2018/08/19更新2like3628view

著者:Haruka Yamasaki

「ここがわたしの本当の居場所」そう思えた山のある暮らし。

東京暮らしに憧れて、18の時から地元を離れて都会での生活を始めた。

わたしの故郷は、山に囲まれた小さな町。

のどかで平和で、なんにもなかった。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

大きく違う都会と田舎の暮らし

憧れの生活は、楽しくて楽しくて。
大学に通ううちに、友達もたくさんできて。
お気に入りのカフェや服屋さんもできて。

都会に夢中なわたしは、あまり里帰りをしなかった。
家族から電話で「親不孝もの」と、冗談交じりに嫌味を言われても。
それでも帰りたいとは思わなかった。

月日は流れ、楽しい学生時代は終わり、会社員に。
毎日の満員電車、デスクワーク、会社での人間関係…。

あんなに好きだった賑やかな街。
たくさん人がいるのに、どこにも居場所がないような気がした。

あんなに退屈だった山に囲まれた暮らし。
今ではこんなにも恋しいなんて。

「今の自分」だからわかる、自然の美しさ

ある日、母から電話があった。

わたしの様子が気になったらしい。
心配かけまいと、何気ない会話を続けたわたし。
でも、心はもう限界で、話の途中でこらえきれずに泣いてしまった。

「帰っておいで」

涙がポロポロ止まらないわたしの耳に、母のあたたかい声が電話の向こうから届いた。

電話のあとしばらくして、わたしは山に囲まれた小さな町へと戻った。
「なんにもない」そう思っていた町。
でも、あの頃と違って、何もないとは思わなかった。

緑が茂り、たくさんの命を感じる。
そこには、心安らぐ景色があった。

「ああ、こんなにキレイな場所だったんだ」

「生きていける」と感じる場所

家の前で辺りを見渡していると、玄関からおばあちゃんがやってきた。

「おかえりぃ」

そうにっこりと笑い、優しく迎えてくれた。
次に母も来て、早く入ってお茶にしようと。

リビングへ行き、お茶と一緒に東京土産のお菓子をみんなで食べた。
なんだか心地がいい。
田舎に帰り、1ヶ月が経った。
わたしは、家から車で1時間以上もかかる小さな会社で働くことに。

朝は早いし、慣れない仕事が山積み。
でも、不思議とあの頃よりは心がずっと軽い。
毎朝、山を眺めて、家族と一緒にご飯を食べて、エネルギーをいっぱい蓄えてから会社に行っているからかもしれない。
仕事を終え、家路の途中。
山も町も茜色に染まり、夕日が静かに沈んでいく。

1日のなかで、この景色が一番好き。
今のわたしだからこそ、この土地の美しさがよくわかるような気がした。

すっかり辺りが暗くなり、家について玄関の扉を開けると、母のつくったカレーの香りが漂う。

そして、いつものようにおばあちゃんがにっこりと迎えてくれた。
「おかえりぃ」


「ただいま」


自室には、景色を楽しめる大きな窓。
木のぬくもりを感じる玄関。
和の情緒あふれるリビング。
山の風景に溶け込む、帰りたいと思える家…。
自分が「自分らしく」生きていける場所。
きっと、誰にでもそういう居場所があって、まだ見つけていない人もきっといるはずで。

ありのままの自分でいられるのは、山のある場所なのかもしれない。
お気に入りに追加

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

同じテーマのQ&A

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る