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・建築ジャーナル「埼玉の建築家とつくる家」(2012.01)
・ナイスリフォーム「サステイナブルな家」(2010.06)
東南の角地の敷地35.7坪に建つ、機能を集約的に集めた極めてシンプルでコンパクトな家です。
基本的には、夫婦2人が1階ですべての生活をスムーズに行えるように、開放的な空間を用意し、1階の中で回遊できるふたつの動線を取り入れています。 ひとつはキッチン→リビング・ダイニング→WC→洗面脱衣室→キッチン。もうひとつはキッチン→納戸→畳スペース→リビング・ダイニング→キッチン。この回遊動線は将来的に介護が発生した時に必要なフレキシビリティーにも対応しています。 2階には、必要ならば建具を取り払ってワンルームにできる2部屋を設けていて、今後の家族構成の変化及び来客にも対応できるプランとなっています。 埼玉県産材の家です。ただし床のカラマツのむく板は岩手県産です。インテリアの素材は、撥水加工の和紙、ケイソウ漆喰、杉のむく板、カラマツのむく板といった自然素材です。外部も杉板、左官仕上げと手仕事が現れる仕上げとなっています。
お手洗いの戸はあって当たり前かも知れませんが、枠の存在感を控えめに、そして天井までの高さを持たせると、手前の洗面洗濯室との一体感で広く見えるものです。間取り図が出来ても、図面からこうした空間を実現する為に、建築家たちの工夫がたくさん注ぎ込まれるものなのです。
道路境界には塀を立てず、オープンな内部と同様に、住まい手の気持ちが町並みにあふれています。植栽はさりげく適量にして、訪れてくれる方を控えめにお迎えする程度に。
書斎も様々なタイプを作りましたが、オープンな空間の中に書物たちが果たす役割を感じさせてくれるタイプもいいと思います。
2階の2室。画像は引き戸を取り外した状態です。床はカラマツ、壁、天井は玉紙。
建具によって空間は自由に仕切りながら、置き畳を自由に設置、取り払い様々なシーンを作ることが出来る自由な空間です。
1階は杉板仕上げ、2階は左官仕上げ。徹底的に屋根を薄くしてシャ-プにコンパクトにシンプルにまとめました。左端は雨水をため利用する為の雨水タンク。
書斎コーナーから畳スペース側を見たところ。畳スペースとリビングダイニングの間の引き戸は、ダイニング部の白い書架の後ろにすべて引き込まれ、ワンルーム化されます。建具が消えてこそ、本当に大きな空間としての存在感を作り出せます。建具の使い方も私達が得意とするところです。
畳スペースを納戸側から見る。納戸入り口と畳スペースを緩やかに仕切る竹の竪格子。シンプルでありながら、和としての雰囲気を失わない落ち着きと優しさを残してデザインをしています。
玄関。右側の棚+簡易ベンチ+手すりは靴の履き脱ぎの時に使われるものですが、リズミカルにお出かけ時も帰宅時も、すこし楽しげな気持ちにさせる玄関になっています。
仕切らず広々と光を届ける1階空間。機能はコーナーでローコスト
リビング・ダイニングの一部は書斎コーナーとなっている。書斎コーナー机の脇にスロープから連続している副玄関としての土間がある。床はカラマツのむく板、壁はけいそうしっくい、天井は下屋下部分は垂木現しの杉むく板貼り。
リビング・ダイニングからキッチン側を見る。ダイニング、キッチン部分天井はけいそうしっくい。1階建具はすべて引き戸。
南側外観。簡潔な切妻と下屋との構成です。1階は大きく開いた開口部に車椅子利用も可能なスロープが取り付いて、ご近所の人がダイレクトにリビング・ダイニングにアプローチできるようになっています。屋根は薄くシンプルに。道路境界には塀を立てず、オープンな内部と同様に、住まい手の気持ちが町並みにあふれています。