2020/03/19更新1like5607view

著者:岩間光佐子

キッチンの換気扇・レンジフードの種類と特徴&選び方

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンの中でも重要なアイテムのひとつである換気扇・レンジフード。最近では、デザイン性が高いものやお手入れしやすいタイプも増えてきています。今回はそんな換気扇・レンジフードの種類や特徴、選び方のポイントについてお伝えします。

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性能だけでなくデザイン性が高まる換気扇

キッチンプランを検討するうえでの重要アイテムであり、こだわる方も多い換気扇・レンジフード。

ダイニングやリビングと一体化したキッチンプランが多くみられるようになったことから、機能性はもとより、デザイン性も高まっています。
システムキッチンのユニットにすっきりとおさまる形状のものや、空間のアクセントになる個性的なデザイン、印象的な色づかいの製品もみられるようになりました。

また、最近の製品特徴のひとつとして、高い清掃性が挙げられます。
各メーカーからは掃除のしやすい製品が多く提案され、ファンやフード本体、フィルターなどの形や加工に工夫を施したものも増えています。

新築やリフォームで多く取り入れられるシステムキッチンの場合は、商品やシリーズごとに設置できる換気扇がいくつか決められているので、その中から選ぶことになります。
こだわりがあるようでしたら、事前にどのような製品を組み込むことができるのか、確認しておくことをお勧めします。

換気扇・ファン+フードで構成される

プランニングの際には、ガスコンロやIHクッキングヒーターなどの加熱機器の特性をふまえて、適した換気機能を持つ製品を選択していきます。

アイランドキッチンや対面キッチンなど、キッチンプランによっても取り入れられるタイプは異なります。この選択は住まい全体の換気計画に直結するため、設計担当者と十分に検討することが重要です。

ちなみに、キッチンの換気機器は「換気扇」「レンジフード」などと呼ばれていますが、実は換気機能を持つ部分が「ファン・システム」であり、覆いの部分が「フード」です。

システムキッチンのパーツ名称としては、換気扇とフードをまとめて「レンジフード」「フード」などと呼称することも多いようです。

換気部分の種類と特徴/プロペラファン・シロッコファン

ファンやシステムといった換気機能部分には、プロペラファンタイプ(直接排気式)とシロッコファンタイプ(ダクト排気式)などの種類があります。代表的なものが、以下の2つです。

・プロペラファンタイプ(直接排気式)
かつての戸建て住宅によくみられるタイプで、屋外へ直接排気できる(外壁に直接設置できる)場合に設けられる。比較的安価で取り付けも簡単、換気量も多いのがメリット。

・シロッコファンタイプ(ダクト排気式)
天井裏や壁などに施工されたダクトを介して、煙や湯気を排気口まで誘導する。シロッコファンは羽根車に幅の狭い羽根が数多く付いており、フードに煙をためて拡散する。ダクトを利用するため4方向への排気が可能であるため、アイランドキッチンや対面式キッチンなどキッチンが外壁に面していない場合や、マンション、戸建てを問わず多く用いられている。


その他、浅形のフードに多く用いられる「ターボファン」もあります。
ターボファンは羽根がファンの回転方向に対して後ろ向きに配されているタイプで、ファンとフード本体が一体化しています。

また、排気の機能によって、「一般排気型」「同時給排気型」「強制同時給排気型」と分類することもできます。

「一般排気型」は、ファンによって排気のみを行うタイプで、キッチン近くに給気口を設けて給気を確保する必要があるもの。

「同時給排気型」は、ファンによる排気とレンジフード本体に設けた給気口から給気を確保するもの。

「強制同時給排気型」は、ファンによって給気・排気を行うもの。高層住宅や気密性の高い集合住宅に用いられることが多いです。

フード(覆い)部分の種類と特徴

フードの形状もいろいろありますが、大きく分けると、プロペラファンにかぶせるだけのものと、シロッコファンなどと一体になっているタイプに分類されます。

・ブーツ型
従来よりみられる一般的な形状がブーツ型(スタンダード型)です。
プロペラファンとフードを組み合わせた分離型のタイプのみならず、シロッコファンなどフード本体が一体化しているタイプでもみられる形状です。

・スリム型
すっきりとしたデザイン。シロッコファンなどとフード本体が一体化しているタイプです。システムキッチンのウォールキャビネットと馴染む形状のものもみられます。

・浅型
天井が低かったり梁があったりと、設置スペースの条件が厳しい場合に取り入れやすいのが浅型。シロッコファンやターボファンなどと一体化しているタイプです。

その他、山のような傾斜が特徴的なマントル型、筒形、ボックス型などの個性的なデザインも揃っています。国産だけでなく、海外製品などにも印象的なデザインのものが多くみられます。

壁付けや天井取付けなど設置場所によっても異なる

取り付ける場所での分類も可能です。
壁付けタイプや横壁付け(サイドフード)タイプ、天井取付け(センターフード)タイプなどのなかから、キッチンのレイアウトに合うものを選択します。

・壁付けタイプ、横壁付(サイド)タイプ
間取りのプランにもよりますが、ひとつの壁面にI型キッチンを設けるプランや、独立型キッチンなどの場合は、壁付けタイプが主流。対面キッチンの場合は横壁付けタイプなども用いられます。

・天井付けタイプ
天井に設置するもので、対面キッチンやアイランド型などの際によく選択されるもの。


性能面はもちろん、デザイン面も重視して選びたいものですね。
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さまざまな機能を持つタイプが揃う。生活スタイルに合わせて選択を

換気扇を選ぶ際、多くの方が気にするのが掃除のしやすさ。
最近では各メーカーがさまざまな工夫を施し、お手入れが簡単な商品も多くみられるようになりました。

シロッコファンには、長期間掃除が必要ないタイプやセルフクリーニング(自動洗浄)機能を持つもの、油汚れがつきにくい特殊加工を施したタイプがあり、
汚れにくいフィルターや整流板を用いるものや、フィルターそのものがない(ノンフィルター・フィルターレス)ものもあります。

フード部分についても、不必要な溝や凹凸などを少なくしたシンプルな形状のもの、フッ素や親水コーティングなどによってお手入れを楽にできるものなどがあります。

また、操作性や使い勝手を良くしたタイプも揃っています。
製品のなかには、加熱調理器をつけると自動的に換気をスタートさせる自動運転タイプや、調理の煙や熱、油煙などをセンサーでキャッチし自動的に最適な省エネ運転をするタイプなども!

手元照明にはLEDを用いることで、取り換え手間を省き、省エネにも配慮しています。
その他、短時間で交換可能なリフォーム向け商品もあるようです。
キッチンの換気扇は、住まい全体の換気計画にも関わるもの。
機器本体の性能やデザイン性にこだわるのはもちろんですが、何よりも間取りプランとの相性や換気に問題が無いか、設計担当者と相談しながら検討することが大切です。

前述したようにたくさんの種類がありますが、家族構成や食事のスタイルなどを考慮し、取り入れたい機能や性能、デザインなどの優先順位を明確にして選ぶと、自ずと選ぶべきものが見えてくるのでは無いでしょうか。

メーカーそれぞれに工夫を凝らした製品がありますので、ショールームなどに足を運び、実際に操作して使い勝手や動作音、掃除のしやすさなどを確認することもお勧めです。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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