二世帯住宅

『景色と共に生きる家』〜シンボルツリーが家族をつなぐ二世帯住宅〜

面積:

283㎡

エリア:

兵庫県

内容:

山のふもとの緩やかな傾斜地に建つ二世帯住宅。この住宅が、古くからある集落、背後にそびえる山々等の景色の中にこの住宅とが溶け込み、これらの景色をどのような形で住宅に導き入れるかを考えながら設計しました。
都会でマンション生活をされていた建主からは、自然を感じられる家、親世帯との繋がり、子供の帰省時の部屋の確保、仕切りの無い広々としたリビングダイニング、ゆったりできる浴室などの要望がありました。特に家事動線については、主婦の視点に立った細やかな要望があり、キッチン・家事室・水廻りとの連動性を高めたプランニングが求められました。
プランは、親世帯の西棟と子世帯の東棟からなるコの字型プランとし、2棟の間に中庭を配置しています。世帯間のライフスタイルや生活時間帯の違いを考慮し、適度な距離感をつくりながら、家族の繋がりを意識できる場として、中庭を設けました。東棟のダイニングの吹抜には、北面にハイサイドライトを設け、背景の山々を室内に取り込むことで、広がりのある空間を作り出してます。この山々は、吹抜を介して2階の寝室からも眺めることができます。浴室には大きな開口を設け、廊下を介して中庭へと視覚的に繋がっていきます。内と外で常に自然を感じながら、山々に見守られるようにこの建物は建っています。
またこの住宅は外断熱を採用し、日当たりの良い南面には大きな開口部を設け、冬場は太陽の光を取り込んで家を暖め、夏場はベランダと深い軒先により、日光を和らげ、涼しい風を取込むことで省エネルギー化を図っています。 外部の仕上は、周辺の風景になじむように、漆喰や杉板などを使用し、内部の仕上は無垢の木材や調湿作用がある霧島壁など自然素材を積極的に使用することで、環境・人に優しい住宅を目指しています。

浴室は中庭に開放することが出来る。

ダイニング吹き抜けハイサイドライトから遠方の山々が望める。

古田 充

依頼者である建主さんが設計者に設計を依頼する行為は、設計者の資質や職能・人格を信頼して財産を託す信用行為であると考えています。一般的に、多くの人は住まいを立てる機会が、一生に何度もあることではありません。 それ故に長く住み続ける家・一生に一度の家を満足するものに作り上げるには、住まい手である依頼者とじっくり話をしながら、 その結果を案に反映させていく…、この作業の繰り返しが重要であると考えています。 住まい手との打合せを通じ、小さなイメージ、話の断片を紡いでいくことで、 その住まい手が持つ家のイメージを形にしていきます。 住まい手が満足する家のあるべき姿を探るため、私たちはその作業を惜しみません。 設計に時間をかけ、一生に一度のその住まい手だけの家を作りあげる。 それが私たちの仕事であり、わたしたちの家づくりと考えます。