします。

■ 物件概要/昭和初期に新築、築年数は不詳(築後推定約80年前後)
 構造:木造瓦葺2階建

■ 主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:既存板張り(一部PB貼りの上AEP塗装)の上OS塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・洗面、バスルーム:全面モザイクタイル張り在来工法仕上げ・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル張り(オリジナル造作キッチン)・ガスコンロ:パロマ製2口コンロ・便器:リクシル製・その他:ブラケット照明、チェッカーガラス、既存サッシ入替え、庭造作一式、セランガンバツ材ウッドデッキ等

■ リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

この専門家のプロジェクト一覧