注文住宅

10mの家

面積:

82㎡

築年数:

2年

エリア:

東京都

実施時期:

2013.7~2015.2

内容:

都心部の住宅では敷地の有効利用のため、3階建てになることが多くあります。また、都心部ではほとんどの地域が準防火地域か防火地域です。準防火地域内で木造が可能なときでも、火災の影響をおさえるためにその構造体は強化石膏ボードで覆われ、木造の「木」は全くみえなくなるのが普通の建て方です。おなじ木造でも柱や梁が印象的な昔の民家とは全く別の質感の建物です。
ここでは防火という都市的な要望も満たしながら木構造のよさも感じられる、新しい3階建て木造住宅を考えました。木構造の梁や筋交いは、木がある一定の深さまで炭化するとそれ以上は燃えない性質を利用した「燃え代設計」を利用し、石膏ボードでの被覆をなくして、木のまま見せています。一定間隔で並ぶ梁や筋交いがそのまま見えることで、「木」でつくられた家であることをしっかりと感じられるようになりました。
また、通常、木造3階建てですとかなりの量の構造壁が室内に出てきますが、ここでは、ボードでふさがれた壁ではなく奥が見通せる筋交いで建物を支えるように計画しました。結果、敷地形状を利用したた奥行きのある内部空間が、たとえば、リビング~筋交い~階段~筋交い~キッチンのように、階全体の奥行きが連なって感じられる空間、階の長さを楽しめる空間ができました。

天井高さのある玄関です。右手の引き戸の先に、外の物や靴をしまう納戸があります。納戸の上部はロフトになっており、見た目も収納量も妥協していません。

玄関の天井の高さを活かして自転車が収納されています。

1階玄関をはいるとすぐが書斎です。
ガスの暖炉があたたかく迎え入れてくれます。実際、火力も強く、1階で暖炉を付けていると階段を通じて2階まで暖まってきます。
天井は低めの落ち着いた部屋です。

1階の書斎から玄関を見ています。
2階リビング・ダイニングの雰囲気も階段越しに伝わってきます。

2階のキッチンから階段越しにリビング・ダイニングをみています。キッチンとは、気配は十分に感じるけれど丸見えではない、いい距離感があります。
3階床を支える梁をそのまま見せています。普通に設計すると、木造3階建て準耐火建築物、ということで、梁は石膏ボードの天井裏に納めなくてはなりませんが、一定のところまで燃え進んでも崩れ落ちないよう実際に必要な断面寸法に燃え代分を足した大きさの梁にすることで、室内にあらわせます。

2階のリビング・ダイニングです。正面は北側ですが、広めの前面道路に面しているので、あえて大きくFIX窓をとりました。やさしい光を感じられます。また、東側の窓からは、隣の建物が少しセットバックして建っているため、前面道路の先のほうまで視界が開けて見えます。

キッチンは構造用合板で箱部分を作り、人工大理石のトップとしました。南からの光が入り、明るいキッチンです。流しから振り返ったところに、レシピがすぐに見れるよう、コンピューターが置ける小さなテーブルを作り付けました。

3階の洗面・浴室には、階段上のトップライトからたくさんの自然光が入ってきます。

3階の階段からダイニングをみた写真です。
木造の建物ですが、内部をすっきり広がりのある空間にするため、階段は華奢につくれる鉄骨にしています。鉄骨のシャープな白色と2階床の濃いグレー色が、空間を落ち着いた雰囲気にしています。

石井井上建築事務所

東京小石川で都市型住宅を中心に設計をしています。 都市部で住宅を建てるには、コンパクトな敷地、防火地域、など都市部ならではのむずかしさがあります。私たちは、都市部での新築戸建てを多く設計した経験を活かして、「都市部に自分らしい家を持ちたい!」というお気持ちに答えます。木造はもとより、鉄骨造、RC造にも精通しており、物件ごとに最適な構造形式で設計します。 キッチンや洗面カウンターなども私たちがデザインします。見た目も使い勝手も納得のいく、こだわりの空間作りを体験しませんか。

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