注文住宅

開放的、引戸を多用した木の家/川沿いの家

費用:

2000万円

築年数:

2004年

エリア:

埼玉県さいたま市

内容:

・月刊ニューハウス「1000万円台で家を建てる!」(2014.07)
さいたま市の東浦和駅から歩いて10分ほどの芝川沿いの敷地での、4人家族の家づくりです。周辺はかなり空いていて将来的にも周りが密集してくることを予想しなくても良い土地でした。
密集した住宅地ではないので外にも内にも開放的であることを心がけました。シックなグレイッシュブラウンの外壁に、薄く軽い一枚屋根が片流れでひらっと乗っているといった感じです。屋根は、薄いといっても38ミリの杉板の上に外断熱を施し、その上に通気層をとっています。夏場に片流れの低い方(空気取り入れ側)と高い方(空気排出側)に手をあててみると、取り入れ側そんなに熱くないのに、排出側はかなり熱く、通気層の効果を実感しました。
建て主さんはフレキシブルで合理的、かつ開放的なプランに納得をしてくれて、杉のむく板の、床、天井と白い壁(今回は漆喰はコスト上使えず、ルナファーザー貼り)という内部の雰囲気も、武蔵浦和の見学会で簡潔な気持ちよさを確認してもらい、選択しました。基本的に自然素材の家です。
建て主さんはあまり建築のパーツにこだわる方ではありませんでしたが、ぜひ採用したいとおっしゃたのは、玄関の格子戸と和室の半畳畳でした。

家としてのプライベートな仕切りは当然持ち合わせながら、川沿いの開放的に自然環境を家にたくさん取りこんで頂く為に、引き戸を多用し、吹抜けに重要な役割を持たせたこの家。2階に上がった時に見渡せる川辺の風景。2階へ上がった時の大切な棲家の個性です。

吹き抜け部分のリビング・ダイニングから和室を見ています。風と光を届けるリビングの吹き抜けは、飾りではなく家族の集まるリビングをこの家の中心性を高めています。反対方向の風景と表情を変えて、大きな白い壁の面がタテの垂直性を感じさせ、その分和室の静かな佇まいを引き出しています。

空間は間取りだけで考えるばかりではありません。キッチンから食堂、そして書斎コーナーまで大きく繋がりのあるテーブルからデスク。そして書棚。気に入った色や素材のデザイン家具を買い選んで空間を整える楽しさの一方には、こうした形状によって空間を繋げる考えもあります。
視覚的な空間と、手に触れながら繋いでくれる役割を家具が補うことで五感を使って感じる空間は中々写真からでは理解し難いかもしれません。

玄関って中々余裕をもって設けることは出来ませんが、ちょっと玄関先で応対したい事があるとすっきりした土間で・・・という気持ちもはたらくモノです。ちょっと衝立みたいのがあるといいなと思った、そんな仕掛けです。引戸を多用した家のコンセプトに合った工夫のひとつです。

風が抜け、陽ざしが充分に入る空間。ひらりと乗った屋根は夏と冬の陽の入りを調整する為に軒の出が深く取られています。

空間は間取りだけで考えるばかりではありません。キッチンから食堂、そして書斎コーナーまで大きく繋がりのあるテーブルからデスク。そして書棚。気に入った色や素材のデザイン家具を買い選んで空間を整える楽しさの一方には、こうした形状によって空間を繋げる考えもあります。
視覚的な空間と、手に触れながら繋いでくれる役割を家具が補うことで五感を使って感じる空間は中々写真からでは理解し難いかもしれません。

2階多目的スペースへとつながる吹抜部分から見た和室。引戸を閉じれば落ち着きのある和室となりつつも、この家の要、吹き抜け空間の繋がりは心理的に大きな空間を感じます。

吹き抜け部分のリビング・ダイニングから書斎コーナー。風通しの良い敷地環境で、さまざまな空間、住まいの中に風を渡らせる為にも吹き抜けは飾りではなく要の機能的空間となっています。

この住宅事例を手掛けた建築家

森 大樹/小埜勝久

建築家 / @埼玉県

●住んで戴きたい家の為に・・・  環境に優しい家、住まい手に優しい家とはどの様なものでしょう?人類の家づくりの歴史は、現代のような設備機械の無い時代が長く、基本的な性能を高めることの工夫の歴史でした。我が国では屋根の深さ、断熱材と耐火の役割を持った左官壁、季節に応じて使い分ける建具の多様性に至る歴史に他なりません。左官壁は今や断熱材に置き換えられる様になりましたが、建築は最も信頼のおける基本性能の寿命の分だけ、環境に適応してきました。そうとは言え、設備に頼らないわけにも行きません。それなら私達は先ず、古来の建築の建て方に学び、まず基本性能を充実させる事を考えましょう。半端な建築では設備機器に負担をかけ、設置費用の分を取り戻すかそれ以前に、それらの省エネ設備の寿命は尽き、次の世代に資産価値として残すにも残念な結果を招いてしまいます。それにも関わらず、環境に優しいという建築は、設備機器だけが関心事となっているようでは本末転倒です。設備機器の設置は後でも可能ですし、これからも値は下がりますが、建築工事は後になるほど高くつきます。敷地の余裕が許す限り、屋根をしっかりかけ、断熱性能をしっかりあげ、機械に頼らない、エネルギー消費に頼らない住宅を作りましょう。 【 これからの建築は、燃費も考えて住んで欲しいと思います。そして、いつまでも価値のある住まいで健康に生活してもらえる家をこれからも提案したいと思います。】

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