窓枠は普段注目することは少ないかもしれません。
それは新築住宅であろうが中古住宅であろうが、もう住み始める時からすでに付いているもので、家具などのように取り替えたりしないため、目が行きにくいのが理由かもしれません。
しかし、おしゃれな家をよく見てみると窓枠のデザインまでしっかり配慮されています。むしろ建築家などは、窓まわりの設計にこそ気を使っているので、いろいろな納め方があることが分かります。今回はそんな窓枠の役割などを少し説明したいと思います。
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窓枠の二つの役割
周囲の素材と合わせ一体感を持たせる
窓枠を目立たせてインテリアにする
窓枠を消す納め方も
窓枠の二つの役割
窓枠とは、建物の開口部に設けられた窓の周囲を囲む、レールなどを含めた部分のことを言います。窓はサッシを含めた様々なパーツで構成されており、これらをきれいに納めるのが窓枠の役割です。
窓の室内側には木製の部材が取り付けられていることがありますが、これは正式には「額縁」や「ケーシング」などと呼ばれます。しかし、一般的にこの額縁の部分も含め、”窓枠”と認識されていることも多いですので、今回は額縁までを窓枠と呼びたいと思います。
さて、窓枠の一つ目の役割は、先ほども触れたようにサッシをきれいに納めることです。サッシの断面はとても複雑で、雨仕舞や結露水の処理のために繊細な形状で構成されています。これを隠し、最終的に露出させる部分をきれいに見せてくれるのが窓枠であり、とても重要な役割を担っているのです。
そしてもう一つの役割は、装飾です。窓枠の色や形状を変えることで、クラシカルやナチュラルなどの室内を演出することができます。ここではその装飾的な意味を持つ窓枠の役割をご紹介していきたいと思います。
周囲の素材と合わせ一体感を持たせる
床、天井など同じく、窓枠にも木枠が使われています。外の景観の素晴らしさを窓枠が切り取って、まるで一枚の絵のように見えます。このような絵画のような窓のことを「ピクチャーウィンドウ」と呼びますが、額縁の役割を木枠が担っているということです。窓を魅せる空間にするため、周囲の素材と違和感なく溶け込ませることが、窓枠の役目となる場合もあるのです。
窓枠を目立たせてインテリアにする
一方こちらは、窓枠(室内窓)を目立たせ設置している例です。黒い窓枠は、どこか無骨で工業的。部屋にスパイスを効かせてくれます。
こちらも間仕切り壁に開口を設けています。窓枠やドア枠の優しい木の色が落ち着きを与えてくれます。このように間仕切り壁に窓を設置すると、空間が間延びしないうえに閉塞感の解消にもなります。
窓枠を消す納め方も
これは窓枠の役割としては番外編と言えるかも知れませんが、可能な限り窓枠をはじめとしたサッシ回りの「線」を消すという方法もあります。景観を生かすために、壁一面にガラスをはめ込みたい場合なども同じですね。こうすることで、より室外を近くに感じることができ、開放感が増すことは言うまでもありません。
機能面だけでなく、意匠面でも活躍してくれている窓枠。注目されることは少ないですが、実は重要な役目を果たしているんです。「窓辺」という言葉は、心地よく美しい風景を連想させますが、それに習って窓辺は窓枠を含め美しくしておきたいものです。