新しい家、新しい暮らし。これからの人生に期待しかなくて、胸を躍らせながら住み始めてみたら、待っていたのはご近所とのトラブルだった・・・そんな事態は悲しいですよね。
せっかく建てる注文住宅。近隣問題を起こさず、スムーズに完成させたいものです。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
トラブルはほんの些細なことから広がるもの
建てる前の対策1:法規制をしっかり確認しておく
建てる前の対策2:着工前に必須の挨拶回り
施工中も気配りを忘れずに
建てたあとの「しまった!」を避けるには
トラブルはほんの些細なことから広がるもの
ちょっとした配慮や工夫で避けられるのが近隣問題。でも、ちょっとしたボタンの掛け違いで深刻化するのもまた近隣問題です。
建てる前から住み始めるまで、お隣やご近所のお宅と揉める原因は丁寧に取り除いておきましょう。
建てる前の対策1:法規制をしっかり確認しておく
建築基準法や都市計画法はもとより、そのエリア特定の条例や住民協定がどうなっているか、しっかり確認しておくことは大切です。
地域によっては屋根形状にまで決まりがあったり、外観のデザインやエクステリアのつくり方に制限があったりもします。自分の敷地に関わってくる「コミュニティにおける約束事」にどのようなものがあるのかは理解しておきましょう。
建てる前の対策2:着工前に必須の挨拶回り
トラブル回避のカギになるのは、まずは「いかに近隣の理解を得ておくか」です。
着工前の周知や挨拶は必須と心得ておきましょう。
施工会社がタオルなどを持って近隣の家々を回ってくれるのが通常ですが、挨拶回りは施主本人もおこなったほうが得策。できるだけ印象をよくしておきましょう。
敷地に隣接する家、道路を挟んだ向かいの家、斜め向かいの家には最低限挨拶を。敷地が袋小路に面している場合は、袋小路の奥の家まで挨拶先に含めた方がいいでしょう。留守がちでなかなか会えないお宅には、ポストに手紙を入れておきましょう。
施工中も気配りを忘れずに
工事が始まれば基本的に「施工会社にお任せ」。素人が手を出せる部分はまったくありません。しかし、工事以外のところでは、施主としてできることもあります。
たとえば、ある程度の工事スケジュールを把握しておくだけでも、かなり違います。
部材を搬入するとき、電気や水道工事などが入るときなどは、職人の出入りも多くなります。その分、トラックやバンが何台もやってくることになりますから、他の家の通行を阻害するケースも出てきます。また、コンクリートのハツリ工事など、不快な騒音が発生することも。
工事スケジュールを知っていれば、ご近所にはあらかじめ迷惑をかける場合があるかもしれない、と伝えておくことができるわけです。
あとあとの結果に差が出ますよ。
建てたあとの「しまった!」を避けるには
一説によると、建てた後によくあるトラブルは民法に関係したことなのだとか。
住宅を建てる場合、境界線から建物を50cm以上離す必要がありますが、これは建築基準法ではなく、民法で定められた規則。ちょっと意外な気がしますね。
ですが、建築基準法上では問題がなくても、民法に違反する可能性があることは事実。バルコニーや出窓など、建物から突き出ている部分が十分に敷地境界から離れているか、よくチェックしましょう。
また、窓が隣家の窓と完全に向かい合ってしまった場合、両家とも視線を気にしなければならなくなります。せっかくつくった窓なのに、一年中カーテンを閉めっぱなしという結果になりかねません。
換気扇の排出口の位置や、エアコン室外機の設置予定場所、バルコニーの向きなど、配慮が必要な部分はたくさんあります。
でも、これらは設計の段階で気づくことができます。隣家の立場になってみながら設計を検討すれば、トラブルへの発展を回避することが可能です。
ひとたび心証を害してしまったら、挽回するのはとても困難なもの。新たなご近所づきあいの構築を考えても、また既にあるコミュニティの一員ならばそれを損なわないためにも、注文住宅を新築する際には十分すぎるくらいの配慮を重ねておきたいところです。