注文住宅

生成りのビルトインガレージハウス

費用:

2000万円

築年数:

2007年

内容:

作品解説:
・月刊EDGE 「エッジな空間」('10.03)
・別冊 新しい住まいの設計「MY HOME100選30代からの“楽しい家づくり”大作戦!」('08.03)
・ 新しい住まいの設計「車と暮らす家」('06.01)
・GarageLife vol.22('05.01)

第1種低層住居専用地域内にある閑静な住宅街の敷地約42.5坪に建ち、夫婦とまだ小さいお子様2人という家族のためのインナーガレージハウスです。
外部はガルバリウム鋼板角波によるモダンなテイストと、ホワイトクリーム色のモルタル金鏝塗りと切妻屋根による和のテイストを組み合わせました。内部はご主人の愛車を納め室内からも眺める事ができるインナーガレ-ジと、長年コレクションしてきたミニチュアカーを室内導入部の玄関脇に飾るためにガラス戸の棚を設置しました。(ちなみに北面ファサードの丸窓2つのアイデアは愛車の特徴から引用しています。)
開口部を極力抑えた内包的な空間という施主の要望に対し、内部はコストコントロールのために梁や構造用合板を現わしにしていますが、質実で素直な表情となっています。少ない窓で通風を確保しつつ、トップライトのポリカーボネート複層板から降り注ぐ大量の光が、室内全体にやわらかい生成りの生活空間を演出しています。
2階は室とブリッジの間に嵌め殺しガラスの欄間を設け、引き戸を閉めても気配や光を家族で共有することができます。

トップライトに照らされた2階ブリッジ。建て主さんの嗜好性から外に開かない構成をとっているために、少ない窓で通風を確保しつつ、屋根から降り注ぐ大量の光で、室内全体の生成りの生活空間の演出をしています。

吹抜部分、屋根面トップライトを見上げています。建て主さんの嗜好性から外に開かない構成をとっているために、少ない窓で通風を確保しつつ、屋根から降り注ぐ大量の光で、室内全体の生成りの生活空間の演出をしています。

ファサードの丸窓2つのアイデアは、愛車の特徴から引用しています。

ビルトインガレージの大開口と連続しているようにこの玄関はあります。すっきりと、いやすっきりとし過ぎたデザインかも知れませんが、ここからは住む人が自由にその生活の息吹を入れ込むことが出来るデザインです。この先も建て主と建築家の出会いがこの家の成長と共に継続してゆくこと。そんなモノではないデザインのカタチが見えてくるでしょうか?

車と暮らす家シリーズを振り返ると、当然と言えば当然ですが、車種によってデザインが違いますけれども、それは必ずしも車が違うから?って事ではなく、やはりその車が好きな人ならではの生き方の価値観から個性が生まれてくるのが興味深いものです。
それじゃあ建築をデザインする人の個性なんて関係ないみたいな話しをしている様ですが、そのあたりが平成となった頃までの、本来の建築家の姿勢として一番伝わりづらくも大切なところだったのですが・・・。そんなお話しは何かの折に。
それにしても、その内燃費の良い車の時代ですから、そんな住まいの要望があるものと信じていますが、まだまだホンモノの省エネルギーを考えた住まいは少ないものです。

外部から見た画像でも解説した、閉じていながら決して閉鎖的ではない囲みの方法。左手にキッチン。建て主さんの嗜好性から外に開かない構成をとっているために、屋根からのトップライトにより光が室内に満ちています。そして写真の右側の壁の上下にあいた開口によって、視覚的には遮られながらも、外部を感じ、まるで室内側も外部かのように感じてしまうのは、あの庭を囲んでいた板塀のように見えるからでしょうか・・・。ここは敷地の庭に面した部分ですので、遊びに誘う小学生が下から覗くことは無いとは思いますが。

リビングの庭に接している部分の外部から撮影したものです。こうした窓のあけ方で、プライバシーを保ちながら、開放感を如何に確保できるか?そんな内部からの画像はまた別のものでご説明します。

インナーガレージのイメージって、ハードなデザインの多いのですが、車種によってはこんな雰囲気もアリ!だと思います。

シンプルな切妻屋根の家です。外壁下部は断熱材裏打ちカラーガルバリウム鋼板、上部は吹き付け仕上げ。

このプロジェクト事例を手掛けた建築家

森 大樹/小埜勝久

建築家 / @埼玉県

●住んで戴きたい家の為に・・・  環境に優しい家、住まい手に優しい家とはどの様なものでしょう?人類の家づくりの歴史は、現代のような設備機械の無い時代が長く、基本的な性能を高めることの工夫の歴史でした。我が国では屋根の深さ、断熱材と耐火の役割を持った左官壁、季節に応じて使い分ける建具の多様性に至る歴史に他なりません。左官壁は今や断熱材に置き換えられる様になりましたが、建築は最も信頼のおける基本性能の寿命の分だけ、環境に適応してきました。そうとは言え、設備に頼らないわけにも行きません。それなら私達は先ず、古来の建築の建て方に学び、まず基本性能を充実させる事を考えましょう。半端な建築では設備機器に負担をかけ、設置費用の分を取り戻すかそれ以前に、それらの省エネ設備の寿命は尽き、次の世代に資産価値として残すにも残念な結果を招いてしまいます。それにも関わらず、環境に優しいという建築は、設備機器だけが関心事となっているようでは本末転倒です。設備機器の設置は後でも可能ですし、これからも値は下がりますが、建築工事は後になるほど高くつきます。敷地の余裕が許す限り、屋根をしっかりかけ、断熱性能をしっかりあげ、機械に頼らない、エネルギー消費に頼らない住宅を作りましょう。 【 これからの建築は、燃費も考えて住んで欲しいと思います。そして、いつまでも価値のある住まいで健康に生活してもらえる家をこれからも提案したいと思います。】

森 大樹/小埜勝久

建築家 / @埼玉県

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