注文住宅

食卓と菜園と三角屋根の家

面積:

102㎡

エリア:

大阪府

実施時期:

SEP. 2013

内容:

家の中心は、食卓とすることにしました。
都心の一角、路地に挟まれた鰻の寝床型の狭小地。
隣の建物との距離がとれず、幅の狭い路地と、建物に囲まれた街の狭間である。
気候の良い時期は勿論、窓を開放して、空調に頼らない暮らしをしたい。
友人を家に招いて、食事をおもてなしできる時間を大切にしている。
趣味の菜園ができる場所を、狭い敷地の中に確保したい。
住み手が大切に感じているそのひとときを、楽しみながら心地よく過ごすことができる空間に。
菜園でとれた食材を調理して、友人たちと楽しく会話しながら過ごす空間。
太陽に近い最上階のテラス、食事ができる 2 階のテラス、そしてエントランスの果樹。
窓を開放して、光や風を空間へと取り込み、都心にいながら季節を感じながら過ごされています。
家はこれから菜園の緑が相俟って、住まいの完成に向けて彩っていくことになります。

ダイニングキッチンの天井には、屋根の様子をそのままデザインに取り込みました。
三角屋根の表情が、ダイニングキッチンから天井面に見ることができます。
三角屋根のてっぺんは、スリットが設けられて、隙間に光と通風の設備が仕込まれており、季節や時間によって心地よい空間環境を整える役割をもたせています。

大勢のお客様と一緒に調理して、共に食卓を囲むイメージをもってデザインをしています。
キッチンでは、食卓のお客様と近い距離感で会話しながら調理ができるようにと、食卓とキッチン本体を繋げ、視線が少しでも近づく様に空間を構成しています。
また、皆で楽しく調理が出来る様に、食卓を空間の真中に位置させ、キッチンスペースを出来るだけ広く確保し、同時の調理を可能にしています。
共有する時間と空間を大切にされている、住まい手の気持ちをデザインに落とし込みました。

ダイニングテーブルは、キッチンの延長上に配置されています。脇には、大きな可動式の窓が設けられて、一枚の絵の様に、まちの姿を切り取ります。
三角屋根が、端に向かって降りてくるそのところに、食卓が設けられて、座ったときに落ち着く空間となる様に意図しています。

2層式のテラスの上部、建物の中で最も太陽に近いところ、菜園用のテラスを設けました。
上空には、ワイヤーを張り巡らせ、鳥対策と植物のガイドとしてデザインしています。

菜園テラスの下部に配置されたリビングテラス。
開閉式の縦ルーバーからの光や風が、テラスの中に入り込んで、上部の菜園テラスまでつながっていきます。

アーチ状の庇をもつ玄関。

玄関と収納の構成。

細い路地をたどって到着する建物のエントランス。玄関の脇には果樹が植えられて、建物に表情をつくっています。2階のリビングテラスには開閉式の縦ルーバーが設けられて、風や光を建物の中に取り込みます。

このプロジェクト事例を手掛けた建築家

岩橋 翼

建築家 / @大阪府

デザインは、ものが出来た時点ではなく、使い始めて完成に向かうのが理想だと考えています。使い手が自分の感覚で使い始めて、どのような形でデザインの完成に向かうか…。それは、我々デザインをするものから、ある種自立していくことになるわけですが、そこに、面白さのひとつがあると感じています。 われわれ生き物と同じく歳を重ね、深みを増していくことが、ものの理想の姿だと、使い手の10年先の世界を見ながら、デザインすることを心がけています。 状況は刻々と移り変わって、生き物の様に形を変化させていきながら、豊かになっていく空間を、共につくっていきたいと考えています。

岩橋 翼

建築家 / @大阪府

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