2020/08/13更新0like5343view

著者:岩間光佐子

日差しを遮る建材アイテムの種類とプランの注意点|ルーバー・シェード・オーニング etc.

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

夏の強い日差しは上手に遮ることで室内、室外ともに心地よさを得られるものです。ここでは、日差しを上手に遮るためのプランニングの注意点、シャッターやルーバー、シェードやオーニングなど、外まわりのアイテムについてまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

夏場の日差しを上手に遮り心地よく過ごすには

新築やリフォームの際には、光あふれる明るい家にしたいと希望する方も多いでしょう。窓の断熱性能も高まり、大きな窓を用いた開放的なリビングをプランニングした住まいもみられます。

しかし、近年の厳しい自然環境の中、夏場、窓からの強い日差しは上手に遮る必要もあるでしょう。室内へ差し込む日差しを暮らしに合わせて調節することが、快適さを生み出すとともに、室内温度の上昇を抑え、エアコンなどの電気使用量を低減させることにもつながるのです。

夏の日差しを遮るためには、敷地環境に適した間取りはもちろん、窓プラン(設置する方角や形状など)を十分に検討することが基本です。また、条件やプランニングにもよりますが、軒(のき・外壁より外側に出ている屋根部分)や庇(ひさし・窓や出入口などの上部に設けた屋根状のもの)などを設けるのもいいでしょう。軒がせり出しているほど日差しを遮ることができ、庇は日差しを遮るだけでなく 雨が直接窓から入り込むことも防いでくれます。

これらは躯体にも関わるため、実際の家づくりの中では、設計担当者から提案されたプランを確認し、検討することになるでしょう。窓からの日差しの入り方、季節による違いなどを含めて説明を受けておきたいものです。デザイン性などから、軒や庇を設けないプランもありますが、メリット・デメリットの確認を。敷地条件や間取り、デザインなどトータルに検討することが大切です。

日差しを遮る建材アイテムの種類とプランニングのコツ

日差しを遮るため、従来の日本家屋では、深い軒や庇を設けた上で、夏場には軒の下に簾(すだれ)を下げる、よしずを立て掛けるなどの工夫をしてきました。最近では、簾やよしずのような機能を持ちつつ、現在の住まいに合わせ開発されたアイテムもみられます。

たとえば、ルーバータイプの建具や窓シャッター、窓の外に設置する外付けシェードやオーニングなども日差しを遮ることが可能です。どのようなアイテムを選ぶのかは、プランや予算によって検討することになりますが、おおよそ、ルーバーやシャッターのような建具がコスト的には高く、外付けシェードとオーニングでは、オーニングの方が費用がかかるケースが多いでしょう。

■ルーバー・窓シャッター
日差しを調整できるアイテムとして、窓にルーバー(ガラリ)タイプの建具を設けることが挙げられます。通常のシャッターや雨戸に変わるものとして、造作するケースもありますし、メーカー商品には採光・通風機能のある窓シャッターやルーバータイプの雨戸などが揃っています。

一般的な住宅の窓に用いられる窓シャッターは、アルミやスチールの羽根(スラット、ルーバー)を上下させて開閉する仕組み。採光や通風が可能なタイプであれば、羽根の開閉を調整することで、日差しに合わせて使用することが可能です。窓シャッターの場合、商品にもよりますが、基本的に機能性が高いタイプの方が価格は高め。電動タイプは手動タイプの倍近くなるケースもあります。

その他、メーカーからは、固定式や引戸タイプの外付けルーバーやブラインド商品なども提案されています。比較的小さな窓に設置するルーバータイプの面格子などは、好みの角度にルーバーを調整することで、日差しを遮るだけでなく、プライバシーを守ることができるものです。
網田一久「長屋門の家」
■外付けタイプのシェード
ここ数年、日差しを遮るアイテム(日射遮蔽商品)として人気なのが、窓の外側に設置する外付けのスクリーン(シェード)でしょう。エコロジー意識の高まりなどからも注目を集めているものです。簡易型であればホームセンターなどでもみられますし、エクステリアメーカーからもさまざまな商品がラインナップされています。

エクステリアメーカーの商品は、外壁や窓枠、テラス屋根やバルコニーなどに取り付け、引き出して使用するもの。自動巻き上げで収納されるので操作しやすいのも特徴です。デッキやテラスの床面まで降ろし設置するタイプ、2階のバルコニーやパーゴラなどに設けることができるタイプなどもあります。シェードによって生まれた日陰スペースでお茶を飲んだり、子供の遊び場とするケースもみられます。

商品によって異なりますが、適度に光を取り込めるので、部屋の中が暗くなることもないのが魅力のひとつ。日射熱を8割以上カットすることができるタイプもあります。また、シェードを設置することで、カーテンを閉めなくてもプライバシーを確保することも可能でしょう。サイズやデザイン、性能にもよりますが、エクステリアメーカー商品であれば、数万円から揃っています。
小島光晴「群馬県太田市 House M -3つのリビング-」
■ オーニング  
オーニング(awning)とは、窓に設置される「日除け」「雨よけ」「ひさし」などのこと。巻き取りパイプに布を取り付け、出し入れすることで日差しを調整することができるものです。生地に雨よけのため防水加工が施されている商品もあるので、テラスやデッキスペースなどアウトドア空間をより快適に楽しむためのアイテムとして取り入れられています。ただ、太陽の方角や角度によっては、横からの日差しなどを遮ることができない場合もあるので注意が必要です。

エクステリアメーカー商品には、水平に張り出すタイプや窓に対して垂直に開閉するものなどがあり、操作方法では、手動タイプとスイッチやリモコンを使用する電動タイプが揃っています。太陽光に反応して自動的に開閉したり、強風時に自動で収納するセンサー付きの商品もみられます。

簡易型などもありますが、エクステリアメーカー商品の場合は、十数万円程度から。使用頻度や使い方を考慮して検討するようにしましょう。
■緑のカーテン
エコロジーに配慮した暮らし方が進む中、日差しを遮る工夫として、ゴーヤや朝顔など、つる性の植物を利用した緑のカーテンも一般的になっています。

エクステリアの建材アイテムには、緑のカーテンを設置しやすくする、手軽に取り入れることができるフェンスや部材などがみられます。窓の上の外壁に取り付けるバーなどは、緑のカーテンだけでなく、簾やよしずを取り付けるためにも使いやすいものです。
高草大次郎「鳥取市 O様邸」

マンションでの注意点

一戸建ての場合、後付けでもオーニングやシェードなどは基本的に自由に取り入れることができますが、マンションでは注意が必要です。マンションのバルコニーは共用スペースですので、簡易型のオーニングなどであっても管理組合などの承認が必要な場合もあります。設置を検討する場合は、事前に管理規約などを確認するようにしましょう。
日差しを遮るために、窓まわりのアイテムを検討する際には、ひとつの窓だけを考えるのではなく他の窓、住まい全体で考えること。取り入れるアイテムによっては、夏の強い日差しはもちろん、通風やプライバシー、他の季節の気象条件なども合わせて検討するようにしましょう。

シャードやオーニングなどのアイテムは、ホームセンターでも取り扱っているケースもあるので、気になる商品はチェックしておくといいでしょう。エクステリアメーカーの建材商品であれば、ショールームを上手に利用すること。実際に、操作性やデザイン性などを確認して選ぶこともポイントです。
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