注文住宅

松任茶屋の家

面積:

578㎡

エリア:

石川県白山市

内容:

石川県白山市(旧・松任市)茶屋に建つ。
住宅は従空間(玄関、廊下、階段室等)が主空間(LDK、個室等)を「囲う」かたちで現れることが多いが、当物件はことさらにそれを意識して計画した。
また、施主夫妻の車、絵画、映画鑑賞などの趣味がガレージ、アトリエ、ギャラリー、ホームシアター室へと置換えされ、主・従空間の領域が輪違いのように重なり合う格好で現れる。
ギャラリー機能を果たすエントランスが、階段室へと垂直に広がりを見せ、且つアトリエへと水平な視野を広げた1階。
前面道路側に広がる公園とLDKを繋ぐように室内デッキを配し、反対方向には屋外デッキも配することで、全体的に外の気配を取り込んでいる2階。同階の夫婦寝室専用のバスサニタリー空間は屋内デッキの延長空間に配することで寝室にも屋外の気配を取り入れながらもプライベート環境を保護している。
夫の寝室横にはホームシアター室を配し、いずれからも階下のガレージの車を見下ろすことが出来、直接ガレージにも行き来できるよう直通階段を配することで趣味の世界を創りあげた。
3階には主浴室を配置し、外デッキを附設して展望露天風呂の趣きを表した。
このように主空間と従空間が渾然と繋がり、回遊できる、ゆったりと大人が遊べる棲まいの提案である。

平口泰夫

建築の美的な表現には構造美、機能美、装飾美等々あるが、それらは「素肌」なるがゆえの美、「被膜」なるがゆえの美の二面性にある。「素肌の形相」は本質的形相であり、被覆を施された形相は偶有的形相である。建築の形相は抽象的言語の観念的操作への関心と、現実に存在するものへの執着の二面から被覆を施され偶有的形相として表出される。「素肌の形相」は、そうした被覆を一端剥ぎ取り、如何なる被覆が建築に相応しいのかの考察である。そして「緒正としての形相」として再生する。