その他

cafe634(東銀座)

種別:

その他

実施エリア:

東京都中央区東銀座

実施時期:

2013年

延床面積:

165平米

築年数:

0年

内容:

歌舞伎座の裏手は歴史ある小さな飲食店や画廊、お弁当屋など下町風情を残した魅力的なエリアです。この一画に隠れ家のようにカフェムサシは建っています。以前はもともと印刷所だったビルの1階で一汁三菜を基本とした家庭的なランチを働く人のために提供してきました。女性客にとても人気があり、口コミや雑誌の評判もよいお店です。今回、ビルの老朽化に伴い全体をカフェダイニングに建て替え「cafe634」としてリニューアルしました。男性客にももっと気軽に来て欲しいという思いから以前のかわいらしさから白、黒、グレーをバランスよく組み合わせ、あたたかみのある照明でスタイリッシュにまとめています。一番の要望だった「吹き抜けのあるダイニング」は天井高さ最大5.6m。外観からは伺え知れない開放感があり、訪れるお客様は驚きと高揚感に包まれ、ほっと一息つくことができます。
規模で言えば事務室含め50坪。除けば住宅の規模で、都市型住宅のようなつくりでもあります。誰にでも潜在的に欲する隠れ家的な居場所は飲食店でも住宅でもどこか相通じるものがあるように思います。
提供される食事、コーヒーはすべて厳選された素材でつくられており、建物はこの食事と人が引き立つように、素材同士のぶつかり合いを正直に見せ、背景としての建築空間となるように綿密に計画し実現しました。正直に見せるというのは膨大な隠れた手間に支えられており、当たり前であるかのように見せることに注力した建築です。
お近くにお越しの際にはどうぞ食事と空間をお楽しみください。

建物概要
用途:飲食店(カフェダイニング)
座席数:5席(1Fカフェ)+18席(2Fダイニング)
従業員:4名~5名
敷地面積:85.06㎡(25.73坪)
建築面積:66.8㎡(20.21坪)
延床面積:165.5㎡(50.06坪)
構造:鉄骨造(ラーメン構造)
基礎:ベタ基礎(基礎断熱)
杭:羽根付鋼管杭(GL-4.5m)
階数:地上3階
標準設備:業務用エアコン(天カセ)|業務用厨房機器|ダムウェーター|ガス給湯器
照明器具:遠藤照明|東芝ライテック|Panasonic電工|後藤照明|施主支給品(作家品)
衛生機器:TOTO|サンワカンパニー|その他輸入品・施主支給品
撮影:布施貴彦|前見文徳

cafe634ホームページ
http://www.cafe634.net/

cafe634 Fecebook
https://www.facebook.com/pages/Cafe634/242848515838183

japan-architects.comによる紹介記事
http://world-architects.blogspot.jp/2014/02/fuminori-maemi-cafe634.html

台湾の建築サイト「緑・建築家」による紹介記事
http://www.searchouse.net/op/arch?bid=877

イタリアのデザインサイト「designboom」による紹介記事
http://www.designboom.com/architecture/fuminori-maemi-architect-office-cafe634-tokyo-03-26-2014/

アメリカのデザインサイト「Architizer」による紹介記事
http://architizer.com/projects/cafe634/

マガジンハウス出版「Hanako No.1061」 2014.4.10
『銀座・東京駅・日本橋』特集にて紹介

ブルックリン、東京を拠点としたデザイン紹介サイト「spoon&tamago」による紹介記事
https://www.facebook.com/pages/Cafe634/242848515838183

その他cafe634行ってきた!ブログ多数紹介されています。

Tumblrで工事の特設ブログを公開しています。
「Memorandum about a certain cafe」
https://www.facebook.com/pages/Cafe634/242848515838183

cafe634|ダイニング6

JAZZ LIVE終了後の楽器と空間。
コントラバスの背板に映る流れる光。
cafe634ではこのようなライブや写真家の個展などのイベントもやっています。
家のリビングのような気持ちでダイニングを考えました。
逆に家のリビングも家全体の中ではパブリックスペースなので、様々な人・物・事を受け入れられる器になるよう気をつけています。

cafe634|外観

建物は三方建物に囲まれ、4.5mの間口が北側に接道している。東面手前はコインパーキングのため将来建物が建つかもしれないが、今ある環境を積極的に活かそうと、建替え前はなかった開口を設け午前中の光を取り込んだ。外壁はコストバランス、施工性からALCパネルを採用。ただし、三方は塗装品とし、ファサードのみ塗装工程を加え白く際立つように塗り込めた。また、張り方を縦と横を組み合わせ、奥行きに対しては垂直性を、沿道に対しては水平性を与え、全体として単調にならないように調整している。

cafe634|1Fカフェスペース1

広いとはいえないエントランスから入ると、想像以上の奥行き。緩やかな階段は小屋裏に入り込むような期待感をもたせた。

cafe634|エントランス2

桜のベンチのあるポーチで契約農家からの野菜販売やコーヒーを出すなど、沿道へのコミュニケーションも行われている。店内は禁煙。

cafe634|階段

モルタルの段板で仕上げた鉄骨階段。緩やかな勾配で2階に誘う。

cafe634|ダイニング2

一人あたりの客席面積は2.3㎡と高級レストラン(1.5㎡)の基準よりも広く取られている。椅子、テーブルは沖縄県読谷村の家具屋によるオーダーメイドで樹種はメラピー。床は合成スラブデッキコンクリートに合金骨材配合散布型耐久床仕上げ材を混入。汚れにくく清掃しやすい。
天井はデッキプレート表しで、設備機器・各種配管は職人と合理的で綺麗なルートを綿密に打ち合わせ決定している。
白い柱は、梁と同じロックウールで耐火被覆すれば事足りるが、太くなり客席空間がわずかに削られ圧迫感がでてしまう。わずかなロスを減らすために耐火塗料で仕上げ、ただの鉄骨柱のように見せている。見た目ではわからない手間を要所要所に散りばめた。

cafe634|ダイニング5

照明はテーブルを照らす器具をレトロモダンでまとめ、全般照明は見た目の良い施設照明をバランスよく配置。

cafe634|ダイニング4

飲食店でもあり、ギャラリーにもなり、ライブ会場にもなり、ワークショップスペースにもなる。実際、そのような試みがされている。長期的な利便性の幅を想定しつつ、作り込み過ぎない空間を目指した。多目的を想定し過ぎて凡庸さが強まるようなことを避け、見たことがあるようで新鮮味のある、記憶に残る居心地の良さを獲得するために壁面の広さや高さ、家具と空間の緊張感など多岐に渡って意識的にコントロールしている。
家も同じように長期的利便性を想定して住宅以上の価値を高められるように計画すると柔軟て活力のある生活空間をつくることができる。

cafe634|ダイニング3

階段を上ると厨房、配膳カウンター、吹き抜けに面して事務室兼多目的スペース。調理するオーナーとお客さんの距離が縮まる場所として動線上に位置している。顔が見える、コミュニケーションがとれるキッチンに応えた。

cafe634|手洗所

手洗いスペース。施主支給の真鍮枠の鏡にあわせるようにレトロモダンの照明器具や真鍮製の水栓金物を設え、サペリのカウンターに白のオーバーカウンターでまとめている。