明治15年建築の古民家リノベ。高齢の母と夫婦の生活なので、動線・間取りは継承、寒さや耐久性を見直してバリアフリーに。

古民家・町家リノベーション

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京丹後の民家

手掛けた建築家

設計、監理を担当

京丹後の民家 (外観)

外観

端正な前栽を持つ民家です。状態がよくほとんど手を加えていません。2階は当初屋根裏の養蚕室でした。

京丹後の民家 (玄関)

玄関

玄関正面 床飾りを設けました。右手の障子戸から玄関ホールにつながります。畳敷きは左手の和室入口への踏み段です。安全のためにわかりやすく仕上を変え、間接照明も組み込んでいます。単なる階段ではなく玄関の格式の一部となるようにも設えています。

京丹後の民家 (玄関)

玄関

玄関の夕景です。正面には床の間風の飾り棚を設けています。その間口に合わせて設けた畳敷きの上段は和室への出入りのための段差です。床の間上部の欄間はもともとあったものを再利用しています。欄間を浮かび上がらせる照明は、同時に当初土間であった豪壮な天井を正面の壁を越えて奥深くまで見せています。

京丹後の民家 (玄関)

玄関

正面は祖母の部屋とし、障子戸は祖母が親しい来客を直接迎えるものです。その上には中二階の納屋があり出入り口となっていましたが、壁で閉じて意匠を整えました。土間からの昇降にはゆったりとした式台を設け、手摺の取り付く壁は保護のために板張りとしています。

京丹後の民家 (玄関)

玄関

玄関の見返しです。玄関扉はもともとの扉を再利用しています。扉右側に設けた柱型の陰に収納式網戸を仕込んでいます。鴨居の梁型には間接照明を組み込みました。

京丹後の民家 (居間)

居間

下屋部分にあります居間です。左手の和室と同じ床の高さにあったものを下げました。右手の窓はもとは掃き出し窓でした。窓に立ち上がりが生じたことで居間に落ち着きがもたらされました。

京丹後の民家 (居間)

居間

居間は北庭に面しています。正面の窓はもともとの掃き出し窓の大きさをそのまま残しました。床を下げた分多少の立ち上がりが生じ、それが居間に落ち着きをもたらしています。右手は食堂との間の紙障子を閉じた様子です。

京丹後の民家 (居間)

居間

居間の背後には食堂がつながります。間仕切りの紙障子を全開して収納した様子です。右手は和室です。食堂がもともとの土間の部分にあり、日常生活部分をすべてその床高さに合わせ、和室とは段差が生じています。丁度椅子座と床座の段差となっています。

京丹後の民家 (居間)

居間

居間と食堂とは紙障子で間仕切ることができます。開放時には右側の袖壁内にすべて収納されてフルオープンとなります。紙障子は細かな桟に両面から和紙を張り、部分的に片面張りのみとすることで陰影をつくりだしています。

京丹後の民家 (居間)

居間

居間の高天井部です。改修前には天井を張って閉じてありましたが、あらわしにして高天井とし、下屋に設けられた低い天井部分とのメリハリをつけました。一つの部屋で異なる天井のエリアがあることで、空間により豊かさが増します。

京丹後の民家 (居間)

居間

居間の高天井部から食堂を見返したところです。正面扉が玄関ホールにつながります。

京丹後の民家 (居間)

居間

もともとの土間の部分に床を張ってLDKや寝室・サニタリーなどの日常生活部分を設け、既存の和室とは段差が生じています。丁度椅子座と床座の床高さの差となっています。その30cmの段差をゆったりとした奥行の段床でつないでいます。和室格子帯戸の向こうがお座敷です。南庭~和室~居間~北庭へと一体につながります。

京丹後の民家 (居間)

居間

和室から居間を見た夕景です。和室のガラス障子と欄間は既存のものを活かしました。南北の庭がつながり風が通り抜けます。

京丹後の民家 (居間)

居間

食堂から居間側を見たところです。3本の八角柱と引込の紙障子で間仕切られます。4枚の紙障子はすべて壁の中に引き込んで居間と食堂とを一体につなぐこともできます。

京丹後の民家 (食堂)

食堂

居間から見た食堂です。右手のガラス入り扉は玄関ホールにつながります。もともと玄関に使われていたものを加工して再利用しました。

京丹後の民家 (食堂)

食堂

食堂の夕景です。食堂の壁の一面は淡い桃色の和紙張りとし 間接照明を組み込んでいます。食卓上のペンダントライトは陶器製です。

京丹後の民家 (食堂)

食堂

居間側の紙障子を閉じた様子です。太い柱・梁と対比的に繊細な組子です。和紙を両面に張る部分と片面のみに張る部分とを使い分けて陰影を出しています。

京丹後の民家 (食堂)

食堂

低い梁によって通路部と食堂とが区画され、コーナーが生じてやや囲われた感が落ち着きを産み出します。右手は居間との間を仕切る紙障子を閉じたとことです。

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手掛けた建築家

設計、監理を担当

用途

自宅

居住者

その他

所在地

京都府

敷地面積

174㎡

延床面積

250㎡

施工面積

116㎡

改修規模

部分リノベーション (玄関/居間/食堂/台所/寝室)

階数

2階建て

築年数

136年

期間

設計:10ヶ月 、施工:6ヶ月

完成時期

2020年08月

施工会社

株式会社 坂根工務店

手掛けた建築家のコメント

設計、監理を担当

京丹後の民家 は 古民家の趣きを活かしつつ現代の生活へ適用を試みた明治15年築の住まいの改修です

京丹後の民家

明治15年に建てられました京丹後の民家の改修です。
美しく保たれた外観と前栽とが凛とした佇まいを見せるこの住まいは、南面して玄関~和室~座敷が一列に並び、その上部にはかつては養蚕に使われた2階が載っています。玄関と和室では養蚕室を支える豪壮な木材が天井にあらわしとなり、奥の座敷の床脇には見事な細工の書院障子が建てこまれていました。
一方主要な生活部分である居間食堂台所そして寝室は北側の増築下屋に配され、当初土間であった部分に床を張って設けられた食堂台所と他の生活部分とは30cmもの段差があるものでした。冬の寒さや耐震性にも不安のある住まいの改善を図るべく、改修計画は始まりました。
高齢のお母様と定年を迎えられたご夫婦は、これまでの長年の生活の作法習慣からの変貌を望まれず、動線・間取りなどはほぼ継承しつつ、改修の成果を見出していく作業となりました。

当初土間であった部分には太い差し鴨居や丸太梁が縦横に低く架け渡され、座敷と高さを揃えて床を張ることがかないません。格式高く保たれた二間続きのお座敷~和室には手を加えずそれらを上段の間とし、それ以外の日常の生活空間は防湿を施して設けた低い床のエリアとしてまとめることとしました。バリヤフリーとなった床に対して低い梁や天井を積極的に捉え、既存の高いあらわし天井などとの空間の変化や分節に活かしています。新たに加えた柱や組み込んだ建具が空間の区画の多様性に一役買っています。
既存和室との大きな段差に対しては充分な間口と奥行きの段床を設けることによって、より自然で空間的なつながりを得ました。
主要な構造木材には粘弾性のダンパーを設けて、壁によらない耐震化を図っています。

部屋の配置は変わらずとも、部屋と部屋とのつながり方の扱いによって、民家らしい大らかな繋がりの空間を取り戻しました。

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この事例のコンセプト

この住宅の写真

手掛けた建築家

対応業務

注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)

所在地

大阪府箕面市西小路5-5-5, 555ビル505

対応エリア

京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 滋賀県

目安の金額

30坪 新築一戸建て

2,100万円〜

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