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設計、施工、プロデュース・コーディネートを担当
自宅で料理教室や食事会を開催する「てとてと TETOTETO」というユニットで活動しているご夫妻。趣味が高じて料理教室やホームパーティーを開き、日毎訪れるゲストをおもてなす場としての機能を満たす住まいをつくります。
バイタリティ溢れるおふたりの希望条件ははっきりとしていました。趣味が高じて仕事に昇華された料理教室ができること。多くの人を招きホームパーティーができること。料理を引き立てる器や食器をいつでも愛でることができる収納形態とすること。設備機器や建材など素材には妥協をしないこと…自己表現としての場の性格がつよくなることは必然的でした。
プライベートスペースとおもてなし空間との一直線に明確な境界分けをしており、安心感があります。奥行き17.5mにも及ぶおもてなしの場は、日ごと訪れるゲストの憩いの場として運営されています。専用庭には着脱可能なウッドデッキを設置して、室内だけにとどまらない空間的奥行きを生み出しています。それに比例するように、住居、社交場、料理教室、イベントスペースなど多種多様な場づくりを可能とすることを目指しています。
家について雑誌などを見てかなり考えを深めていたつもりだったが、全く想像していなかった提案を受けて驚愕した。結果として本当に依頼して良かったと思っている。
テーマは「人を招くおもてなしの空間」です。これを分解して考えると、ひとつめが人を招くこと。人が頻繁にきてくれる立地や環境、最寄りの駅から歩く距離など不動産的目線での整理が必要になります。もうひとつが、おもてなしの空間であること。第三者が快適に過ごすという視点を基にした建築的な整理が試されます。具体的には、大勢の方が共存しても快適な広さの定義、プライベートパブリックの分離方法、屋外空間の活用術などが考えられます。このふたつの目線双方を満たす不動産選び、併せて空間の料理人である設計士の提案が提案の肝でした。
この場を手に入れた二人は、超スピードで事業を拡大していき、2年後には法人化してしまいました。想いを最大限発揮できる環境があるとこうも人は健やかに活動できるのかと驚きました。
LDK兼おもてなしの場。料理教室も行うキッチンがとにかく生活の中心。オリジナルキッチンで壁面収納と素材も揃っている。
LDKは奥行きがテラスも合わせると17.5mもある。これだけの空間が取れればホームパーティーを行なっても圧迫感はない。右手の壁の奥は全てプライベートスペース。
キッチンと一体で製作されたダイニングテーブル。一度に多くの人が食卓を囲める計画に。意匠も統一性がある。
キッチンはオリジナル。家具造作工事で製作した。食洗機やオーブン、コンロは全て海外製。天板を大きくして、カウンターとして食事もできる。
玄関を入るとすぐにメインスペースに。開放的であり、多目的に利用できるスペース。壁面収納の一部にはベンチを設けていて、ちょっとした寛ぎの場になっている。
リビングスペースも他スペースと隔たりなく計画。ここにもベンチが設置してあります。造作収納の一部はガラス扉として収集している器や陶器をディスプレイできるようになっている。
寝室を含め住居内の半分はプライベートスペース。扉は存在感を消すデザインとし、閉めているとそこに扉があるとは思えない。
納戸は壁一面に可動棚を設置。着脱可能なので物の量や大きさによって自由にカスタムできる。
WICは納戸と並んで配置。夫婦平等に分けられている。
洗面脱衣室は広い。奥に見えるのは、工業製品パーツや木材でデザインした物干し竿。室内に馴染むよう計画している。
プライベートとLDKを隔てる壁は有孔ボードを利用。その穴を利用してものをディスプレイできるようにしている。このディスプレイスペースを利用して個展を開いたりもしている。
洗面室には猫のトイレもあるため、扉の下にはキャットスルーの穴ポコが。出てくるところに遭遇すると可愛すぎる。
造作した壁面収納は目視できる棚の厚みを全て1センチ以下に統一している。素材はラワン材で下地に使用されるようなラフなものだが、デザインが華奢であるため洗練されている。
木材×コンクリート
スイッチプレートにはオーディオアンプのパーツを利用。空間のスパイスに。