注文住宅

スプリットハウス

実施エリア:

東京都

実施時期:

2014.10

内容:

この住宅は、1階と2階を切り離し、間に360°開口部の中間層を設けた建築である。
敷地は東京某所、木造住宅が密集する地域の旗竿敷地。採光とプライバシーの両立が極めて困難な状況を打開し、明るく広がりのある空間を獲得するため、この構成を採用した。
1階はキッチン・ダイニング・ソファスペース・共用書斎・和室など、共用の用途を集めた広々とした空間、2階は収納のない小さな個室と、動線を兼ねた納戸による空間である。個室を最小化し、ベッド以外のすべての用途を共用化することで、個室の利用者を入れ替えやすくし、家族構成の変化に柔軟に対応出来る冗長性を与えた。
構造壁が一切なくなった中間層には、複数のブレースを設けることで、水平力に対応した。結果的に、広々とした1階は枝のようなブレース混じりの構造から光が降り注ぎ、小さな空間が連続する2階は小さな部屋の中に柱が貫く、全体として森のような建築となった。
1階と2階を切り離すことだけを目的にするならば、柱もブレースも無い方が純粋だ。しかし今回は、あえて木造の構造体を見せることで、広いリビングにヒューマンスケールを与え、構造材・素材として木の存在感を味わうことができる空間を作り出した。抽象的な空間構成のみを建築化するのではなく、即物的なモノの存在感を、空間構成に統合する試みである。

Category: Private House
Staff:Ishikawa Ota
Photographer: Masao Nishikawa

成瀬友梨/猪熊純

私たちは、「人が楽しく集まる」ことのできる設計を、大切にしています。家族か心地よく集い、あるいは思い思いに過ごすことのできる、居心地の良いおおらかな空間を作ることを心掛けています。 こうした考え方に共感し、最近ではシェアハウス、イノベーションセンター、コミュニティカフェなど、これまであまり無かった、新しい考え方によって人が集まる施設も設計するようになりましたが、その根本にあるのは、家の原点である住宅です。