2022/12/01更新0like1450view

著者:岩間光佐子

ベランダとバルコニーの違いとは?有効活用するためのポイントを紹介

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家で過ごす時間が長くなる中、より快適に、居心地を高めるプランが注目されています。特に外とのつながりを持つベランダやバルコニーは、身近なスペースでしょう。最近では、もうひとつのリビング、子どもの遊び場などに使用することも増えてきています。ここでは、ベランダやバルコニーを有効活用するためのプランニングのポイントをご紹介します。

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屋外空間を活用することで、住まいの心地よさもアップする

ライフスタイル、働き方の変化などから、家で過ごす時間が増えているご家庭も多くみられます。自宅にいる時間が長くなることで、「わが家をもっと居心地よくしたい」「家族で楽しめるスペースが欲しい」と望む声も聞かれます。

快適に在宅ワークができるスペースや家族みんなで囲むダイニングスペースなども重要ですが、せっかく一戸建てを建てるのであれば、屋内だけでなく屋外空間を上手に取り込むことも快適に暮らすポイントのひとつ。在宅ワークの気分転換や子どもとのコミュニケーションの場としても活用できるのではないでしょうか。

一戸建て住宅の醍醐味としては、庭を有効利用することが挙げられますが、都市部などでは、ゆとりのある庭スペースを確保することが難しい場合もあるもの。また、最近では2階リビングの住まいも多くみられ、身近な屋外空間として、ベランダやバルコニーを積極的にプランニングするケースも増えてきているようです。

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ベランダとバルコニーはどこが違う?

ベランダとバルコニーでは何が異なるのでしょうか。まず、ベランダとは、外に張り出した屋根のあるスペースのこと。プランニングにもよりますが、雨の日でも過ごすことができたり、少しの雨であれば洗濯物を濡らさずに干しておくこともできます。

一方、バルコニーは屋根のないスペースのことで、開放的で外とのつながりを楽しむことが可能です。一戸建てのベランダやバルコニーは、造作としてプランニングされるケースもありますし、エクステリア建材として商品化されたタイプを設置することもあります。

ベランダやバルコニースペースの使い方として考えられるのは、まず洗濯物を干すスペースとして利用することかもしれません。しかし、最近では、このような実用的な使い方よりも、暮らしに豊かさを生み出すスペースとして、積極的に活用するケースも増えてきているようです。

たとえば、ガーデニングや読書といった趣味の空間、お茶を飲んだり食事するなどコミュニケーションの場とするケースも。また、最近では、気軽なアウトドア体験の場としてテントを張ったり、BBQをするなど、家族で楽しむ方もみられるようになりました。

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ベランダやバルコニープランのポイント

新しい住まいを検討する際には、家の中の間取りはじっくりと検討するものの、ベランダやバルコニーなどはあまり時間をかけないかもしれません。しかし、せっかく取り入れるのであれば、希望する使い方に適したプランとしたいものです。

使用する目的を明確にして間取り全体で検討する

ベランダやバルコニーを設ける際には、まず、設置する目的を明確にすること。くつろぎの場としたいのか、子どもの遊び場とするのか、もしくは洗濯物干し場としても利用したいのか。新しい家での暮らしをイメージして具体的な使い方や希望を設計者に伝えておきましょう。

もちろん、プランニングは住まい全体で検討することが基本です。使用目的に適した広さ、屋内空間からのつながりや動線などの検討を。食事をしたいのであれば、テーブルや椅子を置くことができるスペースの確保する必要がありますし、キッチンとの行き来もチェックしておきたいものです。子どもの遊び場であれば、見守りがしやすいか、子ども室とのつながりなども確認を。くつろぎのスペースとするのであれば、道路や隣家からの距離や視線、日当たりなども配慮したいものです。

安全性、防犯性も考慮する

幼いお子さんがいるご家庭の場合であれば、転落防止など安全面への配慮も大切です。手すりの高さや形状、床面の素材など、設計担当者に確認しておくこと。もちろん、日頃の暮らしの中でも、足掛かりとなるようなテーブルや椅子などはその都度片付けるなどの注意が必要です。

また、敷地の条件や周辺環境にもよりますが、防犯面も注意しておきたいものです。侵入者が上りにくいようなつくりとすることが基本ですが、不審者の隠れ場所とならないように、見通しのよい格子状の手すりとしたり、透過性のある面材パネルを選ぶのもひとつの方法です。人を感知するセンサー付きの照明を設置しておくのもいいでしょう。

プライバシーを配慮することも重要

ベランダやバルコニーで快適に過ごすためには、プライバシーも気をつけておきたいもの。近隣に配慮したプランニングとするとともに、周囲からの視線が気にならないようなつくりに。周辺環境によっては、手すり部分に視線を遮るデザインとしたり、目隠し機能を持つ面材を選んでも。スクリーンやシェードなどを取り入れてもいいでしょう。

居心地よさを高めるポイント

使い勝手を高め、快適なベランダやバルコニーとするためには、使い方に合わせたつくりはもちろん、必要なアイテムも取り入れたいものです。

室内空間とのつながりに注意して

室内とのつながりを十分に検討すること。お茶を飲んだり食事をするなど、もうひとつのくつろぎのリビングとして使いたいのであれば、室内空間と行き来しやすく、開放的な空間づくりとすることがポイント。

2階にLDKを配した場合では、リビングやダイニング空間と一体化させた屋外スペースを設けることで、多様な使い方も可能でしょう。開け放つことができる掃き出し窓などとすることで、ひとつの空間として使うことも。室内の床と段差を抑えたり、用いる床材に統一感を持たせることで、広がりのある空間が生まれます。

ベランダやバルコニーをプライベート空間や子ども部屋とつなげれば、遊びや趣味の空間として利用しやすいでしょう。バルコニーやベランダを介して個室へ行き来できるプランであれば、兄弟姉妹のコミュニケーションの場ともなるかもしれません。また、バスルームや洗面室とつなげれば、プライベートなリフレッシュ空間にもなるでしょう。

夏場の日差しを遮る工夫を

プランニングによっては、夏場に太陽光が差し込むため、快適に過ごすことができるように日差しを遮ることも必要になるケースもあります。最近では、水平にせりだす日よけや雨よけであるオーニングや外付けスクリーン(シェード)などの商品も豊富に揃い、取り入れやすくなっています。これらを設置することで生まれた日陰スペースであれば、心地よく過ごすことが可能です。また、室内温度の上昇を抑えることができ、エアコンなどの電気使用量を低減することにもつながります。

心地よさを高める家具を用意して

くつろぎのスペースとして利用したいのであれば、テーブルや椅子を置いたり、作り付けのベンチなどを設置しても。アウトドア用やキャンプ用品などを上手に組み合わせてレジャー気分を味わうのもいいでしょう。

その他、夜間に利用することも考えているのであれば、照明器具をプランニングしておくこと。実用的な使い方はもちろん、外観をライトアップするなどすれば、室内側からでも楽しむことができるでしょう。
株式会社田邉雄之建築設計事務所「ナガナガレの家 / 外回廊がめぐる軽井沢の混構造住宅」

エクステリアトータルで検討を

ベランダやバルコニーは外観デザインにも大きく影響するので、単体で検討するのではなく、住まい全体で考えること。窓サッシや扉など、他のエクステリア建材とのコーディネートも重要です。エクステリア商品として人気のデザインは、格子やルーバーの間から日の光や風も取り入れることもできるデザイン、ナチュラル木目調のタイプなど。また、玄関扉や門扉などとトータルコーディネートができるタイプなどもみられます。

室内からの見え方にも注意が必要です。たとえばソファに座った時にベランダの床や手すりがどのように見えるか、室内からのつながりなどを考慮して、デザインや素材選びには配慮するようにしましょう。

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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